欧米の中小メーカーも、日本のように基本無料に移行しつつあるのか。Angry Birds Go! に思う。:iPhoneゲーマーな日々
基本無料ゲームとなった Angry Birds Go! は、カジュアルゲーマーにとってはかなりキラー的なスゴイカートレースゲームだ。
それは先日の記事にも書いた。
→Angry Birds Go! シンプルなのに操作していて面白い!カジュアルレースの定番。
しかしながら、プレイしていて「はて?」とひっかかる部分がある。
「課金システムと前提の説明不足」
「課金に関わる表示が悪い」
「課金額が不透明」
この3つだ。
あの Rovio が、こんな所でミスをしているのは不思議だが…本日はコレについて書いていきたい。
まず、「課金システムと前提の説明不足」について。
ゲームの操作などはゆっくり順序立てて説明していて「さすがだな」と感心させられたが、このゲームは課金のシステムも同じようにゆっくり小出しにしており、これがまずあらぬ誤解を招く。
序盤に「特殊能力は1レースで1回まで」と説明されて開放されるドライバーの特殊能力。
これが、あるところで課金通貨の宝石を使用して余分に使えるようになる。
そこで、「えっ、そういうゲームだったの?」とまず驚く。
▲宝石はプレイで結構手に入るが、使いきりなので毎回とはいかない。
もう少し進むと、突然「体力がなくてレースできない」と言われてビックリ。
序盤はスタミナが無限なのに、スタミナ制度に切り替わる時に何の説明もされないのだ。
▲スタミナシステムに移行する時に、説明一切なし!
そこからスタート時に「ダッシュ力が上がるスリング」や「ダメージを受けても回復する能力」などが使いきりで購入できるようになり、後からだんだんと課金要素が増え「今なにかを購入しても後出しルールで別の課金をされそう」という気持ち悪さがつきまとう。
そして、それが極まるのが車の購入だ。
通常の車は能力の上限がとても低く、とても最後までプレイすることはできないように見える。
限界まで車を強化すると能力上限が上がり、クリアできるようになるという説明がない。
なので、「課金しなければいけないのかな?」と購入するのだが…。
せっかく車を買っても次のエリアに行くと使えない。
購入した車は1エリア内でしか使用できないのだが、そういった説明も一切ないのだ。
さらに言えば、購入後に「課金しなくてもクリアできる」と事実が判明すると損した気分になる。
▲エリアは4つあるので4回課金しろということなのか…。
どんな課金があって、どんな時に必要で、どんな効果があるのか。よくわからないので課金の納得感が大幅に低くなってしまっている。
続いて「課金に関わる表示が悪い」ということ。
下のスクリーンショットには「無料」と書かれたボタンがある。
特殊能力の課金説明後、突然この「無料」が表示されるようになり、「えっ、有料の特殊能力があるの!?」とプレイヤーを混乱させる。
実際は前もって宝石で購入した特殊能力を使用するか、1レースに1回使える無料分の能力かを区別するために表示しているのだが、とても見栄えが悪くて混乱する表示だ。
▲無料…とゲーム中のボタンに表示される怖さ。
さらに、ほぼ全ての課金アイテムは値札がついておらず、Appleの課金確認画面まで額がわからない。
課金車の値段が表示されていない(!)ので、カートから恐る恐る50%引きになっているものを選択すると…なんとお値段1000円!
手に入るコインを永遠に2倍にする「コインダブラー」を買おうとするとやっぱり金額が書いていない。
▲安い車もあるけど5000円の車もあるよ!
さらに驚いたのが「課金額が不透明」なこと。
先ほど課金額が表示されていないと書いたが、額が表示されていない上に知らぬ間に数値が予告なく変更されている。
例えば「コインダブラー」はリリース初日に1000円だったが、翌日は700円に変更されていた。
値札も告知もないので、「値段が知らぬ間に変わる」としか言えない。
自分が確認したところでは、エリア3でとてつもなく高額だった3段階目以降の車パワーアップ価格(こちらはコイン)が昨日急に安くなっており、今も目につきづらい所でどんどん数値を調整しているようだ。
こちらもコインを購入するプレイヤーからすればたまったものではない。
▲パワーアップ金額は後半大変な問題。
数値をコロコロ変更したり、表示のミスをしたり、説明が足りなかったり。
なんというか、印象としては「ソーシャルゲームが始まったばかりの日本のよう」と感じた。
有料ゲームメーカーがソーシャルゲームに挑戦したとき、経験がなくて同じような例があった。
1年前に Dead Trigger も同じような失敗をしていたし、海外の中小有料ゲームメーカーも基本無料に移行し始め、日本のソーシャルゲームが通ってきた試練に直面し、順調に引っかかっている。
そんな段階なのかもしれない。
そして、マニアなゲーマーが極小数、自分と同じことで文句を言っているなかで、無料前提で適当にやって楽しんでいる圧倒的な数のユーザーがいてストアの評価は高い。
その傾向も全く同じで、欧米もやはり基本無料的なゲームは日本と同じように有料ゲームを主役から追い出しつつあるのかもしれない。
そんなことを Angry Birds Go! を見ながら思ったのだった。
アプリリンク:
Angry Birds Go! (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応)