今から語るのは、本当にサービス2日目のMMORPGである。
海外ではそれなりのヒットを飛ばし、日本でも事前登録10万人を越えたファンタジーMMORPG『レジェンドオブリング』。このゲーム、なんとMMORPGなのに人に出会わない。
マップが広いとかではなく、本当の意味で人がいなくて、サービス2日目にしてすでに限界集落感が漂う恐るべき物件である。
今日は、皆さんに本物の過疎ゲーの姿をお見せしよう……。
本作は中国で大ヒットしたというゲームで、すでに日本国外ではかなり前にサービスがされている血統書付きの作品である。
とは言え、『レジェンドオブリング』はすでに2年ぐらい前のゲーム。
▲『リネージュ2 レボリューションズ』と同系統のオートクエスト系MMORPGなので、2周遅れぐらいに見える。
見た目がアレなのは大目に見て、早速キャラクターメイク……と思ったが、ここの古さがもう格別。
昔の中華ゲームに搭載されがちだった自動で名前を生成する機能が、未だにある!
しかも、“国司田アダムソン”とか“法泉寺アイソン”とか、自分がデバッガーなら、バグ報告するレベルの名前しか作れない。
でも、このゲーム長くやらなそうだし自動生成でいいか……よし、お前は「中川西アラーガー」だ!
サーバーはフィールド3を選んで……今、ゲームキャストはゲーム世界に降り立つ!
で、ゲームをスタートしてみると、スタート地点にまともに名前を入力して作ったキャラクターがいない。
「料所アエバ」、「恩村アドレン」、「加久本アイキン」。お前ら、ゲームを長く続ける気ないんだな……俺もだ。
ちなみに、ゲームは完全に『リネージュ2 レボリューション』系のオートバトルMMORPG。ボタンを押すだけでキャラがオートバトルして、採取して、ガンガンクエストが進む。グラフィックがショボいので発熱もなく、さっくさく。
しかも、ゲームプレイしながら裏でデータをロードする仕組みもあって結構ハイテク(画面はあえてDL画面を表示している)。さすがヒットを飛ばしたというだけはある。
しかも、サクサク具合が半端なくて遊べてしまうぞ……?
もしかして、このゲームは手軽すぎるから楽しくなって続けられる系かもしれない。
そう思った私は、翌日から腰を据えて遊ぶことにしたのだが……そこで驚くべき現実と直面する。ログインしても、スタート地点に誰もいない。
少し進んでも他のプレイヤーと会わない。少し進んで巨大化能力を得てもまったく会わない。つまり、サービス2日目にして新規プレイヤーが全然入ってない。
16レベルになって馬に乗れるようになっても、やっぱり誰とも会わない。
リリース2日目のMMORPGで、人に出会わないなんてあり得るのか(土曜日の昼間)。
お前、10万事前登録を達成して「10万人が待ち望んだMMORPG」とか言っていたよな……。
ついにデイリークエストが解放され、女神が出てきて「毎日いろんなクエストが待ってる~」と軽いノリで語りかけてきたけど、やっぱり誰もいない。
ほんといない。10レベルぐらい上がるたびに新しい要素が解放されて、そのたびに口調が不安定な女神が出てくるだけ。
「手に入れたルーンを早くはめ込むんだ」
不安になってチャット画面を開いてみても、ワールドチャットにコメントが一切ない。1時間遊んで一言もチャットにコメントがないMMORPGなんてあるのか?
バグか、『レジェンドオブリング』がMMORPGだってのは自分の思い込みで、本当は1人用ゲームなんじゃないか……?
思わずネットを検索してみたが、ゲーム情報に関して出てきたのはちょっとした紹介記事と、電ファミニコゲーマーの攻略wikiだけ(なお、情報はない)。
▲リセマラの項目があるけど、このゲームにリセマラはないよ!
ゲーム公認掲示板を見に行ってみると、6時間前の
「私気づいてしまった。人がいない」
という書き込みを最後に情報が途絶えている。うん、俺もそれ、今日気づいた。
とは言え、まったく狩りで獲物を横取りされないMMORPGってのはかなり快適で、なんだかんだで楽しんで孤独に2時間。
ついに調査隊は他のプレイヤーを発見した。ラピュタは本当にあったんだ!
と思ったが、よく見るとプレイヤーの表示に「オフライン」とある。
このゲームでは60LVを超えるとオフライン経験値稼ぎ機能が解放されて、オフラインでも勝手に戦って成長してくれる、と。
つまり、ゲームをプレイしていなくても、60LVを超えた彼らはゾンビのように戦い続けるのか……ゲーム開始2日目にして、MMORPG廃墟を探索している気分である。
そしてさらに2時間後。共闘が解放され、パーティー募集をかけて待つこと15分。ついに1人のプレイヤーがパーティーに合流した。スタート地点にプレイヤーがいないMMORPG……だが、人類は滅亡していなかった!
なお、このあと3人目が見つからなかったのでパーティーは解散した。
結局、共闘ボスはレベルを上げた後1人で倒して、MORPGどころか完全1人用で遊び続け、さらにLV110まで到達して強大なボスと人数無制限で戦うレイド……“世界ボス”が解放される。
さすがにワールドに1体しか沸かないボスなら、他のプレイヤーもいるはず。いくぜ……!
やっぱり1人でボスを殴るハメになっていた。あ、いや、まて!
きた!オフラインじゃない人が2人!
すごい速度で世界ボスの体力が減っていく!そうそう、これがMMORPGだよ!(※人数は3人)
そして、ボスの体力がほぼゼロになったとき……。
一緒に戦っていた仲間が他のプレイヤーを攻撃しはじめて、俺は即死。レイドボス中にPK(プレイヤーキラー)だと……?
一緒に殺されたプレイヤーに話を聞いたところ、「世界ボスで報酬をもらえるのはもっともダメージを与えた1人だけだが、死ぬと権利が移動する。なので世界ボスを倒す直前になるとその場にいるプレイヤー同士で殺し合いが始まり、最後に残った1人が報酬を総取りしていく」とのこと。
狩り場のボスに手を出さず、おこぼれをもらうのが雑魚プレイヤーの生きる道だという。
マッドマックスか。
ただでさえ人が少ないのに、少ない食料(宝)を求めて戦う世紀末の世になっている『レジェンドオブリング』。
ここまで来るともはや興味深い。私は、この廃墟の先に何があるのか調べるため、初心者パックらしきものに課金してゲームを加速しはじめた。
MMORPGだがオートが優秀、かつ人がいなくて快適なので、ぜひ読者の皆さんも廃墟の見学をしてみて欲しい。『リネージュ2 レボリューションズ』と同系統のゲームなのに、他プレイヤーに邪魔されないで進む成長・進行速度の早さも良い感じ。
というか、60LVを越えると放置して起動するたび20LVぐらい上がっている放置MMORPGという新感覚ゲームになって1人で完結するMMORPGとして結構面白いので、DLしたら2日間は遊んでみて欲しいと思う。
追記:
意外にも楽しくなって続いたので、第2弾の記事書いた
アプリリンク:
レジェンドオブリング (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)