プレイヤーはそれを眺める。
静かな風景をずっと眺めていたくなる、心落ち着く放置・コーヒー焙煎ゲームが『ふしぎの森でコーヒーを』だ。
開発者は、イラストを描くことが好きなインディーゲーム開発者ふじたかしさん。
大人向け絵本の挿絵のような、どこか郷愁を誘う絵柄も相まって素晴らしい雰囲気ゲームとなっている。
本作の主人公サチは、地方都市に住む、すこし疲れ気味の会社員。
週末になると郊外の丘公園に一人でコーヒーを飲みに行くのだが……。
週末になると郊外の丘公園に一人でコーヒーを飲みに行くのだが……。
あるとき、駐車場で熱が出たかと思うと不思議な森に迷い込んでしまう。
その森は夜が明けない不思議な場所で、外に出ることもできない。
困りはてたサチの目の前に魔女が現れ、「コーヒーの実をたくさん集めれば森から出られる」と語り、サチにコーヒーの木を育てる術を与える。
困りはてたサチの目の前に魔女が現れ、「コーヒーの実をたくさん集めれば森から出られる」と語り、サチにコーヒーの木を育てる術を与える。
最初は戸惑っていたサチも、「これは夢ではないか、ならば楽しもう」と落ち着き、不思議の森のキャンプを楽しむことにするのだが……。
というのがあらすじ。
ゲームシステムとしては、コーヒーの実を埋め、それが育ったタイミングで収穫する放置・収穫のシンプルなゲームだ。
だが、そういった放置・収穫の面白さが本作の魅力ではない。
だが、そういった放置・収穫の面白さが本作の魅力ではない。
本作の魅力は、冒頭で語った癒やしの空間だ。
静かな森の様子、たき火の効果音。
静かな空間の演出が素晴らしく、見ているだけで落ち着く。
画面のボタンなどを消す“ビューモード”を使えば、PC などの横にスマホを立てかけて音だけで楽しむ環境アプリとしても使える。
そして、気が向いたときだけ収穫しても良い。
また、たき火をタップしてコーヒーの実を焙煎し、サチをタップすると焙煎された実が小気味よい音と共にグラインダーで削られ、一連の動きがすべてアニメーションで楽しめる。
コーヒーには栽培・収穫で体力を使い果たしたサチを回復する役割もあるが、これもまた雰囲気盛り上げに一役買っており、体力が満タンでもその様子を見るためにコーヒーを飲ませたくなってしまう。
『ふしぎの森でコーヒーを』、この空気感、コーヒーを焙煎して削るグラインダーの音がたまらない。https://t.co/03uI0gVy9M pic.twitter.com/nvEahYfeZc
— 寺島壽久/ゲームキャストの中の人 (@gamecast_blog) January 12, 2022
そうこうしてコーヒーの実を集めていくと、キャンプ用品を買ったり(見た目だけで効果はなにもない!)、物語を進めて“花トロル”や究極のフィッシュバーガーを追い求める“グルメねこ”など、少し不思議な住人達と出会い、物語が進み、サチも癒やされていく。
放置系ゲームには長時間のプレイを要求するモノもあるが、コーヒーの木は1分もしないうちに育ち切り、すぐ収穫でき、ゲームも速いペースで進んで終わる。人によると思うが、ゲームの物語がおわるまで1日程度だろうか。
さっと異世界に迷い込み、少しふしぎな体験をして帰る……アニメ『千と千尋の神隠し』を見終えたかのような気持ちで終わった。
読書しながら、仕事 PC のわきで、作業のお供に環境アプリとして起動し、コーヒーを入れてから本作を遊ぶと雰囲気がさらに出るのでぜひ試してみて欲しい。
動画:
概要:
夜が明けない森でコーヒーを育て、雰囲気に浸るゲーム。評価:7(要チェック)
おすすめポイント
+ 静かで落ち着く環境アプリ
+ 絵本のような挿絵と物語
+ コーヒーを飲みながら眺めるとさらに良し
気になるポイント
- とくになし
アプリDL:
ふしぎの森でコーヒーを (App Store 無料 / GooglePlay 無料)
開発:ふじたかし(日本)
公式ページ:http://21f.jp/game/fushigi/
レビュー時バージョン:1.02
課金:なし
ライター:寺島壽久(ゲームキャスト トシ)
ゲーム紹介サイト、ゲームキャスト管理人でゲームライター。
アクション、新しさのあるゲーム、旅を感じるゲームが好き。
Twitterでも情報発信中