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大自然で生きるウォンバットを愛でるお散歩ゲーム『カユプテの木』レビュー。つぶらな瞳、揺れるお尻、短い手、すべてが可愛く尊い…。

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夏のオーストラリアの林を、1匹のウォンバットになって歩き回るアプリ『カユプテの木』が、ありえないほど可愛い。
水彩を思わせるタッチの映像、緻密に描写される植生、その中で動き回る可愛らしいウォンバット。
動物特番などでマスコット的に扱われるウォンバットの良さが、完全にアプリに封じ込められているのだ。
しかも、それをナレーションと素朴な音楽と唄で飾り、最高の「ウォンバットとお散歩アプリ」に仕立て上げている。可愛い動物が好きなら、このアプリは絶対外せない1本だ。
『カユプテの木』をカテゴリするならアドベンチャーゲームに入るはずだが、実際は「森の中でウォンバットを動かせるお散歩絵本」と言ったほうが適切だろう。
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プレイヤーが画面をタッチすると、それに合わせてウォンバットがかわいらしく歩く。
そして、一定の場所まで移動するとナレーションが入ってウォンバットの行動を説明し、またウォンバットが歩き始める。
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基本はこれだけで、林の中はほぼ一本道だし、結末が変わることもない。
ウォンバットの好物を見つけたら食べることができたり、見かけた虫をタッチして集める探し物要素もあるが、あくまでおまけ程度。
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森で見つけた動物や植物のライブラリーも簡素で、動く水彩画を見て満足するお散歩ゲームでしかない。wonbat-9

だが、それがいい。余計なものはなく、ぶれずにずっと「オーストラリアの自然とウォンバットの可愛さ」を見せることが徹底しているのだ。
通してプレイすれば1時間半程度で終わる分量だが、私はこの可愛さに完全にやられて、終わってみれば3時間ほどもこの世界を見ていた。
まず、素朴な音楽とオーストラリアの自然の相性は最高で、ゆっくりと見て、自然を感じることが気持ちいい。


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次にウォンバットがそこにいるだけで最高。小さな足で必死に歩いている様子をを見たり、背面視点からお尻の動きを見たりするだけで時間が過ぎていく。
ごくたまに木の上に乗り上げたり、くぐる動作をするポイントがあるのだが、あまりに可愛いくて無駄にそのポイントを行き来してしまう。

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▲よっこらしょって木の上に乗る。これだけでいい。

見て欲しい、この犯罪的な可愛さを。
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巣穴から出てきて、お尻が詰まるスタートシーンに至っては後世まで語り継げるレベルの反則的な……そう、こういう時はあれ……そう、尊いってやつだ(おじさんなのでこの言葉が少し恥ずかしい)。


ゲームが淡々とウォンバットが歩く様子を見せるだけなので、もう少しだけ多様な動きが欲しかったとも思うが、画像を見て「ウォンバットが可愛いな」と思えたら、購入を検討しても良いと思う。
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自然の中で生きるウォンバットを見て、素朴な音楽と唄に癒され、活力を得る。可愛い動物好きにはたまらないアプリのはずだ。
このアプリで、ウォンバットとオーストラリアの自然の魅力を思う存分堪能してほしい。

評価:7(要チェック)

おすすめポイント
素朴な音楽と唄
ウォンバットが可愛い
水彩風に描かれるオーストラリアの自然

注意点
短いお散歩ゲームであり、駆け引きや物語、周回要素があるゲームではない
ウォンバットにあざと可愛い動きは少ない。あくまで「お散歩を見る」

アプリリンク:
カユプテの木 (itunes 480円 iPhone/iPad対応)※現在、他プラットフォームは予定なし

販売:Paper House Pty Ltd(オーストラリア)
レビュー時バージョン:1.0.5
課金:なし
公式ページ:http://www.paperbarkgame.com/
ライター:ゲームキャスト トシ

動画: