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倒産か、開発継続か。SYUPRO-DX最後の賭けとなるクラウドファンディング開始。過去に『あなたってよく見るとドブネズミみたいな顔してるわね』、『どうして勇者様はそんなに弱いのですか?』などを開発

スマートフォン黎明期から良質アドベンチャーゲームを作り続けてきたSYUPRO-DX(シュープロデラックス)が新作タイトル『Feeling Death(フィーリングデス)』開発のためのクラウドファンディングを開始した。

同社は2020年に『ココロインサイド』をリリースしてから新作の開発を進めたが経営状況が悪化。開発資金はほぼゼロとなり、15か月間給料が未払いという状況。
しかし、開発自体はようやく軌道にのって「ここで諦めるのはあまりも悔しい」状態のため、新作を完成させるべくクラウドファンディングに踏み切ったという。

目標金額は500万円。
方式は「オール・オア・ナッシング」で、目標金額に達しなければ、集まった資金はすべて返金されてSYUPRO-DXはゲーム開発中止。既存ゲームのサポートだけをできる範囲で続け、それもできなくなった時に静かに幕を下ろす。

SYUPRO-DXは、一貫して物語が高く評価されてきたデベロッパーだ。

彼らのデビューは2013年。
『あなたってよく見るとドブネズミみたいな顔してるわね』は、演劇仕込みの台本術で練られたシナリオが評価されて瞬く間に話題になり、コミカライズもなされた。

 

続く2014年、『パズドラ』や『モンスト』に続けとスマートフォンのガチャゲームブームが巻き起こる中に登場した『奴は四天王の中で最も金持ち』は、ガチャ課金で地位が決まる世界を描き、コミカルにガチャブームを風刺したRPGとして話題になる。

 

その後は一転、2015年『彼女は最後にそう言った』、2017年『終わらない夕暮れに消えた君』と王道ジュブナイルを発表。
2018年、『どうして勇者様はそんなに弱いのですか?』まで出すたびにゲームが話題に上るヒットメーカーであった。

2020年に出た『ココロインサイド』のみダウンロード数は明らかに低い(他の作品はGoogle Playで10万以上だが、本作のみ1万以上の表示である)がレビュー評価は高いという状態になっていた。

そのまま新作発表がなかったため、ファンの間ではSYUPRO-DXを心配する声もあるなか、今回のクラウドファンディングが発表された形となる。

で、そうまでして開発したい『Feeling Death』とはどのようなゲームか。
一言でいうと「フィーリングカップルでカップルになると死ぬミステリーADV」だという。

フィーリングカップルとは、参加者がそれぞれ気になる人を選んでボタンを押し、相手も自分を選んでいればカップルが成立する恋愛ミニゲームだ。
が、本作では「死んでもいいと思える相手を選んでカップルを作る」という重さ1,000%増しの内容。
そして、カップルが成立するとその2人は死亡する。そんなデスゲームに巻き込まれた主人公が、同じく巻き込まれた男女8人と交流し、調査を行って生還を目指す。

しかも、デスゲームの裏でさらに事件が発生し、参加者に紛れ込んだ「人殺し」を見つけることも必要になる。かなり入り組んだミステリになっているようだ。

主人公は死亡すると、記憶を持ったまま初日のフィーリングカップル開始前に戻る、いわゆる「死に戻り能力」を持つ。
数多の死を乗り越えて、デスゲームの真相を究明できるか……というアドベンチャーになるという。

記事執筆時点ですでに3,237,000円が集まっており、ファンの熱量の高さがうかがえる。が、あくまで500万は最低限開発に必要な金額であり、より多くの金額が集まれば副業をする必要もなくなり、開発が加速できるとのこと。
クラウドファンディングは1,000円から。高額でなくともfanboxで毎月応援することも可能。

ちなみに、これを書いている筆者はというと……過去作品がかなり好きだったので思い切って18万コース行ってしまった。
過去にSYUPRO-DXのゲームを遊び、良い思い出があるならこの機会に応援してみて欲しい。

 

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