TGS2012で発表されて話題になった、AppBank Games 設立初の作品『Dungeons & Golf』。
「レッツ!ゴルフ3よりも面白いものを作りました」
と発表してしまっているが、ほんとうにそんなに面白いのか。
「ちょっと判定してやる!」
とばかりに話をふったところ、トントン拍子に段取りが整ってプレイできたので、その感想とAppBank Games CEO 宮川氏のおはなしをお届けする。
最初に結論から言ってしまうと…。
2コースだけのプレイだが、『レッツ!ゴルフ3』より面白かった。
まず、ゲームの内容から説明していこう。
ゲームはファンタジーの世界観なゴルフゲーム。
ショットはキャラクターの飛距離の範囲で落下位置を定めてから、『ホームランバトル2』のようにiPhoneを傾けてインパクトする操作。
ファミコンのゴルフから伝統の操作を捨て去っているが、独創性を狙って外した感じはなく、 iPhone ではこちらの方がいいのではないか、という説得力があった。
そして、これまた駄々をこねてスクリーンショットをもらってきたのだが、コースのグラフィッククオリティはご覧のとおり良好。
こちらも現段階ではゴルフゲームの中でトップクラス。
▲本邦初公開、駄々こねてもらってしまったスクリーンショット
コースは起伏に富み(時には普通のゴルフボールではありえないデザインも)、風の影響や斜面を考慮して遊ぶ必要がある本格派。
リスクを犯して攻めるほどスコアが良くなる設計がしてあり、ステージの質は iPhone のゲームの中でも高めに感じた。
▲コースのイメージイラスト。
そして、もう1つの特徴はアイテムを使って攻める【超人ゴルフ】であるということ。
ショット打ち直し、飛距離アップなど様々なアイテムがあり、「アイテムがどんどん手に入って、それを使いまくって遊ぶようになっている」らしい。
スコアは『ポケットベガス』のソリティアのような点数方式で、基本的にはホールクリアの打数が少なければ高得点。
同じ打数の場合はカップにより近い、グリーンに乗せた、などテクニック面が点数に加算される。
コースによってアイテムを使い分け、よりグリーンに近い位置につける最高のショットが求められるわけだ。
1プレイは4ホール、短時間で回れてテンポよく楽しめるし、オンラインランキングで点数を競う際もスコア式の方が成績が多様化して面白い。
グラフィックは良好、ロード時間なし、ゴルフゲームとして良くできており、iPhoneのゲームとして操作もやりやすいだけで十分なのだが、さらにそこに超人ゴルフを加えてきた本作。
個人的に2回プレイしただけの感触で言うならば…操作は独特なので慣れるまで戸惑ったが、D&Gをプレイしてから他のゴルフゲームをプレイすると、ちょっと色あせて見えるほど。
プレイ後にはまさに専用機のゲームをプレイしたような満足感があった。
開発中のためいくつかの難点を修正してからリリースするとのことだが、このままでもゲームキャストで言うと評価3.0~3.5以上は確実。
難点が解消されていれば4.0以上もありえる内容だった。
面白いゲームを探しているゲーマーも、お手軽なゴルフゲームを探しているカジュアルゲーマーも期待していい。
さて、そんなゲームを作った AppBank Games 宮川CEO にちょびっとお話を伺ってきた。
- そもそも、なぜゴルフという題材を選んだのでしょうか?
- iPhoneで売れたゲームは『Angry Birds』とか『Tiny Wings』とか、ユニークというか【革命ゲー】なんですよ。
小さな会社が世界で通用する題材で、1番狙って革命を起こせる(ほど競合が少ないジャンル)を選択した結果ゴルフになりました。
そもそも、今ある携帯のゴルフゲームに自分は満足していないんですよ。
コースに起伏がないですし、風の影響が弱すぎて面白くない。 - iPhone の『レッツ!ゴルフ3』はそこそこコースの起伏があったように思いますが。
- ロード時間が長すぎます。
コースを回っているときにロードが入るとゲームへの没入感が薄れてゲームが面白くなくなってしまうと思っていて。 - !
確かにD&Gをプレイしていたとき、コース周回中にロード時間が入っていませんでしたね。
自然で気づきませんでした。 - プレイステーションからロード時間があるのが普通になってしまっていましたが、ロード時間はゲームの面白さを損ねると思っていて、ない方がいいと思っています。
少なくとも、僕が関わるゲームのロード時間については期待いただければ幸いです。
そういった、ユーザーの求める当たり前を追求したいと強く考えています。 - 開発にすごい時間がかかっていますが、やはり家庭用クオリティだから開発期間が長かった、ということでしょうか。
Twitterなどを拝見しているとなんども作り直されていたようですが。 - 実際、こんなガチで作っているゲームはないんじゃないかと思うくらいバカみたいに試行錯誤しています。
まずゲームをつくる前に社員全員でガチでゴルフやって、ゴルフの面白さを知るところから始めました。
開発に入ってからは作ったものをなんどもひっくり返しました。
もうこれでいいんじゃないか、というものを全て捨てて作り直したところもあります。
▲まさかのゴルフ練習から始まった開発。
- すごい情熱がゲーム開発を支えているのですね!
実際、プレイしていて久々に「面白い!」と感じました。
あとは価格…というか、コースをまわるためのエネルギーがどれぐらいの時間で回復するか、だと思うのですが。 - えっ?(なんのことかわからないという調子で)
- 今のゲームって、基本無料となるとゲームのプレイ回数に制限がついて、その回数が時間で回復するのが普通じゃないですか?
- ああ、それ(プレイの回数制限)はないっすよ。
ゲームをプレイして楽しんでもらいたいのが第一です。 - えっ、それだと僕、無限にやりますよ!
- もちろん、それで儲からなくて「ごめんなさい」して変わることはあるかもしれないですけど。
- すごいですね…。
じゃあ、ゲームのコースなんですけど(以下、記事にできない秘密の話が続く…)
『Dungeons & Golf』の発売は11月、何事もなければ面白いのはまちがいなし。
正直、他のゴルフゲームがかわいそうになるぐらいだ。
個人的に、これだけ楽しみな iPhone ゲームは久しぶり。
発売次第、出来る限り早くレビューしたい。