2015年は、年初から『Monument Valley』などの違法コピー問題を取り扱ったが、年末もこの話題でなのか。
「基本無料ゲームは、害悪だ。我々は、基本無料ゲームを作ることはない」
そう語っていたインディーゲームメーカーLaser Dogが、信念を曲げて有料ゲームを基本無料ゲーム化する決断を下すことになっていしまった。
彼らのゲームの品質に問題があったのだろうか?
いや、違う。『HoPiKo』も『ALONE...』も、コアゲーマー向けだが、素晴らしいゲームである。
Androidの違法コピーの多さに、Androidで有料ゲームを貫くことを諦めたのだ。
ことの経緯はこうだ。
彼らはiOSでハイテンポアクション『HoPiKo』をリリースし、十分に売上げ、順調に有料ゲームメーカーとして活動する資金を得た。
そこで、次にAndroid版をリリースしたのだが……結果は、悲惨なものだった。
Androidで『HoPiKo』をリリースし、わずか4時間後には『HoPiKo』はクラックされた。
そして、それは急速にウェブに拡大し、すぐにGoogle検索で正規品の『HoPiKo』よりも上位に表示されるようになってしまっという。
結果、Androidで『HoPiKo』遊ぶプレイヤーのうち、90%はクラック版を遊んでいる状態となった。
そこで、Androidでは『HoPiKo』にスタミナ制を導入し、広告を見ることでスタミナが回復するフリーバージョンをリリースした。
(ただし、すでに有料版を買ったプレイヤーのために、有料版はストアに残している)
有料でなければつくれないゲームがあり、基本無料でなければつくれないゲームもある。
この記事を見ている皆さんは、お金を払うプレイヤーだと信じているが、最近これについて思うことがある。
ゲームに金を払うことに否定的なメディアも、この責任の一端を担っているのではないかと。
品質と価格が見合わないものに「高い」というのは良いとしても、「面白いのに、有料なのが残念」などと書くメディアがある。
プレイヤーが「高い」とか言うのは仕方ないと思うが、ゲームに生かされているメディアの人間ぐらい、ゲームを定価で買ったり、面白ければ広告を削除したり、そういった行動に肯定的であるべきではないだろうか。
さもなくば、こんなことを言われ続けることになるだろう。
日本人は~とか言いたくないけど、値段で文句言ってんの今んとこ日本人しか見てなくて、外人は大体「いい値段だ!」みたいに言ってくれてる
日本ユーザーは無料に慣れすぎてるみたいな話は聞いたことあったけどほんと実感した
— もっぴん (@moppppin) 2015, 10月 16
たまに、セール記事などで近いことを書いている気がするので、ゲーキャスの2016年はこれを心に刻んで生きていきたい。
関連リンク:
Laser Dog Sells Their Soul? — Laser Dog Games
アプリリンク:
HoPiKo (itunes 240円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
HoPiKo Free (基本無料 GooglePlay)