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Monument Valley レビュー - だまし絵の世界を旅するパズル。

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Monument Valley は、エッシャーのだまし絵(目の錯覚を利用し、不自然な絵を自然に見せた絵)の原理をゲームに盛り込んだ不思議なパズルゲームだ。

だまし絵の原理とは何か、言葉で説明するのは難しいので、実際にゲーム画面を使って説明していこう。

ゲームを開始すると、迷路とその上にヒロインのアイダが登場する。
アイダはプレイヤーがタッチした場所に移動するので、プレイヤーが誘導してゴールまで誘導するとステージクリアとなる。
しかし、初期状態ではゴールまで通路がつながっていない。
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▲画面上の四角を3重にしたタイルがゴール。

そこで、プレイヤーは建物の構造を変化させてアイダを助ける。
下の図をよく見ておいて欲しい。
画面右のハンドルを回すと通路が回転し…。
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▲白い人影がアイダ。

なぜか通路が繋がってしまう。
アイダもその上をなにごともなかったかのように通り過ぎる。
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立体的だが、法則は平面。
人間の視覚を利用し、だまし絵のように通路をつなげて通るパズルゲームなのだ。

もう1つ例を出そう。
丸い円のついたブロックはスワイプすると移動させたり、回転させられる。
下の図では、アイダは空中に浮かんだ1本道にいるので、どこにも移動できない。
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しかし、画面下の丸がついた部分をスワイプすると建物が回転し…通路と通路の間にある隙間が見えなくなる。
絵的には通路がつながっているように見えるだろう。
そして、実際にアイダは通路を通って移動できる。
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こういったゲームは先に進むほどに複雑になり、難しくなるのだが…Monument Valley はとても簡単だ。
ただ、先に進んでいるだけ。そんな感覚になることすらある。
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しかし、仕掛けを動かすたびに建物が変形する様子を見るだけで面白い。
触るたびに変化する、ミニチュアの建物をいじっているかのようだ。
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ときおり出会う幽霊との会話も、世界観を考えさせられ、味わい深い。
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ゲームを終えるまで1時間から2時間程度だが、他にはない世界観を味わえる。
ヒロインと共に、不思議な空間をさまよう気持ちを共有できる一体感がある。
終わってみると「ゲームした!」とは思わないけども、「ああ、面白かった」とは思える。

400円で1時間はアプリの世界では高いと思うかも知れない。
しかし、Monument Valley は現実ではぜったい実現できない、ゲームだからこその極上のおもちゃ箱だ。
ゲームだからこそ表現できる世界を、ぜひ体験して欲しい。

最終評価:3.5(かなり面白い)

おすすめポイント
視覚トリックを利用したユニークな仕掛け
ミニチュアのおもちゃで遊んでいるような雰囲気

気になるポイント
ボリュームが少なめ。
 
課金について
なし

(バージョン1.0.3、GCドラゴン)

アプリリンク:
Monument Valley (itunes 400円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

動画: