Train Drive ATS 2 レビュー - 電車好きが作った究極のトレインシミュレーター。
鉄道好きの有志が作った、鉄道好きのためのトレインシミュレーターが登場した。
この『Train Drive ATS 2』は、街並み、音と動き、ダイヤ、すべてにこだわったハイレベルなトレインシミュレーターだ。
路線は架空の路線だが稲城市の協力を受けており、京王線ライクで雰囲気のある街並みの中を走れる。登場する電車はすべてダイヤに合わせて運行され、複線、複々線まで再現。
また、京王線の認可を受けた公式アプリで、京王電鉄の6000系、7000系、8000系の3車種を操縦できる。
電車好きなら絶対見逃してはいけないアプリだ。
ゲーム内容は非常にシンプル。電車を運転し、制限速度を守り、時間通りに運行するだけだ。
だが、鉄道ゲームをすでに知っているプレイヤー向けに作られているためか、操作が分かりづらいので解説しておこう。
以下の説明はiPadのものなので、ボタン配置などはiPhoneでは少しだけ変わるので注意。
まず、発車前に画面左上のFスイッチタッチする。
▲後退もできる
続いて、画面左下のギアを左下のPの位置までドラッグするとエンジンにエネルギーが供給されて電車が走り出す。
電車が走り始めると、画面下の速度計が動き出す。制限時速を超えるとスコアがマイナスされるので、慣れるまでは速度は気持ち遅めでもいい。
▲制限時速に変化があるときは、制限時速上の警告メッセージに表示される。
電車が安定して走り始めたら、画面上の路線データに注目だ。
勾配を見つつ、停車位置までの距離と目標時刻を見て速度を調整しよう。
駅構内に入ったらブレーキをかけて緩やかに減速し……
青い矢印の位置に停車。
このとき、矢印に近いほどスコアが増るが、急な減速やホーム内での再加速をするとガシガシスコアが減点され、最悪マイナススコアもある。
これを続けて最後まで列車を運行すると総合スコアが出て、0以上であれば次の路線にチャレンジできるようになる。
最初は電車独特の慣性のついた動きに戸惑うが、デモプレイ機能で模範プレイを見て真似すれば意外にすんなり慣れられるはずだ。
で、慣れるとこのゲームの魅力をじっくり楽しめるようになる。
本作の魅力は、なんと言っても電車から見る風景だ。有志による製作のため画像は粗めだが、そこは鉄道愛にあふれる方々による製作なので、街並みもランドマークも「わかっている」作りだ。
読売ランド駅はないが、遊園地はある。よく見るとジェットコースターが動いていて、かなり凝っている。
ホームの目の前に踏切があって、左前にコンビニ……。あそこだ!
これらのランドマークは京王線好きが楽しめるだけでなく、実在の路線をモデルにしているのでリアル感があり、トレインシミュレーターとしての面白さ向上にもつながっている。
そして、対抗路線や併走する列車など、グラフィックは企業の作品と比べて少しチープでも、リアルな音と動きのおかげで「電車感」は満点だ。
独自のダイヤを持っていて、運転が早すぎるとほかの電車を待つはめになったり、速度次第で電車がすれ違う位置を調節できたりと鉄道マニアが楽しめる要素もある。
正直に言ってしまうと、私は鉄道マニアではないので「反重複区間」や「京王ATS」を再現していると言われてもそれが「すごそう」なことしか分からない(電車マニアの友人に確認したところ、スゴいことらしいが……)。
しかし、3台以上の電車が同時に画面に登場してすれ違う様子を見たり、どこかで見たような街並みを走るだけで楽しい。
非公開になってしまった『電車でGO!』と比べても、グラフィック以外の点ではこちらが勝っている。
現在のアプリのトレインシミュレーターでは、究極と言える内容だと思う。
電車好きなら、迷わず買って良いと思う。また、電車好きでなくとも京王線ユーザーならばガッツリ楽しめるはずだ。
アプリで800円は安い買い物ではないが、無料体験版の『Train Drive ATS 2 Light』もあるのでぜひ1度試して欲しい。
評価:3.5(かなり面白い)
おすすめポイント
京王線を元にして緻密なダイヤを組んだ路線
稲城市を元にした街並み
リアルな音と電車の動き
気になるポイント
ゲームの説明が不足気味
車内アナウンスはない
課金
なし
(バージョン1.01、ゲームキャスト トシ)
アプリリンク:
Train Drive ATS 2 (itunes 800円 iPhone/iPad対応)
Train Drive ATS 2 Light (itunes 無料 iPhone/iPad対応)
動画: