韓国でAppleとGoogleのアプリストア独占決済に制限を設ける法案が国会通過。Appleはユーザー保護などを理由に反論
Epic Games が Apple と Google を独占禁止法違反で訴えて以来、App Store と Google Play の寡占状況はたびたび話題になるが、韓国においては Apple と Google の敗北という形で転機を迎えるかもしれない。
韓国国会の法制司法委員会にて、広範な市場を支配する Apple と Google に対してアプリ内決済方式の強制を禁止する電気通信事業法改正案が8月24日に承認された。
Apple と Google はそれぞれに自社 OS 内で独占的な地位を誇るアプリストアを持っており、各ストア内でアプリを提供しているアプリメーカーは、最大30%の手数料がかかる Apple / Google の独自決済使用を義務づけられていた。
しかし、この改正案が通った場合は各社が独自に決済を採用が可能になると言われている。
改正案は8月25日中にも国会で最終採決が行われる見通しとされていたが、本日になって採決は延期。
ただし、国会議長は会期中(8月31日)にすべてが決定されるとしている。
スマートフォンは代替が難しい生活基盤品であり、これについて Apple と Google は独占的な地位を利用して競争を阻害し、消費者に不利益を与えているのではないかと言われている。
実際、2020年には Epic Games による App Store 独占を排除する提訴があり、Spotify や Facebook もこれを支持する意見を表明し、欧米でも規制を検討する動きが強まっている。
この法案が通れば、世界で初の国による規制にとなり、開発者は手数料が下がり、消費者はより安価にアプリやサービスがうけられる可能性がある。
一方、スマートフォンには独占的なストアを前提で作られている部分があり、単純な規制は問題に繋がる可能性もある。
チェック機能を持つ独占的ストアでアプリを管理することでセキュリティを保ったり、さまざまなプライバシーコントロール機能を提供したりと、消費者保護機能などもそこに組み込まれているからだ。
実際、Apple は本法案に対して、App Store 外でデジタル商品を購入するユーザーが詐欺にあうリスクが高くなり、プライバシー保護機能、ペアレンタルコントロール機能が弱体化され、韓国のアプリ開発者の機会損失に繋がるとして反論している。
(Googleは現在のところコメントを発していない)
規制は成立するのか、成立したとして各社どのような対応を取るのか。
隣国のことながら目が離せない改正になりそうだ。
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