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パズル&ドラゴンズが示したソーシャルゲームの未来

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今年2月の最も大きなニュースは『パズル&ドラゴンズ』(以下パズドラ)の発売だろう。
この登場はソーシャルゲーム界に大きな衝撃を与えた。
ソーシャルゲームを見る第9回はこのゲームについて語りたい。
この出現まで、ソーシャルゲームはどれも似たようなコピー品だった。
カードバトルならカード集め、合成、そしてガチャガチャに体力システム。
当初こそある程度ゲーム内容にばらつきもあったが、売れたゲームのシステムは構わずに真似る姿勢で、今ではほとんど同じようなシステムになってしまった。
その他ファーム系やいくつか種類があるが外見が違うだけでシステムはほぼ同一。


カードバトル系の大ヒットゲーム、『ドリランド』はみんなで協力してボスを倒す、『ドラゴンコレクション』は他のプレイヤーとのバトルがメインだったが、今ではどちらも似たようなシステムになってしまっているのが、それを象徴している。
家庭用ゲームで言えば「ドラクエが売れているからFFもまったく同じシステムにしよう」というぐらい驚きの現象だが、モバゲー・GREEの世界ではこれが普通だ。

ゲームのアイデンティティは、その内容よりも売上にある。
既存の枠にのって売上を増やすための努力はするが、新しい冒険には出ない体質が染み付いており、新しいチャレンジは期待できない業界。
それが日本のソーシャルゲーム業界だと思っていた。

だが、パズドラは違う。
誰がプレイしても結果の変わらない、ボタンを押すだけの「ポチポチ」を3マッチパズルにしてしまった。
今まで、プレイヤーの実力ではなく課金とプレイ時間だけが評価されていたところに新しい風を吹き込んだ。

マッチパズルの部分だけを見ても、素晴らしい効果音(なんどもリテイクを出したという)、聴いていて飽きのこない音楽、上達するほどに連鎖が組めるアクション性など、これだけでAppStoreで売れるほど良くできている。
プレイした方は、ソーシャルゲームが嫌いでも「これはゲームだな」と認識すると思う。

そして、それが『ドリランド』『Kingdom Conquest』などの競合を抜いてAppStoreで連日売上1位を記録している。
思えば、ファミコンやそれ以前の時代はゲームと言っても極めて単純なものが多かった。
そこからユーザーが慣れることによって、より演出が良く、複雑で面白いゲームが生まれていった流れがある。

ここ数年、ソーシャルカードゲームが流行っているなか、実はプレイヤーはもっと面白いゲームを求めていたのだろう。
パズドラは業界にはっきりそれを示した。
今、その歴史が再び繰り返されようとしている。

正直、パズドラのようなゲームが出るのは2013年近くになると思っており、今年は『拡散性ミリオンアーサー』のような(まだ発売されていないので予想だが…)既存のソーシャル方程式に少しゲームの要素をふりかけた程度のものしか出ないと考えていた。

だが、パズドラの影響で業界は確実に加速する。
3ヶ月後には恐らく、パズドラのコピー品(こんなモノを今更出す志の低いメーカーが日本にいたら悲しいが…)が出てき始め、それと同じくして大手メーカーからゲーム性の強いソーシャルが出始めると思われる。
今頃、いくつかの大手は開発中のゲームに関して仕様を一生懸命変更しているところだろう。

今後、ゲーマーでもバカにできない「ソーシャルゲーム」が出てくるのは間違いなく、私も今まで以上にソーシャルゲームをフォローしていかねばならないだろう。
ようやく、ソーシャルゲームがマシになり始めた。
私自身はフリーミアム的な作りでゲームの面白さをスポイルしている部分があるとは感じるが、パズル&ドラゴンズは1年先のスタンダードを先取りした未来指向ソーシャルゲーム。
これを製作したスタッフに心から拍手したいと思っている。

ついでに、私が今年注目しているソーシャルゲームメーカーをここで紹介しておこう。

ガンホー
ラグナロクオンラインの運営というイメージしかなかったが、いつの間にか元ハドソン、エレメンタルモンスターTDを開発したスタッフが移籍してパズドラを開発。
コナミも勿体無いことしたなぁ。
今後も新しいゲームを期待できる。

セガ
kingdom conquestの椎野氏はすでに昨年「ソーシャルの先は見えている」「家庭用機同様に予算を注いで開発する」とおっしゃっていた。
そろそろその「先」がくるはず。

カイロソフト
少し前、ソーシャルゲーム開発のスタッフを募集していた。
カイロソフトなら箱庭系ソーシャルを進化させてくれるのではないか、と期待している。

ゲームロフト
天外魔境2、PC-E版イースI・IIで活躍したドクトルだみお氏が移籍し、ソーシャルゲームを作っているらしい。
間違いなく新しいものを作ってくるはず。
ギャングスターのソーシャルカードゲームも既存のものより進化したタイプという噂を聞いている。

スクエアエニックス
ケイオスリングスの安藤氏が率いるソーシャルゲーム開発体制。
彼もまた、拡散性ミリオンアーサーでソーシャルゲームの理屈に少し抵抗していた。
おそらく、早晩もっと新しいものが出るに違いない。

(ゲームキャスト iPhone トシ)

※スクエアエニックスが期待のメーカーに抜けていたので追記しました

アプリリンク
パズル&ドラゴンズの詳細・DLはこちら(itunes)

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コメント一覧

    • 1. 通りすがりのゲーマー
    • 2012年03月25日 20:10
    • この度の無限回廊でのチート利用者に対するガンホーの対応で
      今後が見えてきますね。
    • 2. 通りすがりのゲーマー
    • 2012年03月25日 22:24
    • 同じくガンホーの『戦国テンカトリガー』を楽しんでいます。
      パズドラの影に隠れていますが、こちらも良い出来です。
      無課金でもかなり遊べますし。
      サーバが弱くて、遅延やメンテが多いのが難点ですが。
    • 3. 通りすがりのゲーマー
    • 2012年03月25日 23:13
    • イトケンじゃなったらパズドラはやらなかった…
    • 4. trad
    • 2012年03月26日 10:23
    • むしろ、「ポチポチ」が3マッチパズルに変わっただけ、クエストの進行を遅くしてコンテンツが食い尽くされないよう時間稼ぎをしているようにしか見えないのですが。
      あのパズルに、レアカード(レアモンスター)や課金によるアドバンテージをひっくり返す戦略性があるとお考えですか?
      カード収集型の全体構造は全く変わらず(というか、儲かりすぎて聖域化してしまい変えられない)、部分ごとの要素を他のゲームからツギハギしたり、グラフィックだけがリッチになったり等、日本RPGの残念な歴史を繰り返す未来のほうがありそうです。
    • 5. 通りすがりのゲーマー
    • 2012年03月26日 12:39
    • なんでもかんでもソーシャルゲームと呼ぶのは止めましょう。セガとスクエニはSNS持ってるんですか?
    • 6. 通りすがりのゲーマー
    • 2012年03月26日 12:44
    • 一般的にはなんでもかんでもソーシャルゲームと言ってる限り、そう呼ばないと人に伝わらないじゃないの。
    • 7. トシ
    • 2012年03月26日 12:57
    • ▼1さん
      これは非常に難しい問題です。
      パズドラはセーブデータをサーバーに持っていないので快適な部分があって、対応するにはサーバーでセーブデータを持たないといけない。
      すると快適さが失われる。
      どうするかは注目ですね。
      ▼2さん
      ゲッテンカはなぜか大手が出さないところを突いて来ましたね。
      ただ、ぼくまかが面白くてやめてしまいました…。
      ▼3さん
      家庭用で有名なスタッフを連れてきたことは大きいですね。
      そういう豪華さもパズドラの売りだと思います。
      そして、ブレイブカンパニーと違ってそれに応えるクオリティもあった。
    • 8. トシ
    • 2012年03月26日 13:09
    • ▼tradさん
      コンテンツが食いつくされる時間はパズドラの方が早いと感じています。
      コンテニューすれば、今までのゲームより遥かに早く全クリできますし…。
      新しいダンジョンについてもバランス調整が大変なのでコンテンツを追加する速度も遅いかと。
      忍者ロワイヤルなど、ぽちぽちを多少変えようとして、結局ポチポチに戻すゲームが多かったため、ぽちぽち部分の変更も「聖域改革」の1つだと思います。
      1箇所を変えてもいいことがわかったことで、他の聖域にも影響が出ると思いますよ。
      今回は1つ改革してOKだと思います。
      ▼5さん
      ソーシャルはすごい定義が曖昧なのでわかりづらいですよね。
      ただ、SNSがないとソーシャルというわけではないと思います。
      他のユーザーと関わりがあればソーシャル、という広い定義をここでは使用していますのでご理解ください。
      ▼6さん
      個人的には、他人との関わりがゲーム上必須というのをソーシャルの定義にしたいんですけども、それだと今の日本のカードゲームがほぼソーシャルじゃなくなるんですよね…。
      コメントありがとうございます。
    • 9. dogstar
    • 2012年03月26日 17:49
    • ゲームデザインの根幹にオンライン要素がないと成り立たないわけではなく、せいぜいオマケ程度のソーシャル性では、ソーシャルゲームとは呼べないのでは?
      かと言ってオンラインゲームでもないし、横繋がりがなくても成り立つゲーム性なので、今あるいわゆるソーシャルゲームの新たな方向性!というにはパズドラはちょっと別物すぎると思います。
      ゲームをやってない人間も誘いこんでゲーム内で繋がり、それがまた人を呼び、というのがソーシャルゲームたる所以だと僕は感じています。
      ま、それはそれとしてゲームとしてはまぁまぁおもしろいですね。ついやっちゃう。同じ事の繰り返しでさすがに飽きて来たけど…
    • 10. トシ
    • 2012年03月26日 17:58
    • ▼dogstarさん
      ソーシャルの定義に「非常に緩い繋がり」とあることもあり、デザインの根幹にオンライン要素がなければいけないと「オンラインゲーム」になってしまうというのが私の意見です。
      (とはいえ、その垣根も曖昧ですが…)
      なんにせよ、ソーシャルと現在呼ばれているおまけ程度にソーシャル要素があるものが変化するきっかけとしてパズドラは良かったのかなと思います。
      メール機能も実装されたし、パズドラは今後ソーシャル方向も進化していくと思いますよ。
      コメントありがとうございます。
      なお、私も1週間ぐらいで飽きました。
    • 11. BUFFY2001
    • 2012年04月08日 10:44
    • 私も3さんと同じくイトケンさんじゃなかったら手を出してないかも。全体印象としてはtradさんのご意見の通りだと思います。
      トシさんの言うようにポチポチをマッチ3にした事、セーブデータを端末にした事、フレンドで見知らぬ課金ユーザーの手を借りれるようにした事、この辺りは上手いなと感じました。それに今のところプレイヤー同士の戦いをさせていない事と、課金しないと触れないコンテンツがないというのも、裾野を広げるのに一役買ってる気がします。
      ただやっぱり今言われる「ソーシャルゲーム」は所詮「ミニゲームがついた集金装置」でしかなく、集金方法と無料で提供出来るかしか考えてない。
      昔のモノが全部良いとは言いませんが、限られた予算と開発環境の中でクリエイターが自分の良いと思ったモノを作り、それがユーザーに支持される名作にという土壌がなくなる事が一番ゲーマーとして悲しいですね。

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