2023年9月12日に公開され、「過去にさかのぼって一定条件を達成していると、インストール数に応じた追加料金を徴収する」として開発者を混乱に陥れた新料金体系Unity Runtime Fee(以下、ランタイム料金)。
本日Unityはオープンレターを公開してこれについて謝罪し、新たな料金体系について発表した。
新しい条件は以下となる。
・ランタイム料金は、2024年以降に出荷されるUnityの次のLTSバージョンから適用され、新バージョンのUnityを利用しない限り新料金は適用されない。
・売上の2.5%を分配するか、毎月ゲームに参加する新規エンゲージメント数に基づいて計算された金額のいずれかを選択できる。
・売上と新規エンゲージメントはユーザーが自己申告したデータを利用し、低い方の金額が請求される。
・売上と新規エンゲージメントはユーザーが自己申告したデータを利用し、低い方の金額が請求される。
・直近12か月間の収益が100万ドル(約1億4,830万円)未満のゲームはランタイム料金の対象にならない。
・Unity Personalが使用されたゲームにはランタイム料金が発生しない。
・Unity Personalが利用できる収益の上限を100,000ドルから200,000ドル(約2,966万円)に引き上げる。
・Unity Personal利用時、「Made with Unity」表示の義務を削除する。
まずまずのようには思える。
気になるのはインストール数の代わりに登場した「新規エンゲージメント数」という新しい単語だが、おそらくこれは「インストール数をとることは技術的に不可能」であること指摘されたため、「新しく起動された数」のようなデジタルに集計しやすい概念だと思われる。
今後詳細がまた明らかにされるというので、まずはそれを待つことになるだろう。
評価できるのは、過去にさかのぼってUnity Runtime Feeを強制する契約の上書きがなくなったこと(これは当たり前だが)。
また、売上の2.5%か、新規エンゲージメント数は開発者の自己申告になり、いずれかの低い方が使われるという点だ。Steamなどの管理画面などのプラットフォーマーが管理する売上データを提出するのであれば、海賊版の売上分を支払わせられたり、売上を超えるエンゲージメント数を強制されることもなさそうだ。
シート料金については改定されていないので値上げには変わりない。
とはいえ、Unityはこれまでずっと赤字を続けており、値上げ自体はどこかで行わなければならないと予想されていたので、インパクトの低い値上げにとどまったのではないだろうか。
また、無料で使用しているPersonalユーザーには大きな恩恵も生まれた。
世間ではGODOTなどの新規エンジンが注目を浴びているが、実際のところ機能やコミュニティの深さを考えるとそうやすやすと代替できる環境などできない。
当面の間、Unityを利用する予定の開発者の助けになる発表と言えるだろう。
世間ではGODOTなどの新規エンジンが注目を浴びているが、実際のところ機能やコミュニティの深さを考えるとそうやすやすと代替できる環境などできない。
当面の間、Unityを利用する予定の開発者の助けになる発表と言えるだろう。
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