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Appleの広告取り締まりの影響、ソーシャルゲームへ波及。メルクストーリアでアプリDLのリワード広告停止。

merusuto
先日から、Apple がリワード広告の取り締まりを強化しているとお伝えしてきたが、ついにソーシャルゲーム系のメーカーにも影響が出てきた。
昨日、HappyElementsの基本無料ゲーム、『メルクストーリア』にて、アプリをDLした報酬として有料アイテム「ダイヤ」が手に入る仕組みの近日停止が発表されたのだ。

Apple が規約の適用を強化した背景には、ブーストによって操作されている AppStore のランキングを正常に戻したいという意思を感じる。

ブーストとは、アプリをDLさせてお小遣いがもらえる仕組みや、ゲーム内の有料アイテムが手に入る仕組みでアプリのDL数を増加させる手法だ。
ブーストではポイントなどの取得のためアプリがDLされるので、DLされてもアプリはあまり利用されない。
しかし、アプリはDLされるのでランキングは伸びる。

すると、利用者が多くて人気のアプリを探すためにあるランキングが、アプリの人気を反映したものではなくなってしまう。

また、ブーストの広告費にかかるお金はゲームメーカーの負担にもなっていたという。
この辺りは、セガが広告ツール『ノアパス』を立ち上げた経緯に解説されている。
スマホゲーム内の広告を「等価交換」 セガ、コストを圧縮  :日本経済新聞

では、ブーストが消えるとどうなるのか。
まず、ランキングがある程度正常化するだろう。
今まではどんなゲームでも1位をとれていたが、話題性もなにもないゲームは広告を出しても1位にくることはなくなるはずだ。
また、そのとき流行っているアプリがランキングの上位に行きやすくなり、広告費のない小規模メーカーでも内容が良ければランキング上位に顔を出しやすくなる。
ユーザーとしても、人気のアプリがわかりやすくなって助かるはずだ。

メーカーの出費に関しては、バナー広告やゲームメディアへの広告を出して1位を取りに行くことになり、広告費はどこまで変わらないのではないだろうか。

個人的にはランキングは正常化して欲しいので歓迎だが、一方で不安も残る。
お行儀のいいメーカーや、大ブランドは Apple の方針に従うだろう。

しかし、中国のリワード会社や、あまり品行方正と言えない一部の広告会社などはいくつもダミー会社を作り、Apple の目をくぐり抜けてリワード広告を出しまくるのではないだろうか?
会社が目をつけられても、ダミー会社を潰して次のダミー会社に移り、リワードを続けるわけだ。
Apple に潰されても、わずかな間リワード広告をすれば儲けは出るかもしれない。

正直者が損を見ることがないように、やるならば徹底してやってもらいたい。