ある晴れた日、私は天使に出会った。
信じられないかもしれないが、それは翼の生えた人の姿で
「美しかった」
私はこの天使を飼いたいと思い……。
背徳的な文章から始まり、絵の演出と文字が一体化してジェットコースターのように進み、一瞬で終わる。
何時間も遊ぶゲームが連載漫画だとすると、『天使の飼い殺し』は瞬時に強烈なインパクトを与えて終わる読み切り漫画のような作品だ。
数分で終わる本作だが、それでもその魅力は紹介できる。
まず印象的なのは透き通るような印象の天使と、ドット絵。
当サイトでも過去に記事にした『僕を殺す瞳』など、魅力的なドット絵の女性を描いてきた作者の強さが存分に発揮されており、こういった解像度高めのドット絵世界が好きなら本作は間違いなくお勧め。
そして、もう1つ。
平面的なドット絵の演出を超える演出力。
文章と映像が同時にプレイヤーに襲い掛かり、物語をぶつけてくる。
数分のゲームではあるが、すべてのシーンが印象的なカットになっており、画面が切り替わるたびに驚きがある。
全体のストーリーとしてはあとひとひねり……とは思った(というか、そこもすごかったら大ヒット作品だったと思うのでないものねだり感はある)が、少しの時間で摂取できるエンタメとしては大満足。
単に文字を見ているだけなのに、文字送り=プレイヤーが物語を進めてみている感覚があり、プレイ中の没入感は驚くほど高い。
たった数分で終わるので、ちょっと空いた時間があればぜひ本作を試してみて欲しい。
プレイ動画:
概要:
天使を飼ってみる短編ノベル。数分で終わるが演出が秀逸。評価:7(要チェック)
おすすめポイント
+ 美しく、同時に不穏さを感じるドット絵
+ プレイヤーを引き込む演出
+ 短時間で終わる
気になるポイント
- オチはちょっと弱い(が、大きな欠点とは思わない)
アプリリンク:
アプリリンク:
天使の飼い殺し (ブラウザ 無料)
開発:よなき(日本)
レビュー時バージョン:1.0
課金:なし
ライター:寺島壽久(ゲームキャスト トシ)
ゲーム紹介サイト、ゲームキャスト管理人でゲームライター。
アクション、新しさのあるゲーム、旅を感じるゲームが好き。
Twitterでも情報発信中。