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オンラインゲームの終わり際の在り方とは。『ロード・トゥ・ドラゴン』、終了間際にプレイヤーを壮大に盛り上げる

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4月24日にサービス終了が発表され、「ラストクエスト」が実装された『ロード・トゥ・ドラゴン(以下、ロードラ)』に異変が起きている。
終わりを迎えるゲームは多少話題になるものだが、その範囲を超えた盛り上がりを見せようとしている。

多くのオンラインゲームの最後は、寂しい。サービスが終了するということは、利益が出ていないということ。利益の出ていないゲームに対して、会社は大きな力を注げない。だから、幕引きも寂しくなりがちなのだ。
しかし、それは企業の目先の利益を考えた理屈であり、プレイヤー達は納得しないまま現実に取り残されてしまう。ロードラは、それに対して1つの解を出そうとしているように思う。
2017年3月13日、ロードラのサービス終了が発表されると、ロードラのプレイヤー達はある種のあきらめに似たつぶやきが漏れた。
ここ1年はほぼ復刻クエストしか実施しておらず、実質停止状態だったからだ。
そういった状態への説明がないことについて言及するプレイヤー、ロードラに感謝を述べるプレイヤー、様々なプレイヤーがいたが、ある種の諦観に包まれていた。

が、3月27日にアップデートが行われ、ラストクエストが実装されて状況は変わり始めた。
ゲームを始めると、BGMが消え、フィールドの敵が消え去り、ステージラストに待ち受けるのは無機質なボスのみ。
世界の終末を感じざるをえない。
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そして、そういったフィールドを超えてラストクエストにたどり着くと、今まで旅を共にしてきた仲間たちがプレイヤーに別れを告げ、去っていく。専用のBGMも用意されていた。
1000以上のユニットに対してすべてお別れのセリフが書き起こされおり、その手間がロードラプレイヤー達を刺激し、過去に遊んでいたプレイヤーも巻き込んでロードラがプレイされ始めた。
その勢いは、ロードラがTwitterのトレンドに入る(一瞬だが)ほど。

そこにきて、公式Twitterで謎の発言を行い、「もしかしたら、ラストクエストをやり込むと何か起きるのでは?」と、プレイヤー達が盛り上がりを見せ始めた。
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現在、まさかのラストクエストと展開に盛り上がったプレイヤー達がレビューを投稿しはじめ、App Storeのレビュー欄はサービス終了手前なのに平均評価★5となっている。
果たして、この熱はどこに向かうのだろうか。
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「オンラインゲームが終了すると、何も残らない」
そんな意見をたまに見かけるが、少し考えればそのおかしさがすぐ分かる。
マイナーで、ビデオすら出回らなかった映画を見るとき、「その映画を見ても、何も残らない」と言うだろうか。見た経験は残るし、ときには人生に活かされるはずだ。
遊んだ記憶と経験はいつまでも残るから、ゲームだってその記憶を良いものにするため幕引きが美しい方が良い。

Wizrogue』では最終クエストが実装されてすべての期間限定クエストが解放された状態でサービス終了までを楽しく迎えられた。タイトーには感謝している。
Guns & Souls』は、最後にゲームを完結させて形を残した。やはり、スクエニはすごいな、と思った。

利益が出てなくなったゲームであろうとプレイヤーはいるし、過去に愛していたプレイヤーはもっといる。そんなプレイヤーに盛大な終わりを用意すると何が起きるのか。
過去にもロードラは先鋭的なアップデート(例えば、『Fate/Grand Order』よりも2年前に、期間限定の最終クエストを行っている)で話題になったが、最後の最後まで注目に値する存在になりそうだ。