ゲームキャスト

面白いゲームを探すなら、ここ。

スマホゲームの深刻な違法コピー問題。コピーされすぎて有料ゲーム販売から撤退するメーカーも。

aaaab
1月6日に「Monument Valleyに対して、Androidユーザーの5%しか金を払っていない」という内容の記事を紹介した。
それに対して、「本当にそんなに違法ダウンロードされるのか」という質問を多くいただいた。
正規購入者がたった5%(と思われる)のは確かに衝撃的な数字である。

しかし、世界的には「Androidの違法コピーが異常に多い」ことは何度も問題となり、広く知られている。
そこで、違法コピー問題について知っていただくため、今回は過去に大きな話題を呼んだ「違法コピー事件」をまとめてみた。

一番最初にネットに衝撃を与えたのは、2012年にセガのサッカー経営ゲームシリーズ、『Foot Ball Manager』のスタジオディレクター Miles Jacobsonさんが明かした情報だ。
なんと、AndroidでFBMの販売を開始したところ、90%が海賊版で遊んでいることがわかったのだ。


また、これを受けたWired UKのインタビューに対して、「私は人間を信じるのが好きだ。しかし、1人が2回ダウンロード(おそらく正規に購入して2つの端末にインストールすることを指すと思われる)しているとしても、83%のユーザーが不正入手していることになってしまう」と同氏は嘆いた。

続いて世間を驚かせたのは、『Dead Trigger』の不正コピー問題だ。
当初、このゲームはハイクオリティなFPSゲームとしてiOS/Androidに有料で配信されていた。
td3

販売している Madfinger も「85円の低価格でリリースすればコピーを抑えられるだろう」と判断していたが、Android版の違法コピーが8割に達したために発売後3週間で Android版のみ基本無料となった。
そのときの詳細は、こちらで見られる → Dead TriggerのAndroid版、あまりの違法コピーの多さに基本無料アプリとなる

過去にさまざまな良作買い切りゲームをリリースしていた Madfinger は、これ以降有料アプリを出さなくなってしまった。
なお、基本無料のオンライン接続必須にしてからはそれなりに売れているようだ。

そして、時は流れて2013年。
『Towelfight 2』の開発者がDroidgamersのフォーラムで驚くべきことを明かした。
aaa

このアプリは、iOSでは2,651本が販売され、2,438本の海賊版プレイヤーがいると発表された。
それに対して、Androidでは1,538本販売され、34,091本の海賊版プレイヤーがいると発表されたのだ。

これらの数字は、Androidのユーザーの95%が『Monument Valley』にお金を支払っていないという ustwo の発言とも近く、総合して見ると信憑性があると言えるだろう。
数字の根拠の多くは明かされていないが、『Dead Trigger』についてはLocalyticsというアクセス解析ツールを使って解析したことがわかっている。
また、ゲーキャスが独自にアプリ開発者から聞くデータともかなり近い。

日本ではすでに有料アプリが死滅しているため、違法コピーはほぼ話題にならない。
しかし、世界的に見ればいまだに深刻な問題で、それによって有料アプリが消えていっている。

おそらくこの記事を見ている方は違法コピーしていないと思うが、もし知り合いがカジュアルコピー(罪の意識なく気楽に海賊版を使うこと)していたら止めてあげて欲しい。

アプリリンク:
Monument Valley (itunes 400円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
DEAD TRIGGER 2 (itunes 無料 iPhone/iPad対応)
DEAD TRIGGER (itunes 無料 iPhone/iPad対応)
Football Manager Handheld™ 2015 (itunes 1,000円 iPhone/iPad対応)※シリーズ最新作で当時のものではない