なになに、北欧ファンタジー風の街を作ってみたい。
さらに、せっかくのファンタジーだから軍隊を組織して戦うような刺激もよっと欲しいって?
なるほど、そんな欲張りな君には『Bonefire 2』を紹介しよう。
これは過酷な地にたどり着いた冒険者たちが土地を切り開き、魔物と戦いながら街を大きくするシミュレーションRPGだ。
建物を建てて街並みを整え、戦って、また街を大きくする。
そして成長した街を見て悦に浸る。そんな遊び方ができる、
『Bonefire 2』というゲーム名が示す通り、本作は『Bonefire』というゲームの2作目にあたる。
が、ストーリーは同じ。街を作って戦うシステムも同じ。
続編というよりも、システムを変更したリメイクと言った方がしっくりくる作りになっている。
ただし、それは悪い意味ではない。
前作から多くの面で変化・進化していて「1回作ったゲームを作り直したら、完成度が飛躍的に高まった」と言えるものになっている。
もともと、物語が重要なゲームでもなかったので、前作を遊んでいなくても『Bonefire 2』は100%楽しめるし、前作が楽しかったのなら今作はより楽しめるだろう。
▲旧作『Bonefire』。これはサイドビューのゲームだった。
さて、タイトルにもある”Bonefire”とは、篝火のことだ。
ゲーム開始時、厳しい航海乗り越えた4人の民は大きな篝火を焚き、これを目印に集まってきた人々ともに国を作り始める。
ゲームプレイとしては、昼は街を拡張し、夜は島に住む魔物から身を守るようになっている。
まず、昼の部分から説明していこう。
昼は基本的に、資源を採取して建物を建てる街作りゲームが楽しめる。
ゲームはリアルタイムで進行していて、指示を出すと民がフィールドを移動し、自動で必要な資源を集め、建物を建て始める。
建物はそれぞれ重要な役割を持っており、たとえば狩猟小屋や釣り場を作れば、狩りや漁で食料をため込める。
住居を作れば寝ているときに魔物に襲われなくなり、民は安全に体力を回復できるなど、さまざまな効果がある。建物を建てるたびにできることが増えるので、街作りの充実感は高い。
もちろん、区画整備も重要だ。
鉄鉱山や森林など、資源を生み出す地形の周りには倉庫を置いて資源を効率的に保存する必要がある。
鍛冶屋などを作ったら倉庫から鉄などの資源を取り出してから物を作るので、それらの建物は倉庫の近くに建てなければならない。
各建物で働く民は夜になると住居で寝るので、住居は交通の便が良いところに建てないといけない……と、街を作るとき効率を考える必要がある。
最初は小屋しか作れないが、新しい建物を建てるほどに国の技術力が上がっていき、材木置き場、鉄鉱山、造船所と作れる建物が増えて、原始的な集落が街と呼べるものになっていく。
また、建物が増えると「資源採取に1人、狩猟に1人、建築に2人」などと民を割り振る必要が生まれ、労働力の配分も忙しく、楽しくなってくる。
街は3Dで描かれており、拡大縮小、角度を変えて眺めるのも自由。
手塩にかけた街を眺める満足感も十分。
街と同時に住む民も成長する。木工工場で荷車を作って与えれば輸送が早くなるし、鍛冶屋で武具を作れば夜に魔物と戦っても生存率が上がる。
また、民にはそれぞれ固有のステータスがあり、STRが高い人は戦闘で高いダメージを与えられるし、DEXが高い人は射撃武器で高いダメージを与えられる。そして、INTが高い人は生産活動全般が早くなる。
民を使い続けていればレベルが上がり、それらのステータスが上昇していく。
さらに「射撃が百発百中」とか「クリティカルで2倍ダメージを与える」とか、彼らはランダムに固有スキルも持っていて、スキルに合わせて育成する楽しみもある。わりとゲームの環境が過酷なので、ちょっとしたことで亡くなってしまうのがつらいが、スキル・能力・装備、すべてがかみ合った民が育つとすさまじい強さで、達成感も高い。
次は夜の説明をしよう。
プレイヤーが入植した島は非常に危険な土地で、夜になると必ず魔物が襲ってくる。
そこで、力の強い民を守衛に任命すると、夜に魔物と自動で戦ってくれるのだが……ここに悩ましいジレンマがある。
守衛を増やせば簡単に魔物を撃退できるが、昼になると守衛は寝てしまうので、街の発展速度が落ちる。
日数が進むほどに魔物は強力になり、発展した街にから生産される武具が必須となる。
つまり、単純に魔物の被害を受けてもダメ、守衛を増やしすぎて街の発展が遅れてもダメ。発展と防衛のバランスを取る采配が重要となる。
▲街の通路がごちゃついていると守衛の移動が遅くなって民が魔物に殺されてしまったり、特定の方向からの攻撃に弱い、などの問題が発生するので後半になると防衛を意識した街作りも必要になる。
新しい建物を建てては喜び、大勢の人が働いている様子を見て満足し、魔物を撃退してほっとする。
堅実な街作りの楽しさと、ライトな戦術ゲームの面白さが融合していて、思わず「これでいいんだよ、これで」と言いたくなるような素朴でがっしりした作りのシミュレーションRPGが『Bonefire 2』だ。
コツコツと遊ぶゲームが好き……日本で言えばカイロソフト系を暴力的にした感じの作品を遊びたいならこれを試してみると良いだろう。
なお、App Store などのレビューを見るとバグや日本語の問題が報告されているが、多くのバグはすでに解消されており、日本語に関しては私がフィードバックして修正してもらっている。
2020年10月には追加シナリオの配信も計画しているそうなので、今遊び始めるとちょうど楽しめるはずだ。
動画:
概要:
建物を建て、労働者を配分し、魔物と戦う建築・ワーカープレイスメント・バトルのSLG
評価:7(このジャンルが好きならお勧め)
おすすめポイント
街と作り、整える、眺める楽しさ
魔物が迫ってくる適度な緊張感
気になるポイント
やや難しい(難易度設定はあるが)
一応のエンディングはあるが未実装シナリオがある
アプリDL:
開発:Xigma Games(インド)
公式ページ:http://www.xigmagames.com/
レビュー時バージョン:1.07
課金:なし
ライター:寺島壽久(ゲームキャスト トシ)
ゲーム紹介サイト、ゲームキャスト管理人でゲームライター。
アクション、新しさのあるゲーム、旅を感じるゲームが好き。
Twitterでも情報発信中