ポチポチゲーとラノベを完全融合。アンジュ・ヴィエルジュでポチポチゲー進化の兆しを見る - セガマニア@ゲームキャスト
ラノベ的、ラノベの作者を採用して…と言われるソーシャルゲームは今までたくさんあった。
お色気・ハーレムなど、カードソーシャルゲームの売れ線を狙っていくと、そこが1つの金脈に見えるのだろう。
ただ、拡散性ミリオンアーサーや、その他のゲームを見ても「ラノベの文法を抑えた」にとどまっており、ラノベをプレイしている感覚にはならなかった。
ラノベで有名なファンタジア文庫の富士見書房、MF文庫のメディアファクトリーがタッグで作ったカードゲーム、アンジュ・ヴィエルジュのプレイ感覚はラノベそのものであった。
さて、スマホ版アンジュ・ヴィエルジュの概要をお伝えすると、「ギルドバトル式のポチポチゲー」としか言えない。
キャラクターイラストのクオリティが高く、ボイスがノーマルカードにも入っており、ソシャゲの中でもトップクラスのクオリティ。
オープニング動画も含め、ポチポチ系ソーシャルゲームの中ではこれに追随する豪華さのものはなかなかないだろう。
ゲーム内容としては魔界学園カタストロフィなど、ポケラボ系のゲーム内容ほぼそのままに見える。
が、奥義の継承(他のカードの特殊能力を奪える)、キャラクターとの親密度などの要素があり、今までのポチポチゲーより少し進化した内容になっているものと思われる。
何がスゴイと思ったかというと、プレイしていてライトノベルを読んでいる気分になれること。
マップから行き先を決めると、ストーリーが始まる(スキップすることもできる)。
その後にクエストが始まり、ひたすら画面をタッチするポチポチなのだが…。
画面の上半分でキャラクターの会話が行われ、ストーリーが展開するのだ。
そのやりとりがいかにもラノベ的な掛け合いで、ポチポチしている間にも退屈しないで読んでいられる。
吹き出しを読んでいる間にポチポチが終わって、終えたあとに残るのは「ポチポチしたなぁ」ではなくて「読んだなぁ」という感覚。
会話もストーリーの重要部分ではなく、キャラクター性が伝わるコントのような会話が続いているので「ストーリーをスキップした人も楽しめる」「ストーリーを楽しんでいる人はより楽しめる」といういいとこ取りもなにげにスゴイ。
下半分では自分のデッキのキャラクターが軽快に、声を出して動く。
さらにシンクロ率が上がり、ゲームが有利に進むようにもなっており、カードではなく、キャラクターとして扱おうとする姿勢が見える。
ストーリーを売りにしたもの、ポチポチしながらしゃべるポチポチゲーはいろいろあるが、読む意味があるクオリティで出してきたのは初めてのように思う。
先日、アプリゲットさんにチェインクロニクル、ソーシャルゲームの新たな可能性を示した魅力とは。を寄稿させていただいたが、その中で書いたとおり、今年ブレイクしたチェインクロニクルはキャラクターをより魅力的に作ったことで一段上のクオリティに達した面があると思う。
そして、このゲームもまた同じメソッド(に加えてUIの磨き上げなど基礎部分が素晴らしいのもある)でポチポチゲーのクオリティを1段階引き上げてしまった。
▲どんなキャラも、トップページで触ると複数ボイスでしゃべる!
SNSボーナスが強力で、Twitterなどがスパム的になっているなど自分の中では褒めたくない場所もあるが、全体としてみると序盤を触ってこれほどスゴイと思ったポチポチゲーはモバマス以来。
というより、ネイティブアプリでこれだけ物語の語り方が優れているゲームが初めてという方がいいか。
(ある意味で、ポチポチゲーではモバマスの時点でポチポチと物語を融合させることに成功しているし、フォロワーもいる)
ゲームキャストが特集したくなるゲームではないので今後取り上げることはないと思うが、ポチポチゲーの進化のを見てみる意味でアンジュ・ヴィエルジュは要チェックだ。
セガの中がどうなっているのかはわからないが、今後もチェンクロ。アンジュ・ヴィエルジュに続く弾が用意されているのだとしたら…。
ほとんどのコア向けソーシャルゲームジャンルをセガが制覇してしまう可能性すらある気がする。
今年のセガはいい意味で狂っとる…。
(GCドラゴン)
アプリリンク:
アンジュ・ヴィエルジュ ~第2風紀委員 ガールズバトル~ (itunes 基本無料)