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【セガスペシャルインタビュー】『ドラゴンコインズ』は無料でもちゃんと楽しめる!iPhoneのセガゲーに秘められた思いとは【創造は生命】

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この冬、クオリティの高い基本無料ゲーム5作品をリリースすると発表したセガネットワークス。
「無料ガチャからでも最高レアリティのSRカードがでます」「課金しなくてもクリアはできます」という『ドラゴンコインズ』のバランスに関する発言。
セガネットワークスはなぜこんなに急速展開できるのか、また、いわゆるカードゲームを1本も発表しなかったのも気になるところ。
今回はそんなセガのお話しを『ドラゴンコインズ』プロデューサー瀬川隆哉さん、ディレクター今井邦彦さんに伺ってきた。
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▲インタビューに応じて下さった瀬川さん(左)と今井さん(右)

ーー前の発表会の記事でもこの冬5作品リリース、来年も早い時期 で5作品、それでいて全体にハイクオリティというと、今までのセガにないスピード感を感じました。また、セガのゲームって「あのゲームはここがいいけど、 別のゲームでできていたここが何故かダメ」って感じでできがバラバラな印象があったのですが…今回はそれも含めて全体に高い水準で統一されていたように思います。
これは何故なのでしょうか?

瀬川:セガには本当に多彩な部署があり、様々な専門のスキルを持った人間がたくさんいるのですが、近年の市場をとりまく環境変化のスピードに適応するため、オンラインやモバイルゲームにリテラシーの高い人材を集中させ、私が部長を務めるオンライン研究開 発部や、新会社セガネットワークスができました。
今回のタイトルを作るにあたっても、アーケードゲームやモンスターゲームなど過去に様々な開発経験を持っ た技術力の高い人間が集まり、また、部署間の人的交流や情報交換も積極的に行うことで、非常にスピーディかつ高いクオリティを保ったなかで開発が進められ たと考えています。

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▲ドラゴンコインズ

ーーいわゆるソーシャルカードではなく、基本無料のゲームという流れに行ったのは何故なのでしょうか?

瀬川:セガの社是に「創造は生命」という言葉があります。
私自身、他のどの会社の社是を聞いても、やはりセガの社是が1番だな、と思っています。
モノを創って生み出すのはすごく大変なことですが、それによって人に喜んで頂けるということが1番大事だと考えます。
同じゲーム性にIP(キャラクターやブランド)を入れ替えて作るゲームもありますが、それを続けて我々がやるべきか?
それでお客様に楽しんでいただけるのか?
という思いがセガ全体にあり、これらのゲームが生まれてきたのだと思います。

スマートフォン向けゲームに限らず、現在PCでサービス中のPSO2についても、普通はスクラッチを削ればそれが能力になるのが今の世の中のMOやMMO ゲームの流れなのですが、PSO2では装備はモンスターがドロップするという、あくまでゲームを楽しんだ結果として与えられる形を選択しています。
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▲高性能な武器の販売をしない!PSO2のポリシー。

テクニックを磨き、頭をひねり、どうやったら達成できるのか?と試行錯誤する。大前提として、まずはそういった遊びの楽しさを提供したいという考えがあります。

今井:私が育った時代は、ゲームがどんどん進化して、こんな表現があったのか、こんな遊びがあったのか、という驚きがあり、それに憧れてセガに入りました。「ゲームっぽい」という言い方が合っているかわからないですけど、そこが私たちの強みだと考えます。

ーー 話は横道にそれるのですが、セガのゲームって『源平大戦絵巻』の講演のときに「世界初、オンライン対戦TD」とか、『ダービーオーナーズクラブ』のときも 「スマホ初、馬がフェイシャルモーション(馬の表情がリアルに変わる)」とかウリにしていましたけど、今回も世界初をウリしているのでしょうか?
昔は「世界初」がないと企画が通らないなんて噂を聞きましたが(笑)
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▲スマホ初の馬のフェイシャルモーションで馬が微笑むぞ!

今井:確かに世界初は好きですね(笑)。

瀬川:以前facebookでもゲームを作ったのですが、当時facebookのゲームのなかで凝った遊びを追求したものは初めてでした。
また、例えば私が 最初にセガサターンで『野球つく』を作ったときも、単なる野球ゲームではなくGMとして球団経営も楽しめる形にしたり、他の野球ゲームにはない個性豊かな 選手の表情を味わえる独自のシステムを構築したりしました。
お客様により楽しんでいただける世界初に斬り込んでいく。
それもセガらしさですね。

今井:そうですね。私は過去アーケードゲームの開発に携わっていたのですが、アーケードでは、まずやりたい!と思ってコインを入れてプレイしますよね。そこで選んで頂くためには、抜きん出た世界初!という要素は非常に大事でした。


ーー『ドラゴンコインズ』の課金はどのような厳しさになるのでしょうか?
ノーマルガチャでSRが出ると聞いていますが本当でしょうか?

今井:はい、ノーマルガチャモンでもちゃんとSRは出ますよ。低確率ですが、ひいたときは鳥肌が出ます(笑)


ーーそのあたりはやっぱりパズドラのポカポカ運営を意識した課金バランスなのでしょうか。

今井:パズドラは特に意識はしていないです。また、絶対に課金の必要はありません!と過度に言うつもりもありません(笑)
今 回タッグを組んでいる運営ディレクターの方が、過去ソーシャルゲームも含め様々なオンラインゲームに携わってきた非常に経験豊かな方なのですが、その方のポリシーとして「楽しんで頂いてお金を頂く」というのがあります。
これは私も非常に共感する部分で、昔楽しすぎて『バーチャファイター』に月10万円以上つぎ込んだ時代もあったので!
やはり、面白いから、くやしいからもっとプレイしたい!と思って課金頂ける形がベストと考えます。

瀬川: 我々の立場としては、どれくらいのユーザーがいてARPUがどれぐらいあってといった内容はビジネスとしてもちろん大切です。
ただ、私たちが一番大事にし ているのは、いかに多くのお客様にどれだけ楽しんでいただけたか?であり、そうすれば結果はついてくるのではないかと考えています。

今井:今回モンスターのスキルを作るにあたっても、組み合わせを考えることで強力な効果が生まれたり、弱いモンスターも大切に強化すれば異常な能力を引き出せるなど、プレイの試行錯誤の幅を大きく持たせてあります。
個人的には回復薬が売れる状態というのが健全だと思っています。
「もっとプレイしたい!試したい!」という気持ちの表れだと思いますので。

過去の経験でも、一部の方だけがすごく高額のお金を払うような形のタイトルは続かないんですよね。遊びが先鋭化してしまい、プレイ人口が少なくなって、最後に終わってしまう。
ですので、色々な方達が飽きずに長くプレイできるゲームにしたいですね。


ーー私も、ゲームはそうあって欲しいと思います。その哲学が『ドラゴンコインズ』で見られるのが楽しみです。最後にゲームキャストの読者にコメントをお願いします。

今井:見たことのない、まったく新しい、そしてとても楽しいゲームが出来ました!
より長くサービスを続けられるよう全力で運営していきますので、皆さん、ぜひ存分に楽しんでください!

瀬 川:いい意味でセガらしいゲームができたと思います。
どこがセガっぽいかはプレイして頂ければ分かるかと。
セガのゲームって、なかには斬新すぎてとっつきにくいものもあるかもしれませんが、今回は友達や彼女とかに勧められるセガっぽさの良いところを集めたものになっていると思います。
口コミで広がっていけば、1番嬉しいですね。


本当は『ドラゴンコインズ』のインタビューだったのだが、気づけばセガ話に…。
しかし、インタビューを通じて、ゲーム業界の現状とゲームのあり方について真剣に考えている姿勢が伝わってきた。
その姿勢がどう反映されているか、今後のセガのゲームをプレイして確かめたい、と思わせる熱い情熱が、文面からでも伝わるのではないかと思う。
今後のセガのゲームが楽しみで仕方ない。

瀬川さん、今井さん、お忙しい中ありがとうございました!

ドラゴンコインズ』について詳しく知りたい方はこちらへ。
メダルゲームとビデオゲーム技術を融合した、セガでしか出せないゲーム『ドラゴンコインズ』とは? 発売直前インタビュー!(Kotaku Japan)

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