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Googleがインディーゲームを表彰する!?「Google Play Indie Games Festival 2018」レポート(前半)

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これまで売上げ重視でゲームを表彰していた日本のGoogleが、ついにインディーゲームを表彰し、応援するイベントを行った。
それが『Google Play Indie Games Festival 2018』(以下、GIF2018)である。
今回はそのイベントの様子と、展示されていたゲームの紹介をして行きたい。

GIF2018とはどんなイベントかというと、日本のインディーゲーム(日本の会社かつ、パブリッシャー・開発含めて30名以下)と言う条件で応募されたゲームの中から優秀作品20作が展示され、事前に応募した200名のプレイヤーが投票して上位10作を決め、最後に審査員がTOP3を選ぶというイベントである。
入賞した開発者には、Google Playに関する開発の支援などの特典があり、TOP3に選ばれるとUSの Google I/O 2018 イベントに招待され、ゲームを展示する権利が得られる。
また、これらとは別に集英社の『ジャンプ+』独自の賞があり、受賞者はジャンプIPを利用したゲーム開発とプロモーション、1000万円までの開発費支援を受けられる。
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各ゲームに1ブースが与えられ、ブースにはゲームを移すモニターが1台。
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そして、ゲーム説明のパネルが配置されていた。これがあるだけで、単なる展示会イベントよりだいぶ公式イベント感が強かった。
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客層はと言うと、第1回となる今回はまだ知名度が低いためか、15名程度の参加者に話を聞いて10名が開発者の友人や関係者となっていた。
一方、そういった方々はアプリへの温度感が高く、プレイも熱心で開発者側も参考になっていたようだ。
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このブースの中で一般参加者は開発者から直接説明を受けながらゲームを試し、体験したゲームの数に応じてコインが与えられ、コインを好きなゲームに好きな枚数投入して投票できる。
そして、10作品が一般参加者によって選ばれた後で残った10作品のチームがプレゼンを行い、審査員によってTOP3が決定するが……。
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GIF2018レポート前半では、あえてTOP10に残らなかったアプリを紹介していく。
現地でプレイして投票する形式では、プレイに時間がかかるゲームはそれだけで体験できる人数が
少なくなって不利になる。それが影響を及ぼしているだけで、落ちた作品も十分に良いものだったからだ。

ぼくとネコ (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
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元ポノスのプロデューサーが作る、『にゃんこ大戦争』系アプリ。
一見同じゲームに見えて、装備やマジックスキルのようなカスタマイズ要素、そして精密な当たり判定と吹っ飛ばしによるコンボ要素などがあり、遊びの幅を広げることを目指しているという。

Enblox (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
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ランダムに配布されるブロックを配置し、敵のブロックよりも大きな面積の陣地を作る対戦パズルゲーム。
ブロックを置いたところが陣地になるだけでなく、囲んだ部分の中身が全て陣地になる囲碁的な要素も。対戦はかなり熱い。
友達と対戦すると楽しいので、是非やってみて欲しい。

From_. (itunes 360円 / GooglePlay)
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水の国で、ナニカをつれた郵便屋が手紙を届け、それにまつわる人々の心の流れを見続けるアドベンチャー。
青い世界と、ピアノの音楽が印象に残る静かなゲームで、ブースでは少数のプレイヤーがのめり込むようにずっとプレイしていた。
紹介記事:青と黒、大正浪漫と異国情緒を合わせもつ世界に生きる『From_.』レビュー。若い才能と勢いを感じる作品

キメラリコレクト (無料 GooglePlay)
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モンスターのドットを削り取って砕く爽快感抜群のアクションバトルと、後半に行くにつれて引き込まれるストーリーを持った良作インディー『心鎧リコレクト』続編。
複数のモンスターを合成して作られ魔獣キメラとなり、モンスターを倒してパーツを奪い、進化しながらゲームが進んでいくRPG。
前作が名作だったので、今作もきっと楽しいと思って今から期待している。なお、iOS版は5月リリース予定。

旅かえる (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
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家に住み着いている蛙に、旅の道具を渡して行く先々で記念写真を送ってもらう放置系癒やしゲーム。
作者さんによると、『ねこあつめ』がヒットした要因を分析して作ったもので、簡単に覚えて遊べるUIやシステム、日本人ならどこかで見た風景が送られてくる仕組みなど、「上手く話題になれば人気が出る」ように意識して作っていたという。
中国圏での大ヒットは想像もしていなかったらしいが、基礎部分をきっちり作っているからこそ、チャンスが来たときに勝てるのだろう。

思い出の食堂物語 ~心にしみる昭和シリーズ~ (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
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食堂にやってくるお客さんに料理を振る舞い、いろいろな人情話を聞いていくストーリーゲーム。
お手軽ジャンルとして人気を博した放置系+ストーリーのゲームだが、競争の激化でクオリティがどんどん上がっている。
日本はもちろんだが、アジア圏ではこのような食堂が現在もあったり、原風景にあったりして、共感を得て人気になっているという。

Strange Telephone (itunes 480円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
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悪夢の世界から電話をかけると小さなステージが生成され、その中をさまよって脱出のカギを見つけるアドベンチャー。もはやこういったイベントの常連になっているが、大幅に改善されたVersion2.0を用意しているとのこと。
リリースは年内と言っていたが、インディー開発者の年内はずれることがあるので2019年に期待か。
紹介記事:『Strange Telephone』レビュー - それは、悪夢を旅する体験。電話番号から悪夢の世界を作り上げるゲーム

Peko Peko Sushi (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
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回転寿司の客にどんどん食べさせて、稼いで理想の寿司屋に改装する超高速回転寿司接客パズルアクション。
寿司ネタや客などの店のカスタマイズ要素(客ですらカスタマイズ対象)が何百種類も用意されており、プレイのたびに時間が経過して季節や天候が変わる要素などもある力作。
リリース直後は操作が硬かったが、寿司を客に出す操作が簡単になり、遊びやすくなっていた。

in:dark - インダーク (itunes 360円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
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記憶が混濁した少女が、心に残る“なにか”のために海の底まで落ちていく落下アクション。
青を基調とした暗い世界、イラストのみで断片的に示されるストーリーの提示と、世界観の表現は抜群。
ランダム生成のステージを落ちていくアクションは難易度が高く、やり応えも抜群。ただ難易度が高いだけでなく、プレイヤーが成長するほど爽快になる報いの仕組みもある。
紹介記事:『in:dark - インダーク』レビュー - 青い世界の底をめざし、記憶を取り戻すハードアクション

リバーシクエスト2(未リリース)
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『タクティクスオウガ』などに影響を受けてゲーム業界に入ったグラフィッカーの手によるボードRPG。リバーシの要領でユニットを置いていき、敵を挟み込むことで効果を発揮する戦術要素の高いバトルが特徴。
紹介記事:【TIF】駆り立てるのはゲームへの情熱。 作り手の夢をゲーム化する戦術ゲーム『リバーシクエストII』

そして、後編へ続く。