2人のプレイヤーが同じゲームを別々の端末で、異なる視点で遊び、会話で情報を共有しながら謎を解くコミュニケーション・脱出ゲームが登場した。
スウェーデンとデンマークの作家2人組Other Tales Interactiveが制作した、2人プレイ専用の脱出ゲーム『Tick Tock: A Tale for Two』だ。
友達と遊ぶも良し、恋人と遊ぶも良し。
簡単な謎解きではないが、とにかく人が2人いて、2台の端末があればアトラクション気分で遊べる面白いコンセプトのゲームだ。
こういったゲームは珍しいので、プレイの準備から説明していこう。
本作のプレイには2人のプレイヤーと2台の端末が必要になる。
iPhoneが2台あってもいいし、PCとiPhoneでも、AndroidとiPhoneでも、とにかく2台あればOK。通信環境は必要ない。
▲友達は販売していないので各自用意を
準備ができたら、2人がそれぞれの端末でゲームを起動し、タイトル画面で“Start”を押す。
推したら、次は役割選択画面が出てくる。
ここで一方のプレイヤーが“Player 1”を、一方のプレイヤーが“Player 2”を選択してゲームを始れば準備はOK。
すると、Player1とPlayer2それぞれに失踪した時計職人からの荷物が届き、それを開封してゲームが始まる。
操作についてはスワイプで画面をスクロールし、気になる場所をタッチで調べる普通のアドベンチャーなので、操作についての心配はいらない。
魔法の時計によって過去の世界にワープし、寂しげで暗い世界と謎を心置きなく堪能できるはずだ……。
なお、このゲームは声だけで情報を伝達するプレイを推奨している。
「そっち世界に、この謎のヒントないかな?」
「ちょっと待ってて、あー!あった!」
「謎を解いたらこんなの出てきたよ」
「それでこっちの謎が解けるかも!」
こんな感じで、謎解きの会話を楽しみつつ、少し脱線してはプレイヤー同士の仲を深めていく謎解きアトラクションとして遊んで欲しいようだ。実際、そうなればすごく楽しい。
私もそんな感じに遊びたかったのだが……実際にプレイしてみると1つだけ障害があった。
それは、英語で文章を読まなければいけないことだ。物語も、謎のヒントも英語。
理想は友達と仲良く、もしくはカップルで雑談しながら遊ぶことで、公式のプレイ動画もそれを推奨している。
▲リア充すぎる。
ところが、英語が苦手なおっさん2人で遊ぶと……。
「このCompany(会社)って何かな」
「keep you company が話し相手だから、熟語だな!」
「Googleで翻訳されない“r”はareの略語らしい」
完全に英語のお勉強。理想と現実の激しいギャップに悶えることになる。
これはこれで楽しかったが、ゲームを遊ぶうえで英語を読む気合いは必要となる。
Google翻訳を片手に遊べばだいたい場所では問題ないが、終盤の1か所だけ口語が入ってGoogle翻訳が通じなくなる場所があるのがきつかった。
とはいえ、クリアしてみるとすごく達成感はあったし、私が気づかない仕掛けにパートナーが気づいて教えあうような体験もすごく良かった。
ゲームとして「偶然気づく謎」が少し入っており、それを先に知った側が教えて、会話が進むようになっているのだ。
英語に対する覚悟できていれば、リアル脱出ゲームのようなアトラクションの体験を2人だけで体験できるので、ぜひ遊んでみて欲しい。
終盤は難易度が高めだが、2人で話し合って謎が解けたときの感動は格別(詰まったらお互いの端末を見せ合うのもありだ)。しかも、脱出ゲーム系アトラクションに行ったら1人3,000円はかかるところ、お値段500円以下。
コンセプトを見て気になったら(あと、英語を読む気力があれば)試す価値はある。
概要:
2人で会話しながら遊ぶコミュニケーション・脱出ゲーム
評価:7(要チェック)
おすすめポイント
暗く不思議な世界観
2人で2台の端末を使って遊ぶコンセプト
気になるポイント
英語必須。ほぼ高校レベルでOKだが、終盤の口語で展開する1か所は難しめ
最終章は謎もわりと難しい
アプリDL:
Tick Tock: A Tale for Two (itunes 360円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay / Steam)
発売:Other Tales Interactive(デンマーク/スウェーデン)
HP:https://www.ticktockthegame.com/press
レビュー時バージョン:1.0
課金:なし
ライター:ゲームキャスト トシ
動画: