追記:
VTM NIEUWSにてベルギーの賭博委員会はまだ「ルートボックスについて最終的な決断は下していない」としている。
原文:
「ガチャは賭博か、そうではないのか」その論争に大きな動きが出ようとしている。
ベルギーの賭博委員会がゲームに搭載されている“ルートボックス”(ガチャに相当するもの)をギャンブルと認定し、子供に与える害を考慮して欧州全域で禁止を求める声明を発表したのだ。なお、本声明ではゲームプレイに影響を及ぼす能力強化型のアイテムも単に見た目を変えるスキンアイテムも区別なく規制対象として挙げられている。
ルートボックスとは、使用することでランダムにゲーム内アイテムを入手できるアイテム。ゲーム内でも入手できるが、アイテムをコンプリートしようとすると膨大なプレイ時間を費やすか、アイテム課金でルートボックスを買わないと難しくなるような調整が多い。
つまり、日本で言うガチャ的な存在である。『スターウォーズバトルフロントII』や『オーバーウォッチ』など、近年は有料の家庭用ゲームにも導入され始めており、ゲーマーの間では問題視する声も大きかった。
もし、これが受け入れられた場合はガチャ機能を含むゲームが未成年に提供されなくなったり、一切リリースできなったりすることが予想される。
家庭用やPCゲームのメインストリームはいまだ欧州と米国にあるため、市場として無視できず、世界展開するタイトルの多くはガチャを導入しづらくなる。
また、モバイルゲームにもそういったものが波及し、欧州で勢いのある日本のガチャ主体ゲーム『ドラゴンボールZドッカンバトル』、TCG由来のパック商売をする『ハースストーン』などの商売も危うくなるかもしれない(といっても、おそらく数年スパンはかかるだろう)。
日本に与える影響も大きい。日本は市場が飽和しつつあり、海外で戦うことが(スマホでも)求められつつある。そこにきて日本一国でガチャなどを規制をしてしまうと、単に他の国に輸出できないゲームができてしまうだけで国際的な競争力を失ってしまう。しかし、世界が変われば日本も変わらざるをえない。
『スターウォーズバトルフロントII』がファンの反発で課金の仕組みを見直す必要に迫られ、基本無料だったRPG『Clicker Heroes』新作が倫理的問題からアイテム課金をやめ、そういった大きな流れの中で日本にも変化がやってくる可能性はある。
▲Clicker Heroes 2は、アイテム課金すら廃止した。
ただし、過度な期待は禁物だ。
過去、ガチャを禁止した韓国では結果として間接的にガチャを回させる仕組みが発達した。企業は抜け道を見つけ出すし、それは韓国と同じ道筋をたどる可能性が高い。
(つまり、『アズールレーン』などが採用する中国の“間接ガチャ”仕組みで紹介したシステムである)
その回り道まで規制した場合、オンラインゲームにおけるほぼすべてのランダムドロップ要素が規制を受ける可能性まであるが、そこまで大胆な規制が行われることは考えづらい。
今朝より課金アイテムの問題について記事でも書いたが、ゲームキャストではこの動きに関心を持っており、これについて重点的に記事を用意していく予定だ。韓国でガチャ禁止時に発達した間接ガチャについてはよりわかりやすく解説する準備もしているので、記事を待っていて欲しい。
なお、本記事はAUTOMATONの記事で情報を得て制作された。ベルギーなどの規制喚起の話題についてはより詳細に書いてあるので、あわせて購読をお勧めする。
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