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スクウェア・エニックスとgumi、『FFBE 幻影戦争』のガチャについて消費者庁より優良誤認で措置命令を受ける。発生から半年以上たつも、いまだ事件の詳細と再発防止策の具体は未発表

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消費者庁は、2021年6月28日、株式会社 gumi と株式会社スクウェア・エニックスが提供する『WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争(FFBE幻影戦争)』に対して、景品表示法に違反する優良誤認が認められたことから、措置命令を行ったことを発表した。
これを受けて、同ゲームの公式サイトではお詫びと説明のプロデュースレターが掲載されている。


発覚までの経緯は以下の通り。
2020年5月、『FFBE幻影戦争』のガチャ結果が偏っていると噂になり、この時期から特定の順番でガチャが当たる「ガチャテーブルがあるのでは?」と噂され、とくに大口の課金者の一部が警戒を強めていた。
11月14日に1周年を記念した各種イベントが始まるが、UR枠確定10連召喚(ガチャ)において同じ抽選結果・特定の順番でURユニットが当選しているプレイヤーが多く発生した。
有志によってガチャ結果を集めたところ、「ガチャはランダム抽選されているのではなく、決まった順番で排出されている」と濃厚に疑われていた。

『FFBE幻影戦争』では、同じキャラクターを引き当てて限界突破しなければ対戦で勝てないため、確率通りに均等にキャラクターが当選するより、確率が偏ってキャラクターが重複して当選した方がプレイヤーとしてはありがたい。
よって、このような行為はプレイヤーにとって大きな懸念となるため、当時は大いに騒がれた。

その後、スクウェアエニックスから発表があり、1周年記念のガチャで噂されていた通りの不具合があったことが発表された。
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一部召喚で発生した不具合及びその対応について –  

そして、半年以上を経て、この中から5件のガチャに正式な措置命令が出されたことになる。
これに対して、「FFBE幻影戦争」プロデューサーレターでは、下記のようにコメントしている。
弊社の意図したものではありませんでしたが、チェック機能の不全、並びに開発・運営を行っている株式会社gumi社内の審査・監督体制の不全による人的ミスにより実装されるという不具合が発生してしまいました。
さて、本件に関しては2つの問題点がある。

1つは、多数のゲームのパブリッシャーをし、さまざまなゲームで問題が起きているのに「チェック機能が不全」であるスクウェア・エニックスの問題。
実際のところ、消費者庁から措置命令を受けていない大小の問題はある。たとえば、この問題について書いた記事では2019年にも『刀使ノ巫女 刻みし一閃の燈火』にて「1年間ガチャの排出確率が間違っていた」というトラブルを起こしている。
スクウェアエニックス、『FFBE 幻影戦争』にてガチャイベント9箇所で不具合の発生を発表。ユーザー問い合わせにて発覚、今後対応進捗などを改めて報告

2つめは、プレイヤーが検証して報告するまでバグを認知しないスクウェア・エニックスの体質。
『FFBE幻影戦争』では、今回消費者庁に指摘されたガチャ不具合もプレイヤーが騒いでから対応された経緯があるが、起きた後も大きなバグが発生し、プレイヤーが検証動画を作るまで不具合を認めてこなかった過去がある。
スクエニの『FFBE幻影戦争』で運営が「影響なし」発表したバグに、目に見える影響があったことが発覚。ガチャ不正からわずか1週間後、プレイヤー独自検証で新たに発見される

こういった経緯があるにもかかわらず、依然としてチェック・監視体制がどのように変わったのか、具体的にどのような経緯で人的ミスが行われたのか(通常、ガチャの排出が順番になる不具合は意図的に実装されなければ発生しない)などの説明はなされていない。
今回のコメントからは gumi に大きな責任があるように聞こえるが、パブリッシャーとしてのスクウェアエニックスの監視体制には常々疑問を感じるところがある。
これを機会に、新しい体制が発表されることを期待したい。

関連リンク:
株式会社gumi及び株式会社スクウェア・エニックスに対する景品表示法に基づく措置命令について | 消費者庁
消費者庁による措置命令に関するお詫び – WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争 公式プレイヤーズサイト | SQUARE ENIX