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最後まで諦めずにエンタメを届けた開発者たちの奇跡。ゲームを越え世界を拡張した『スクールガールストライカーズ トゥインクルメロディーズ』- 終わったゲームを振り返る

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ヒットゲーム『スクールガールストライカーズ(スクスト)』のヒロインたちが、アイドルとして活躍するスピンオフゲーム『スクールガールストライカーズ トゥインクルメロディーズ(スクメロ)』。
リリース時に原作付きの意味がないし、ゲームも曲は良いがあと一歩評価したが、結局1年でサービスを終えるまで原作付きの意味がないまま終わった気がする。
だが、あのときとサービス終了までで1つだけ大きく変わったことがある。それは、私がこのゲームを好きになった、ということだ。まさか『スクメロ』を好きになるなんて、1年前は思いもしなかった。

このゲームの発表は、期待を持って迎えられた。
『スクスト』世界観ならアイドル設定も自然だし、最新の端末で動くヒロインだって見てみたい。争いが激しい原作のヒロインが、平和に暮らす姿も見てみたかった。
が、次の発表で雲行きが変わる。
『スクメロ』の主人公は新規のユニット“アプリコット・レグルス”だと発表されたのだ。
言い方は悪いが、今でもキャラが多い『スクスト』に、どこかで見たようなキャラクターを加える意味があるのか。
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さらに、レグルスの声優たちは声優・アーティストとしての本名をメインに押し出さず、キャラクター本人かのように活動するという。現実とゲームがリンクする流行の2.5次元アイドル。
私が2.5次元アイドルを好きでないのもあり、『スクスト』という原作を下敷きに金儲けのためだけに異物がやってくる。
そんな違和感を感じたし、ネットでもそんな声が上がっていた。
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▲Youtubeのライブ会場映像より。

もちろん、それだけでゲーム否定するわけもなく、リリースされれば遊ぶのだが……悪いことに、『スクメロ』はキャラクター映像においても期待を外してしまった。
3D映像においては2年前に『デレステ』が出ているから、それなり以上には期待されていた。しかし、出てきたのは競合ゲームと比べて見栄えがしなかった。
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静止画で見ると愛せなくもない(歯切れが悪い言い方)のだが、表情や姿勢に違和感を覚えるタイミングが多く、キャラの魅力が殺されていた。
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なかでも、メニュー画面や特定の曲の決めポーズなどで首の角度が妙なことになっており、不気味になっていることは多くのプレイヤーから指摘された。
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▲右端の首が……。

これは後々に細かい調整によって解消されていくのだが、原作付きキャラゲー・アイドルを愛でるゲームの初動としては致命的だったように思う。
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▲後から右端のキャラクターは右に視線を送るよう変更された。それで違和感が薄れるのだから、表現とは深い。

とはいえ、逆境の中(※)2017年8月31日に出た『スクメロ』の初期のダウンロード数は順調に見えたし、ゲームなんて面白ければすべての問題が吹き飛ぶ。
直前のスクエニを振り返ると、2017年6月22日『プロジェクト東京ドールズ』、7月26日『青空アンダーガールズ』と連続でアイドルモチーフゲームを出していて自社で食い合いしている状態だった。そこでDL数が伸びるのはさすが、TVCMも流した『スクスト』のスピンオフ。
ところでスクエニさん、自社で同じモチーフのゲームを連続で出すのやめません?
が、ゲームが終了した結果を見て分かるとおり、ゲームにすべてを吹き飛ばす力はなかった。
『スクメロ』のリズムゲームは『プロジェクトDiva』をスマホに持ってきたようなシステムで、画面内に次々と浮かび出るノーツをタイミング良くタッチするものだった。
画面押しっぱなしでノーツに指を重ねておくと、大量のノーツが反応して次々と消える仕組みが目新しく、慣れればかなり爽快感がある。
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▲なぞるだけで、ノーツがサクサク消える。

一方で、2本の指を使ってタッチパネルをなぞると指で画面が隠れるし、スマホの小さな画面では複数ノーツに指が重なって誤操作が多くなる。
良さも欠点もある、クセのあるシステムは『ラブライブ!』や『デレステ』が人気を得ている中で決定的な面白さを提供できていなかった。

エイベックスの協力も得た楽曲は良曲ぞろいでバリエーションもあったが、楽曲はいまどき良くて当然。人気曲のカバーまであって上等という状態。
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結果、『スクスト』の派生ゲームとして生きることもできず、キャラクターを愛でるアイドルゲームとしては『デレステ』に差をつけられ、リズムゲームとしては突出できず、競合が多い時代に生きられるゲームではなくなった。
バグも多く、プレイヤーは次々と離れていった。

そしてここからは私だけの話になるが、東京ゲームショウ2017で行われたアプリコット・レグルスのミニライブが追い打ちとなった。
率直に言って、下手だった。
現地で見て「息切れしてるじゃねーか!」と突っ込まずにいられなかった。

▲ゲームと同じ振り付けで踊りながら歌うので、単に下手というのは酷なのだが。

それでも、私だって通算で万単位は課金した隊長(※)だ。推しキャラ灰島華賀利が未実装だったので、それさえいい感じならキャラゲーとして楽しもうと思って、『スクメロ』の動向をじっと見ていた。
※隊長=スクストプレイヤー。ただし、スクストにおいて万程度の課金は最下層課金者
結局、灰島華賀利は実装されても、ゲーム内でヤンデレ属性が出なかったので復帰はしなかったのだが、あり得ないことが別の場所で起きていた。
私はゲームに復帰していないのに、なぜか『スクメロ』にハマっていたのである。
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▲キャラは可愛かった。頑張ってアプデしているのも伝わった

ゲームの外で、アプリコット・レグルスにハマっていたのである。
彼女たちは、ゲームが不調でもずっとゲームを応援し続けて、キャラになりきっていた。
Twitter を見るとメンテ延長に対して「完全にやってモーターカー」などと公式に突っ込みを入れ、フリーダムなエンターテイメントを提供してもいた。
すごい。逆境でまったくめげていない。本気でゲームと一体化しようとしている。

さらに2ヶ月後、『スクメロ』の放送で見た彼女たちのライブ配信では、彼女たちがわずか2ヶ月で明らかに上手になっていた。
前見たときは息が切れていたのに、声が聞き取れなかったときもあったのに、すごい進歩だ!


最初は「スクストのブランドを見込んで、よそ者がきた」ぐらいに思っていたが、このあたりから私はその姿を好意的に見るようになっていた。
そして、レグルスが2018年に1st アルバム発売するころには、歌もダンスも完全に成長したことを喜んでいた。アルバムは即座に買った。事故寸前のラジオ放送も聞いた。


気づくと『スクメロ』のプレイ時間よりラジオやライブ視聴時間の方が長くなっていた。この記事もそろそろレグルスについて書いている部分の方が長くなりつつある。
そう、スクメロとはアプリコット・レグルスのことだのだ!
最初に下手とか言って絶望してすまん、2.5次元アイドル、楽しいよ。むしろ、3次元部分だけ楽しんでるよ!
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▲アルバムのジャケット。Amazonより

また、コミカライズ担当の蒼井ひな太さんが定期的にイラストを投下する姿も見ていて応援したくなるものがあった。
そうして、私にとっての『スクメロ』は、ゲームの外にいるスタッフの頑張りを楽しむものとして拡張されていった。

ネットでも最初に邪魔者扱いされていたアプリコット・レグルス批判は落ち着き、応援の声が大きくなっていた(※)。私の身近にもファンができて、「声優と同じぐらいゲームも頑張ってくれていれば……」と話していた。
※もはやアプリコット・レグルスを応援していなければゲームの残っていなかったという方が正確かもしれない。あと、ゲーム開発も頑張ってはいたと思う。競合が強すぎた。
しかし、声優が頑張ってもゲームに競合ゲームを越えるウリがない状態は変わらない。
自分自身、『スクメロ』は好きでも課金する気にもなれなかったし、ただCDを買いつつゲーム人口が減る状況を見ていた。
そんな状況で当たり前のように『スクメロ』は2018年9月13日(木)13時をもって終了。アプリコット・レグルスも10/24(水)のラストライブを行う運びとなった。
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▲公式ページより。篠宮明佳里(富永美杜)さん、藤代 渚(秋田知里)さん、桐原香澄(宮崎珠子)さん、上月真央(鷲見友美ジェナ)さん、水沢 薫(馬場なつみ)さん、お疲れ様でした。ライブ後、次の活躍をお祈りしております。

今も、「どうすれば『スクメロ』は続いたのか?」とは思ってしまう。
開発会社のアールフォースは、前作である『ガールフレンド♪』の反省を活かして一定以上のゲームを作っていたし、アップデートもしていた。運営もそれなりだったと思う。そして、声優も漫画家も頑張っていた。
スクエニがアイドルゲームを3ヶ月連続で出さなければ良かったのか、最初からキャラが可愛く動けば良かったのか。

本気でゲームの生存を考えるなら、原作キャラを主役に据えていたら変わっていたかもしれないとは思う。
しかし、今になってみると『スクメロ』の本体はアプリコット・レグルスで、レグルスなしの『スクメロ』は考えられない。
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▲物語も演出も、UIもスクストというより『ラブライブ!』だった。最後までスクストの意味は感じなかった。

おかげで、私は 2.5次元アイドル嫌い派だった自分を変え、ゲーム外のスタッフの動きだけでもゲームを楽しむことを知った。
他のプレイヤーの感想は分からないが、私としては開発スタッフ、関連作品スタッフ、全員に感謝している、ありがたいゲームとしか言えない。

そんな『スクメロ』だが、実は終了時に楽曲を無制限に遊べるオフライン無料版へアップデートされた。本作は先に書いたとおり、十分に良いところもあるリズムゲームだ。
無料になって、スタミナなく無限に遊べて、プレイするとガンガン衣装が増える今の状態ならサービス中より楽しめるので、音ゲー好きの方は1度手を出してみて欲しい。
そして、ゲームを遊んでからライブ動画を見ると、ゲーム内と同じ振り付けで踊っていて楽しめるぞ!

アプリリンク:
スクールガールストライカーズ ~トゥインクルメロディーズ~ (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

 コメント一覧 (7)

    • 1. せっつ
    • 2018年10月09日 06:06
    • バトルオブブレイドとトリニティマスター、一本に絞っていれば、もっと人気があったのか、もっと人気の出るような何かをやれたのか、なんて考えたりします
    • 2. 管理人
    • 2018年10月09日 06:42
    • そこの予算を『フレイム&ブレイズ』に使っていればあるいは…
    • 3. 名無し
    • 2018年10月09日 08:51
    • ただアイドルにハマったって記事じゃないっすかw
      まあ、頑張ってる人は応援したくなるのが心理よね。逆境にあればなおさら。
    • 4. スクスト声優ヲタ
    • 2018年10月09日 10:01
    • 正直、商業的に成功する余地ってなかったと思います。
      スクエニのスマホアプリって、市場にすでに存在するアプリに、自社IPのがわだけを被せたものが多いじゃないですか?
      もちろん、そのIPが強力で、大手しかできない大量の資金投入があれば、合格点を与えられるクオリティのアプリができて、ユーザーが集まる時代ってあったと思うんですよ。

      だけど今ってもう、スマホのストレージに余裕がない人多いじゃないですか? 
      おまけに今更スクストで、しかもキャラ別でしょ? もう辞めたし、キャラ違うならいいやって思いましたよ(宣伝で声優推してたゲームだし)。
      スクストの謎すぎるタイミングでのアニメ化含めて、スクエニのマーケティング部門どうなってるんだろう、って思いました。
    • 5.
    • 2018年10月09日 12:46
    • 奇しくも本日スクストでリリースされた1キャラクターの誕生日イベントのほうが
      キャラ、モーション、楽曲、テキストの全てで上回っているのが何とも悲しい
      予算の桁が違うのかもしれないけど、一つでも抜き出たものがほしかったですね
      でもI Wishは名曲だと思います
    • 6. 名無し
    • 2018年10月09日 13:42
    • オフライン版を触ってみたけど、3Dモデルの違和感は未だ大きく、逆に2Dライブは問題なく楽しめた
      最初から3Dモデル切ってしまえば、曲も悪くないし戦えたのではと思ってしまう
    • 7. 魔
    • 2018年10月09日 23:58
    • 表情や姿勢に違和感というか
      表情や姿勢のクオリティが純粋に低い・・・

      「フレイム&ブレイズ」は見たことの無いタイトルでしたがこんなMOBAもあったんですねぇ
      バトル動画を見てパッと引き込まれないのでこれは多少予算を追加で確保したところでどうしようもない感じ

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