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アドベンチャー

恋人と、友達と。2人遊び専用の脱出ゲーム『Tick Tock: A Tale for Two』レビュー。2台のスマホで同じ世界を、違う視点で見て、話しながら謎を解く会話ゲーム

2人のプレイヤーが同じゲームを別々の端末で、異なる視点で遊び、会話で情報を共有しながら謎を解くコミュニケーション・脱出ゲームが登場した。スウェーデンとデンマークの作家2人組Other Tales Interactiveが制作した、2人プレイ専用の脱出ゲーム『Tick To…

フロイト的手法でプレイヤーを多角的に本格心理テストゲーム『ALTER EGO』レビュー。自己を知り人生を豊かにするゲーミング

大学時代、心理学の講義で聞いた言葉が今でも忘れられない。「心理学は、自分を知り豊かな人生を送るための授業です。普通の人は自分を知りたいと思いません。心理学の講義を選択した皆さんは、少し変わっています」“自分を知りたい”欲求を持つ人間が少数派…

死にざまを見せて人を前向きにするポジティブな”死のゲーム”。死者が最後の晩餐をとるレストラン『くまのレストラン』レビュー

魂が天国へ行く前に訪れる、天国と地獄の間。そこに、くまのシェフが死者に最後の晩餐をふるまう“くまのレストラン”がある。このレストラン住み込みの給仕の“ねこ”になって、シェフを手伝い、死者とふれあいうゲームが『くまのレストラン』だ。

衣装課金から始まる物語。振袖を贈られた人工知能と少年を描く軽妙な青春物語『西暦2236年の秘書』レビュー

スマホに変わる個人向け端末 “スマートツールス” が普及し、だれもが A.I.秘書 “PASS” を活用するようになった未来の2236年1月1日。その年の元旦、主人公のヨツバは宝くじの大当たりを引いたような……大金を手に入れてしまう。小心者のヨツバは、この金で自分…

遊ぶほどにつらくなる。ナチスの優勢人種生産施設で産まれた子供を育てるゲーム『マイ・チャイルド・レーベンスボルン』レビュー

やっと、ゲームが終わってくれた。エンディングに到達してやってきたのは、達成感でも感動でもなく、安堵だった。第二次世界大戦中、ナチスが掲げた人種差別の方針のもとでユダヤ人が迫害・虐殺された歴史は日本でもよく知られている。私自身、課題図書で『…

キャラクターが命を持ち、人間を襲う。狂気のアニメーターが作ったスタジオを探索する『Bendy and the Ink Machine』レビュー

やあヘンリー。30年前、いっしょに働いていたアニメスタジオを覚えているかい?もし、君が近くにきたらぜひ寄って欲しいんだ。見せたいものがあるからさ……。そんな手紙を受け取り、かつての職場を訪れたヘンリーが見たものは、廃墟と化したスタジオだった。…

朝がくるまで、蒼い月の下を歩く『ブルームーン3』レビュー。眠れない夜、静かに遊ぶ1本

寒くて暗い夜、思索にふけりながら遊ぶにはもってこいの1本がある。蒼い月が照らす庭を散策し、妖精や超自然的なイベントを見て回る散歩ゲーム『ブルームーン3』だ。プレイヤーのやることは、歩いて、ときどき立ち止まって夜の庭を観察するだけ。激しさも、…

ショゴスが平然と寝てる洞窟を探索するコミック風・クトゥルフ・アドベンチャー『Lovecraft Quest』レビュー。緑色の顔したラヴクラフト先生が手招きしている…

クトゥルフ神話を下敷きとし、邪心が眠る洞窟に迷い込んだ男の冒険を描いたアドベンチャー。それが『Lovecraft Quest - A Comix Game』である。コミックゲーム(漫画ゲーム)の名の通り、洋風コミックイラストが多用されたゲーム演出は情感たっぷり。H・P・…

映像から脳内に物語を組み上げる”見る小説”ゲーム『Gone Home』レビュー。

そこにあるのは、人がいなくなった家だけ。ゲーム『Gone Home』の世界には、脱出ゲームのようなパズルも、激しいバトルもない。しかし、家に残された人の痕跡から断片的な情報を得て、脳内で整理すると小説のようにストーリーが組み上がる。その体験にもだえ…

また本編を遊びたくなるし、もっと本編が味わい深くなる。たった10分の見事な外伝作品『魂の架け橋 ー序章ー』レビュー。『OPUS:魂の架け橋』を遊んでいたら、絶対やるべき作品

本編をまた遊びたくなるし、その物語がもっと味わい深くなる。『OPUS: 魂の架け橋』を遊んだプレイヤー全員に遊んで欲しい、模範的な、たった10分の外伝作品が『魂の架け橋 ー序章ー』だ。このゲームの本編は、文明が滅びた世界でロケットを作って宇宙葬を執…

仕事のストレス、SNS疲れで死んだ心を癒す社会人再生の物語。『Radiant One』レビュー

社会人のストレスは世界共通で、それが海外でも日本でも変わらないようだ。本日紹介する『Radiant One』の主人公ダニエルは、仕事の退屈に飽き、SNSでの関わり合いに疲れて果て、すべてを投げ出したいストレスを抱えながらも社会生活を営んでいる。まさに、…

人類最後の1人を助けるため、鉱物生命体エイリアンに挑むSF脱出ゲーム『Returner Zhero』レビュー

人類最後の生き残りとして、鉱物文明の宇宙船を探索するSF脱出ゲーム『リターナー 77』に外伝がやってきた。前作の直前を描き……同時に前作のエンディングの謎を解明する物語『Returner Zhero』だ。本作は『The Room』のように美しい3Dグラフィックを特徴とす…

異文明の宇宙船と神秘を体感するSF脱出ゲーム『リターナー 77』レビュー。超美麗3Dグラフィックは必見

クリスタルを基盤とする異文明の宇宙船を探索する、美麗3Dグラフィックの脱出ゲームが登場した。デンマークのFantastic yesが開発した『リターナー 77』だ。『The Room』や『House of Da Vinchi』と同じように美しい3Dグラフィックを持つ脱出ゲームだが、鉱…

心を持つ美少女アンドロイドを開発した結果、AIが進化しすぎて悟りを開いてしまい、開発者にひたすら仏法を説いてしまう萌え(?)SF仏教ノベル『マーシフルガール』レビュー

萌え×SFノベル×仏教。辞典アプリ『法句経(ダンマパダ)』などの仏教アプリを手掛けるガチ仏教系開発者RhinocerosHornさんが送り出した最新作がこの『マーシフルガール』である。とあるオタクが、特注の女子型アンドロイドに新型AIを搭載した結果、高度すぎ…

1時間で不思議と切なさを体験する一点突破の「ザ・インディーゲーム」。追憶のパズル『BestLuck』レビュー

毎晩、私の夢には無言でどこかを指さす少女があらわれる。彼女の示す先には異世界につながる扉があり、それを開いたとき失われた記憶がよみがえる……。今日は、『リーグオブレジェンド』の RIOT で UI / VFX などを担当した後、『風ノ旅ビト』で知られる that…

監禁された美青年を監視する『囚われのパルマ』。全女子が悶絶する恋愛アドベンチャーで分かる乙女心!

CEDECなどの講演資料などで忙しいため、かつて有名メディアで編集長を経験し、キンプリを一緒に見に行ったりした有名ライター、アプリーナさんに土下座して特別寄稿をいただきました。今回、「最もハマった女性向けのゲームを男性向けに紹介して」とお願いし…

古城を探索する浪漫。脱出ゲーム系ADV『The Eyes of Ara』レビュー

電波が届かず、調査に向かった者が誰一人戻ってこない孤島の城……そこにたどり着いたプレイヤーが見たものは、食べかけのまま残された食事、そして奇妙な装置と隠し通路だらけの城に住んでいた人々の手記だった……!PCで人気を得た3Dアドベンチャー『The Eyes …

救世の手紙を届ける運命の子、ぐーたらフェステを見守るアドベンチャー『Message Quest』レビュー

ぐーたらな男の子フェステが、世界の命運を託されて手紙を運ぶ……子供向けの絵本のような物語を、ステンドグラス風の世界で描いたアドベンチャーゲームが『Message Quest』だ。開発したのはロシアのインディー開発者Royal Troupeで、1時間程度で終わる短いゲ…

奇怪な世界観がにじみ出るアドベンチャー『見失い島2:時間の灰』レビュー。不可解なものに近づく楽しさ

続編物のゲームには2種類がある。前作を遊んでいるとより面白さが上がるもの、前作を遊んでいないと楽しめないものの2つだ。近年「前作ありき」の作りは客層を狭めるので嫌われているが、贅沢なことに後者を採用したのが『見失い島2:時間の灰』だ。前作『見…

「奇妙」を感じるアドベンチャー『見失い島』レビュー。人語を解する犬、宇宙怪物、疲れた人々…彼らが1つの島にいる謎とは

独特で印象に残るタッチ、古い映画フィルムのようにノイズがかかった映像、そしてそれ以上に印象に残る奇妙な建築物とギミック……大西洋のどこかにある“見失い島”の謎を探るアドベンチャーが『見失い島』だ。正直、ゲームキャストで『見失い島』を紹介できる…

素直なお姉さんに振り回されて変わるコミュ障少年の青春物語『アイ・ビー ~コミュ障の俺が選んだ未来~』レビュー

俺も、こんなお姉さんに振り回される少年時代を送ってみたかったよッ!『アイ・ビー ~コミュ障の俺が選んだ未来~』は、アプリコンテストに挑むコミュ障な天才ハッカーの少年が、アプリコンテストのサポート係のお姉さんに出会って変わっていくSF青春ノベル…

悔いの多い人生を過ごす人へ。後ろ向きに生きる青年の再生物語『潮騒の街』レビュー

都会の生活に疲れて心が枯れ、海辺の街で貯金を切り崩しながら生活する青年を描いたアドベンチャーが『潮騒の街』を紹介する。本作は疲れた人間の再生を描く優しい物語……なのだが、人生に疲れた青年の後ろ向きな描写が真に迫っている点で他と一線を画してい…

大自然で生きるウォンバットを愛でるお散歩ゲーム『カユプテの木』レビュー。つぶらな瞳、揺れるお尻、短い手、すべてが可愛く尊い…。

夏のオーストラリアの林を、1匹のウォンバットになって歩き回るアプリ『カユプテの木』が、ありえないほど可愛い。水彩を思わせるタッチの映像、緻密に描写される植生、その中で動き回る可愛らしいウォンバット。動物特番などでマスコット的に扱われるウォン…

古典ホラーを磨き上げた恐怖体験『Forgotten Memories Definitive Edition』レビュー。光と闇、そして狂気をまとった廃病院が手元に

2015年に発売されるや、「ゲーム機に匹敵するスマホ最高のホラーゲームの1つ」として各所で取り上げられたホラーゲーム『Forgotten Memories』(当時の記事)。その後、高評価を得た本作はゲーム機に移植するための作業が進められていたが、移植が中断され、ゲ…

『Faraway 3』レビュー。雪に覆われた遺跡の美しさと不思議さを感じさせる“観光脱出ゲーム”

消えた父を追って、雪で覆われた謎の文明の遺跡を探索する脱出ゲーム『Faraway 3』が登場した。美しい雪景色と淡い色使いの建物は、美しく繊細な世界を描写しており、プレイヤーをゲーム内に引きずり込む没入感がある。ゲームの長所を理解した作りで、移動は…

好きな場所を好きな順番で探索し、謎を放置してもクリアできる新しい脱出ゲーム『Alleys - 路地探索』レビュー。英国の路地を思う存分散歩して、ストレスなく脱出しよう

脱出ゲームで謎が解けなかったり、細かい何かを見落として同じ画面を見るストレスを抱えたことはないだろうか?『Alleys 路地探索』は、そういったストレスと無縁の新しい脱出ゲームの可能性を示している。なんと、本作には脱出までの決まった順路はなく、プ…

大逆転『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-』レビュー。2作分の物語を完結する快感

『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-』は幸せな作品である。明治時代の日本と倫敦(ロンドン)を舞台に、弁護士として活躍する大法廷バトルゲームの2作目……なのだが、これは実質的に1作目の『大逆転裁判―成歩堂龍ノ介の冒險―』の完結編だ。最近では「1作目…

見たこともない伝承の世界に足を踏み入れ、”知らない”を体感できる『The Mooseman』。ゲームは、これだからやめられない

ゲームは非日常への入り口であり、ゲームを触ることは未知の世界を旅して楽しむことでもある。少なくとも、多くのゲームにその要素はあると思っている。その旅という意味において、私の好みに完全に合致したゲームが『The Mooseman』である。未知の土地をお…

“しり(Siri)”のつく言葉しかしゃべれないAIになり、真実を暴く『ねぇAI 本当の事がしりたい』レビュー。優しいダジャレゲーム

真実を知ることは、彼を幸せにするのだろうか?そんなシリアスな紹介文から始まる『ねぇ、AI 本当の事がしりたい』は、スマホの音声アシスタントとなり、物語中で登場人物が抱く疑問に回答していくクイズゲームだ。なお、クイズの回答には音声アシスタントの…

たった10秒の瞬間を美しく魅せるゲーム『キャンドルちゃん(Canndleman)』レビュー。その身を燃やして消えゆく蝋燭のはかない冒険

少しの時間だけ明るく光を灯し、燃え尽きる……ロウソクの“キャンドルちゃん”を主人公にしたアクションアドベンチャーがスマホにやってきた。暗いステージを進むため、キャンドルちゃんは自らに灯をつけ命を削りながら道を進むことになる。その寿命は10秒(な…