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AppStore5周年!『Infinity Blade II』無料化で売上が2.4倍へ、『スワンピーのお風呂パニック』は売上低下。

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先日、AppStoreの5周年記念で『Infinity Blade II』や『スワンピーのお風呂パニック』など有名ゲームが無料になるプロモーションが展開された
果たして無料で提供したアプリには利益があったのだろうか?
答えは「一部のアプリにはあった」というところ。

PocketGamer.bizの記事によると、AppStore5周年を記念して無料化した『Infinity Blade II』のプロモーションにより、プロモーション前と比べて週間売上が2倍以上になったとのこと。
無料プロモーションによって初日で170万、1周間で570万ダウンロードされたという(データは全てDistimoのもの)。
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▲USの直近1ヶ月の売上グラフ。150位程度から50位近くまで上昇した

いやはや、恐るべき効果だが、このゲームはAppStoreに登場時、USで2週間連続売上1位を獲得しており、無料プロモーションが非常に効果が大きかったかというと、全体から見ればそこまでではないのだろう。

実際、Chair Entertainmentの広報Laura Mustard氏はこうコメントしている。
「私たちは無料プロモーション時にいつもより売上が増加していることは重要だとは思っていません。なぜならこのゲームはアプリ内課金が必要でないバランスがとられているからです。」

そしてもう1つ興味深いのはワニのお風呂に水を提供する人気パズルゲーム『スワンピーのお風呂パニック』では逆のことが起きているのだ。
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▲『スワンピーのお風呂パニック』

AppAnnieの売上データによれば、USではプロモーション期間の売上が下落していることが分かる。
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▲売上が下がっている部分がプロモーション期間。

この差の説明は簡単だ。
『Infinity Blade II』はときどきお金が足りなくなるため、アプリ内購入でそこを補うと快適なプレイが出来るようになる。
つまり、通常プレイのための課金圧力(というほど強力なものはないが)が存在する。
日本のソーシャルゲームほどではないが、限られた層からアプリの金額の何倍もの額を売り上げる機能がある。

対して『スワンピーのお風呂パニック』はクイズの問題数を増やすものが基本。
ステージをスキップするという要素はあるが、ゲーム自体が簡単なので通常プレイ時はあまり必要ないし課金額にも限度がある。
このあたりが明暗を分けたポイントだろう。

ちなみに『スキタイのムスメ~音響的冒険~』や『BADLAND』などアプリ内購入要素のないゲームは当然売上なしだ。
が、プロモーション終了後に少しだけ売上が増えてはいるようだ。

AppStoreの特性として値下げが行われたときにDLが大きく増えるというものがある。
これはAndroidと較べて遥かに多く、実際にiOSの値下げサイトが大量にあるのを見ても分かる(Androidにはあまり値下げサイトが存在しない)。

とすると究極の値下げは無料、そのときに収益を得る手段があるアプリは強いということなのだろう。
その理屈は非常によくわかるが、買い切りゲームの課金圧力がどんどん強くなってくるようなことがないように願うばかりだ。