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レビュー:アナタ図書館 アプリの質以前に、小説がひどすぎた

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タイトル アナタ図書館
ジャンル ミニゲーム付きノベル
価格 無料
アプリ内購入 あり(追加シナリオ1セット350円)
日本語対応 あり
販売元:スクエア/エニックス | Version:1.0 | GameCenter:なし | 対応機種:iPhone / iPod touch /iPad | レビュアー:トシ
評価:1.5(ひどい)
とりあえず電子書籍として読む分には快適
小説の内容が携帯小説レベル
ミニゲームのクオリティが低い
登場人物の情報を入力できるが、あまり活かされない
350円という価格のわりに追加シナリオもひどい。
『アナタ図書館』は登場人物の設定をプレイヤーが入力する短編小説にミニゲームがついたもの。
iグレイルクエストI・II』のように選択肢を選んでいくタイプではなく、『Imaginary Range』タイプのお話+ミニゲームで、基本は一本道。
開発はDSでヒットした『押忍!闘え!応援団』、iPhoneでは『Infinity Brade Cross』を手がけているiNiS。

まず、読みたい本を選ぶ。
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続いて登場人物の設定を入力する画面へ。
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すると、この通り小説の中にそのまま登場する。
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ときおりミニゲームが挿入され、クリアすることで先にすすめる。
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左右のスワイプでページをめくり、機能は文字のサイズ調節ぐらいだが十分に見やすく、簡易ながらも電子書籍としては十分見られるぐらいになっている。
アプリの機能としては十分に感じたが、それ以外はひどい。

まず、小説の中身がひどい。
初期に提供されている恋愛小説は、北斗の拳のケンシロウのような性格の男が恋人を取り戻す話(いや、本当に敵に対する態度とかが…)。
この時点で突っ込みたくなるが、それに加えて展開が行き当たりばったりの適当すぎで突っ込む気力も失せるレベル。
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途中に挿入されるミニゲームもクオリティが低いだけでなく、「式場の場所がわからない!」という流れから「式場」という文字を探す探しものゲーム(?)が始まるなど、もともとあるかナシかの小説の雰囲気をさらにぶち壊す。
個人的に酷かったのはサイコロで4以上を出せなければゲームオーバーというもので、本当にサイコロを振るだけで4以上が出るまで5回もやり直しすはめになった。
なんだ、これは。
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登場人物を設定しても変わるのは名前ぐらいで、「女」と入力しても主人公の一人称は「俺」のままだし、恋人の口調も変わらず設定は生かされない。
レベルとしてはインターネットの黎明期に見かけた、CGIで主人公の名前を変えられるアレ。

こんなクオリティにもかかわらず、初期にある「恋愛」小説以外は350円で追加購入する方式。
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さすがに有料版が、これと同じクオリティなわけはないだろう…と思って購入したものの、やはり15分程度で終わる適当な短編小説に、ひどいミニゲームがついていた。
もっと出来の良いミニゲームとストーリーの『Imaginary Range』は同じスクエア・エニックスから出ているのに無料だし、350円あれば普通の電子書籍が1冊買った方がはるかにいい。
少なくとも「ファンタジー」「サラリーマン」の項目は地雷(それ以上はさすがに試す気力がわかなかった…)。

アプリの操作性や見た目は悪くないが、肝心の中身がひどいのでまったくおすすめできない。
が、恋愛編は無料なのでこのひどさを体験したい方にはうってつけ。
今月出た『ボーダーウォーカー』によって「クソゲー大賞はこれかな?」という認識が生まれたのもつかの間、あらたな大物がっかりアプリがもう登場してしまった…。

アナタ図書館の詳細・DLはこちら(itunes)