【TIF】駆り立てるのはゲームへの情熱。 作り手の夢をゲーム化する戦術ゲーム『リバーシクエストII』
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- 2017年05月14日
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『リバーシクエストII』は、リバーシ+RPGの良作『リバーシクエスト』の続編であり、その欠点を取り除いて遙かに進化させた注目作だ。
もともと持っていた素晴らしいバトルシステムに加え、スーファミ風の豪華な演出が加わって見事な作品に仕上がっていた。
本作はインディーゲーム博覧会「TOKYO INDIE FEST(TIF)」のモバイルゲームの中でもひときわ輝いていた。
TOKYO INDIE FESTにゲームキャストアワードがあれば、このゲームにあげたい。しかし、そういった賞はないのでこのミニインタビューで代えさせていただく。
本作はリバーシ(オセロ)をバトルに採用したRPGで、プレイヤーと敵が交互にユニットを配置し、敵ユニットを挟み込むことで挟み込んでダメージを与えるゲームだ。
その面白さは確かなものだったが、信念としてガチャなどの儲かる仕組みを入れておらず、1作目は売上げ面でヒットと言えなかった。
なぜ、この時期にスマホに出すのか。YOKOGOSYSTEMの田崎さんに伺った。

▲展示メンバーとYOKOGOSYSTEMの田崎さん(右)メインの開発は2人だとか。
ゲームキャスト:
『リバーシクエスト』と言えばリバーシ(オセロ)でバトルするいぶし銀の良作として評価されていた1作ですが、なぜこの時期に2作目を?
田崎:
初代『リバーシクエスト』をスマホで出して「もう少し変えれば良くなるのに」というところが沢山あったんです。
初代は初めてゲームデザインしたゲームだったので、もちろん基礎は知っていたのですが、ゲームの作りがアップデート向きではなかった。
それで初代を拡張するより、ゼロから作り直した方が良いと思って作りました。
なにより、『リバーシクエスト』のバトルシステムは面白いと思っていたので、もう1度チャレンジしたかった。
ゲームキャスト:
確かに、『リバーシクエスト』のバトルシステムはとても面白かったですね。
フィールドの双六が好きでなかったので続きませんでしたが……光る部分が沢山あって、惜しいゲームでした。
実際、あれが出てからバトルシステムだけ『リバーシクエスト』からとっていったゲームがいくつか出ましたよね。

田崎:
残っているのは『オセロニア』だけですけど。
ゲームキャスト:
それこそ『リバーシクエスト』のバトル部分の恩恵を一番受けているゲームじゃないですか!(笑)
本家リバーシRPGの意地を見せてやるという想いがあるとか?
田崎:
それですね(笑)
でも『オセロニア』はガチャの基本無料ゲーム、『リバーシクエスト2』は普通のゲームなので別の楽しさがあって食い合わないと思います。
リバーシクエスト2の内容は?
ゲームキャスト:
ゲーム内容について伺いたいのですが、単純に前作の拡張なのでしょうか?
田崎:
はい。しかし、大幅に変えてあります。
まず前作で不評だった双六などはなくしてありますし、バトルも拡張されています。
単にリバーシで陣取りするだけでなく、「アタックチャンス」で人がコマを置いたところに上書きできたりもします。

▲双六はなくなり、普通のフィールドに
ゲームキャスト:
見た目にも大きく変わっていますね。
田崎:
スーファミ風にまとめました。ドット絵もそうですが、モザイクがかかってフェードする演出など、全てスーファミ風にこだわっています。
今回はイベントシーンも全てアニメーションします。

ゲームキャスト:
すごい手がかかっていますね……。
『タクティクスオウガ』風のビジュアルが目を引きますが、なぜここまでオウガ風に寄せたのでしょうか。

▲アートはオウガでも、バトルやフィールドは別物なので、プレイすると全く違うゲームになっている。
田崎:
とにかく『タクティクスオウガ』が好きなんです。
ゲーム業界に入ろうと思ったのが『タクティクスオウガ』の影響なので、アートの方向性としてそういったゲームを出したかった。
後から出たゲームで言うと『FFタクティクス』や『グランブルーファンタジー』はその系譜なんですけどアニメに寄っています。
『タクティクスオウガ』や『ベイグラントストーリー』のようにシリアスな方向でオウガをリスペクトしてアートでゲームを作りたかったんです。
ゲームキャスト:
確かに、アートとしてオウガを追ったゲームってあまり見かけないですよね。

▲フォントもスーファミアンチエイリアス風の物を自作
田崎:
本当にアートが好きでゲーム業界に入ったからには、一度はその環境のゲームを作ってみたかったんです。
ゲームキャスト:
ないなら自分で作ってしまうってことですね。
まさにインディー魂!ストーリーもオウガ風に?
田崎:
いえ、ストーリーはそこまでシビアになりません。自分がアートの人なので、あくまでアートですね。

ゲームの新しい作り方
ゲームキャスト:
そんな想いのこもったゲームですが、売り方や発売時期などは?
前作と同じくガチャゲーにならないとおっしゃっていましたが……。
田崎:
基本的にはおっさん向けに作っていて、ソシャゲではないんです。
スタミナもガチャもないし、広告と有料で少しアイテムを出すぐらいで。
たぶん、スマホでは赤字になると思います。
ゲームキャスト:
自分の中では理想と利益のバランスをとるのがインディ-、赤字でも作れれば良いのが同人……と区別しているのですが、「理想のものを作ればあとはOK」な同人的発想なのでしょうか。
田崎:
それで言うと、利益は出そうと思っています。
スマホ版は半分までつくって基本無料でリリースして、プレイヤーの意見を取り入れてバランス調整しつつ完成させていこうと思っています。
完全なものを作ったら、1,500円ぐらいでゲーム機版を出そうと思っているんですね。

ゲームキャスト:
ゲーム内容はスタートがあって、エンディングがある買い切りのような内容ですが、開発手法は基本無料なんですね。
田崎:
そうですね。完成品を最初からだそうとすると、1年か2年かかってしまう。
それぐらいならユーザーの声を聞きながら一緒に完成を目指していく形が我々のモチベーションにもつながると思っています。
ゲームキャスト:
スマホのプレイヤーと一緒に作り上げて、完成品をさまざまな場所に持って行く。
プレイヤーの声をモチベーションにして、大作を作りきる。
インディーならではの裏技ですね。
田崎:
はい。本当はスマホも有料で出すのが良いんですけど、Androidだと機種によって動かなかったりして。
企業だったらテストの会社に動作確認してもらえるんですけど、我々はそれができない。
動かないかもしれないけど、基本無料だから文句も出ないだろうという形でやろうと思っています。
ゲームキャスト:
課金の差などで基本無料版とゲーム機版は変わるのでしょうか。
田崎:
コンシューマーで出したとしても、スマホで課金していた人が損した気分にならならないようにはしたいですね。
ゲームキャスト:
ありがとうございます。前作のバトルはとても楽しかったので、遊べる日を心待ちにしています。
最後にゲームキャストの読者に一言お願いします。
田崎:
このゲームは仕事でやっているわけじゃないんです。
昼に仕事して、帰ってきて作っているので、もしかしたら遅れるかもしれません。
でも、待っていてもらえたらな、と。
以上。
田崎さんからは「俺の作りたかった、俺の時代のゲームを作りたい」という強い意思が伝わってきた。
ゲーム部分も、試遊したかぎりではすでに面白かった。
この冬、もっとも期待できるゲームの1つとして、ぜひ覚えておいて欲しい。
関連リンク:
RevErsiQuest2
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コメント(30)
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コメント一覧 (30)
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- 2017年05月14日 21:05
- 最初何でタクティクスオウガのスクショが貼ってあるの?と思ったぐらい似てるこれは期待
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- 2017年05月14日 21:54
- こんなに堂々と似せたって言って良いの?
そういうのってなんか違う気がするんだけどな。
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- 2017年05月14日 21:55
- オウガ風のビジュアルってだけでプレイすることを決めました
ビジュアルだけで人を惹きつけるからオウガは偉大な作品だったなぁ
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- 2017年05月14日 22:27
- アート面でオウガリスペクトしてるというなら、課金で広告削除できる機能は必須だと思う
どんなにゲームの内容が良くても、強制的に広告出るとそれだけで魅力激減する
プレイする時にはお金払うから広告は削除させてほしい
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- 2017年05月14日 23:05
- 無料なら文句言わないだろうって言うけど、その人の時間を代価にしてるんだから文句言う人は言うよ。
それより有料なり広告除去なり、課金するところは課金して、バグを早く無くしてくれた方がマシだと思う。
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- 2017年05月14日 23:38
- Androidなめるな。
途中から特殊な機能使わない限り、動かないものは最初から動かないわ
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- 2017年05月15日 09:42
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リスペクトはいいんですがTOのフォントそのままってどうなんでしょうね
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- 2017年05月15日 10:01
- こんだけ堂々と他人の褌借りて
リスペクトで済ますのはどうか
ディレクターとデザイナーのレベルの低さに驚く
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- 2017年05月15日 10:04
- このゲームのフォントは自作だってさ。
スーファミ風アンチエイリアスを作ってるし、比べれば原作とは違う。
20年以上前に打ち捨てられたアートスタイルの復刻なのだから、目くじら立てなくてもいいと思うけどな
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- 2017年05月15日 15:48
- なんにでも狭い知識で難癖つけようとする阿呆は出てくるもんだな。
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- 2017年05月15日 21:30
- まだ権利は任天堂が持ってるんだから、打ち捨てられてはないだろう。
打ち捨てられたっていうのはパックマンとかブラよろの事を言うんだと思うよ。
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- 2017年05月15日 21:32
- 正直、これと中国の肖像権フリーのゲームとの違いが真剣に解らない。
多少は違うかもしれないけど、こうも扱いが激変するほどの違いはないと思うんだけど、、、。
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- 2017年05月15日 21:50
- ▼11&12さん
同じ方のようなのでまとめて。
タクティクスオウガのスーファミ風ドット絵のシリアスさは、PS Vitaの運命の輪に継承されませんでしたし、表現技法としては終わったのでは。
そもそも、中華はそのまま同じ素材を使ったり、既存のキャラを勝手に描いていることが問題であり、違うキャラクターを同じ技法でイチから描いたことは問題にはなりませんよね。
スクリーンショットのキャラクターも、見ればオウガ風ではあってもオウガの登場人物ではないことがわかるはず。
あと、オウガの商標などはスクウェアエニックスが持っています。
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- 2017年05月15日 21:53
- まんま劣化TOじゃん
こんだけ堂々と丸パクリしてクリエイターとして恥ずかしくないの?
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- 2017年05月15日 21:57
- 単にパクリと言いたいだけのアホが死ぬほど沸いてますね。
グラディウス風とか、ダライアス風とか、世の中探せば似たようなゲームを再発明しようとして評価されているゲームはいくらでもあるのに。
ましてや、ゲーム内容が異なる物に関して劣化TOとプレイせずに語るのはゲームに対する侮辱としか言えない。動画を見れば、単なるパクリでないことは一目瞭然。
これを単なるパクリと浅く断じる程度の見識が恥ずかしい。
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- 2017年05月16日 01:18
- データはオリジナルだし、20年前のネタだし、クエストは解散してるし
別にオウガやスクエニを騙っているわけでもない。
法的には白です。
が、それでも企業がビジネスでやることかね?
ファンメードなら苦笑いですむけど(法的には済まないこともあるけど)
ディレクターやデザイナーに矜持はないのかと。
好きな芸能人そっくりに整形したファン、みたいな気持ち悪さ。
RQ1は結構楽しんだけど、これは素直に楽しめない気がする。
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- 2017年05月16日 01:44
- オウガとほぼ同じなのは顔グラのつくりとSFC的フォントだけで、ユニットや地形の描きかたは違うし、ゲームも違うし、本当に似て見えるのはイベントシーンだけなんですけど、外部が過剰に似ているように思い込んでいる気がしますね。
完パクリとか、ふんどしに乗りすぎってほどに過ぎてないですよ。
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- 2017年05月16日 08:47
- ゲームって表現手法やゲームシステムを先行作品のリスペクトすることで発展してきた歴史なのに、最近は本当に半可通で似てるものを叩くだけの輩が増えたなあとコメント欄を見てると悲しくなるね。
もちろん商標権や特許権に法的に引っかかるようなものはアウトだけど、商標権や特許権は20年で失効するし、単なる絵柄や演出は著作権の保護範囲外だからこのケースは法的には何の問題も無い、ただ純粋に先行作品のリスペクトに溢れているってだけなのに。
ドラクエはウィズやウルティマのリスペクトで作ったって昔開発者が語ってたけど、今同じこと言ったらめちゃくちゃに叩かれてそうで、何だかなあって気分になるわ。(まあ当時も一部の偏屈な人は叩いてたけど(苦笑))
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- 2017年05月16日 09:14
- いろいろすでに書かれていますが、ゲームシステムも楽しみ方も違うし、オウガ風のオリジナルイラストは法律的にも道義的にも問題ないと思いますね。
これでスーファミが現役で、オウガも現役ならともかく、運命の輪ですこしビジュアルは動いてしまったところに原点回帰ですし。
Threesのときに、原案者の利益を損ねるのは法的にオーケーでもやってはいけないと書きましたが、これはもう別でしょう。
20年も経てば、オウガで育った人が作りますよ、そりゃ。
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- 2017年05月16日 09:16
- 13
使われてないから表現技法として終わってる。だから使っていいっていうのはおかしくないですか?
今はまだ使って無いだけかもしれないのに。
キャラをパクってなかったらこうも扱いが変わるのもよく解らないです。
曲に与える効果も版権元が被る被害も似たようなもんなのに。
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- 2017年05月16日 10:11
- アナタはゴッホの画風はオリジナル作品とはいえゴッホしか使ってはいけない。ゴッホが生み出した技法だからと言っているように見えます。
私が言っているのは、ゴッホの絵ではないことを明確にしてゴッホの画風でオリジナル作品を売っても良いということですよ。
ゴッホさんの没後ならゴッホさんにも迷惑かからないでしょうしね。
キャラクターやタイトル、内容は著作権で守られますが、技法は守られません。
IPの場合は死なないのでどこまで守るかって話ですが、ゲーム内容が違うならリリースから半年もしてれば問題ないでしょうね。
有料ゲームなんて初動命ですから(期間は主観によりますが)。
全てのゲームに20年も命を与えていたら作れないゲームばかりになってしまいますから。
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- 2017年05月16日 12:58
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浅い見識のコメントに反吐が出る。
本当は松野さんが続編を作れば良いんだよ。
だけど大人の事情でそれが叶わぬとなった時、真のリスペクト者は独学でその画風に近づこうと懸命に努力するんだよ。
血の滲む努力をね。
違うハードに、違う言語、違うプログラミングでね。
あなたはやれるのか、批判を受けることを覚悟で、人生をかけて。
一度、風神雷神図屏風の歴史を学ぶことをおすすめするよ。
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- 2017年05月16日 21:58
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めちゃくちゃ楽しみ(о´∀`о)
私は伝説のオウガバトルからクエストのゲームやってます。
ニンテンドー64になっても買ってやったっけなぁ懐かしい。
でもやっぱり昔のゲームの方が良かったって、別に懐古厨じゃないけどそう思いながらゲームしとりました。
PSPのオウガバトルなんかへし折ってやろうかと思うほどの作品だった。
スーファミ買い直してタクティクスオウガをやったりしたけど、あの頃の熱さってのは中々戻ってこないんですよ。
そんな同じ世代の人が頑張って作ったのなら、それだけで応援したくなります。
早く出ないかな〜(о´∀`о)
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- 2017年05月16日 22:07
- 著作権切れてたら良いだろうけど切れてないからね。
ゴッホが生きてる時に"もうゴッホ"描かない氏、リスペクトだから"って、見た目一緒の絵売ってたらゴッホもいい顔しないでしょう。
いざ描き始めた時に売れなくなるかもしれないから。
ただ、自分は純粋に理解出来なかっただけなんで、別にそこまで批判するつもりはなかったんです。
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- 2017年05月16日 23:03
- ゴッホのたとえで言えば、若かりし頃の自分の絵を真似たオリジナル作品を出されて「リスペクトしてます!」と言われた感じだと思いますよ。
20年もして(5年でも一緒でしょうけれど)、昔の絵と似た絵が商売敵になるのであれば、画家として致命的に怠慢です。
FFタクティクス、運命の輪と新しい方向に進んだのだから、その原典のテイストをまねされても問題ないでしょう。
ゲーム内容は全然違うのですし。著作権が切れていたら、それこそオウガのキャラクターをそのまま使っても文句言えないですよ。だからこそ、技法だけなんでしょう。
まっとうじゃないですか。
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- 2017年05月16日 23:51
- ところでこの記事のタイトルって、タクティクスオウガからのチャプター名から取ってます?
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- 2017年05月17日 00:19
- >>24
著作権切れてたらもなにも、画風には元々著作権がありませんよ。
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- 2017年05月17日 01:24
- 24が完全に論破されててワロタ
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- 2017年05月18日 00:22
- クリカンもルパンの声やってるじゃん。
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- 2017年08月22日 10:03
- そういえば、うちの親がゴッホのテクを研究して、一生懸命、油絵を描いていたな。
なんか懐かしい。