スマホなどのゲームをNintendo Switchに移植したいが、何をするべきかわからない……。
そんな思いを抱く開発者は多いはずだ。
今回、ゲームエンジンUnityの技術イベントUnite 2019には任天堂のブースがあり、そこでNintendo Switch向けゲーム移植事例として7本のゲームが展示されていた。
そういった悩みのヒントになるかもしれないので、任天堂ブースの動画資料の情報をまとめておく。
TVモードと携帯モードの使いこなし
『War Groove』では、携帯モードとTVモードで表示領域を変更し、TVモードでは画面で見える情報を増やし、携帯モードでは適切な大きさの文字サイズで見られるように変えていた。
これが携帯モード。小さい画面でも文字が見えやすいように、真ん中のメニューが拡大している。
これがTVモード。こんどはカメラが引いてゲームの画面外の映像が見えるようになっている。
こういった工夫が随所にみられるようだ。
Joy-Conの特性を活かしておすそ分けプレイ
『Enter the Gungeon』ではコントローラーの使いこなし術の例が表示されていた。
本作のNintendo Switch版は、おすそ分けプレイで2人同時に遊ぶことが可能。
もともとツインスティックシューティング(スティックを2つ必要とする)なので、Joy-Con単体で遊ぶとキャラクターを回転させるためのスティックが足りなくなる。
そこを補うため、Joy-Conのジャイロセンサーで傾きを検知し、傾いている方向に回転するように調整することで対応している。
ポインティングデバイスとして遊ぶ
遊んでいて楽しかったのは、ポインティングデバイスとしてJoy-Conを使用した『グーの惑星』だ。
グーと呼ばれるスライムを好きな位置に配置してくっつけるパズルなのだが、Joy-ConをTV画面に向けて動かすと、マーカーが移動して少しの労力で直感的にグーを動かせた。
居間などでプレイすると、これは盛り上がりそうだ。
タッチでもコントローラーでも快適に
イラストを重ね合わせるパズルゲーム『GOROGOA』。
このゲームは絵を指でスライドして重ねれば良いものなので、タッチパネルだけでも直感的に遊べる。
しかし、コントローラーでも十分に操作しやすく作られており、「コントローラーでも、タッチでも、プレイヤーが好きな操作を選べて、どちらも快適」なのが展示のポイントのようだ。
縦画面より横画面
スマホの放置系ゲーム『タップ!キャプテンスター』のSwitch版、『キャプテンスターワン』。
これはスマホ版が縦画面だったのに対し、完ぺきに横画面に修正されている。
スマホ版と比べると、差は一目瞭然。
情報は整理せよ
Nintendo Switch版『Slay the Spire』。
こちらはもともと情報の多いPCゲームだったが、Switchでは小さい画面にわかりやすく情報をまとめている。
そのほか、スマホアクション『アニマス』は振動を足すことで攻撃の重さを伝えてグレードアップしていた。
まとめてみよう。
展示されていたゲームのやっていたことは以下の通り。
・TVモードと携帯モードで情報を変える(WAR GROOVE)
・コントローラーでもタッチでも遊びやすく(GOROGOA)
・縦画面のゲームは横に直す(キャプテンスターワン)
・情報の多いゲームは整理して移植する(Slay the Spire)
・Joy-Conの特性を活かして多人数プレイ(Enter the Gungeon)
・コントローラーをポインティングデバイスとして利用することで、TVモードにアトラクション的面白さを加える(グーの惑星)
・振動モードで演出を強化(アニマス)
今回の展示に関しては「これをすればOK」と言うものではない参考展示のようだ。
ただ、任天堂が参考事例として展示しているほどのものなので、遊ぶときにこれらに気を付けてみると「なるほど、これがSwitchの面白さか」と気づくこともあるだろう。
今、これらの持っている方も、この情報に気を付けて遊んでみると新しい発見があるかもしれない。