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レビュー:BADLAND 幻想的な雰囲気のパズルアクション

BADLAND(Ver1.0) 350円 iPhone/iPadの両方に対応
開発:
Frogmind
評価:2.5(価格通り楽しめる)
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幻想的な風景とリアルな効果音
鳥が増えるギミックが見た目に楽しい
アイテムと物理法則を使ったパズルアクション
雰囲気は良いが、それがゲームに絡んでいない
ヨーロッパのゲームイベント“Game Connection Europe 2012”でベストプロジェクト賞、SCEE賞をで獲得した、幻想的な雰囲気のアクションがリリース。
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当然、注目するべきはその圧倒的なビジュアル。
美しい背景、そしてプレイヤーを待ち受けるステージとキャラクターは影絵という組み合わせがプレイヤーの想像をかきたてる。
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また、一見黒いだけのステージ上の障害物には材質などが設定されており、パイプのようなものに当たれば硬質の音が鳴り響き、柔らかそうな材質なら「ぼとっ」っと音がする。
影なのに、音のおかげでリアルさを感じる不思議な演出だ。
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ゲームは自動でスクロールしていく画面に飲み込まれないようにゴールを目指す、ステージクリア型の横スクロールアクション。
プレイヤーが画面をタッチしている間は“鳥”が羽ばたいて上昇し、指を離すと落下というワンタッチ操作でゲームは進んでいく。

ステージ上には爆弾や電動ノコギリ、ワープなど、なぜかメカニカルな仕掛けが用意されており、これまたステージ上に配置されているアイテムを取得して乗り越えていく。
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▲仕掛けはやけにメカニカル。

例えばこの白いアイテム。
これをとると“鳥”が分裂して画面に大量に現れる。
分裂した“鳥”もプレイヤーの操作で動き、ステージのゴールまでに1羽でも生き残っていればクリアとなる。
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▲右側の白い点々のアイテムが分裂。

オレンジのアイテムは取得するたびに1段階“鳥”を縮小・拡大させる。
オレンジの小さいものが縮小、大きい物が拡大だ。
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▲画面右のオレンジの光が縮小アイテム。

青いアイテムは時間の進み方を変化させ、緑のアイテムは“鳥”が地面を弾くようになったり、逆に障害物にくっつくようにしたりする。
分裂以外のアイテムは同じ色でもアイテムの大小で効果が反転しており、反対の効果のアイテムを取ることで効果が相殺される仕組み。

さらに、このゲームは物理シミュレートを採用しており、鳥が大きくなれば重くなって障害物を体当たりでどける力がついたり、爆風でも吹き飛ばされずに進むことができるし、小さくなると力がなくなる。
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▲大きくなった状態で樹の枝に乗るとしなる。

タッチだけのシンプル操作だが、アイテムと物理法則を駆使して進むためパズル性があり、コースを覚えてクリアしてくアクションパズル的なゲームとなっている。
難易度はそこそこ高いが、セーブポイントがこまめにあるのでクリアするだけなら時間をかければ誰でもできるはず。
手触りも悪くなく、そこそこ遊べるものに仕上がっている。
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全体としてみると、音とグラフィックへのこだわりが素晴らしく、この面で『BADLAND』を超えるゲームはなかなか無いと言い切れる反面、ストーリー的な演出がほぼ無いため、不思議な雰囲気を作っただけで終わってしまっているのが残念。

「なぜ、鳥はゴールへ向かっているのか?」
「機械的な仕掛けはどんな世界観なのか?」

という言った疑問が湧くものの、一切のヒントも回答もなし。
World of Goo』のように何か仕掛けがあれば、もっと世界にのめりこめたはず。
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▲すごく気になる雰囲気なのにもったいない。

ゲーム部分もスムーズにプレイできてそこそこ楽しいが、ゲームと世界観が分離してしまっていて相乗効果を発揮せず、感想としては「グラフィックはいいけど、普通」になってしまっている。
そこが上手く行っていれば評価3.5以上にはなったと思うのだが、現段階での評価は2.5(価格通り楽しめる)としておく。

アプリリンク:
BADLAND(itunes) 350円 iPhone/iPadの両方に対応

動画: