本日6月10日にサービス開始となり、プライバシーポリシーに「マイナンバーと銀行口座」取得に関する項目が存在して話題になった MMORPG 『二ノ国:Cross Worlds』。
その規約が同じく6月10日付けで完全に刷新され、マイナンバーなどに関する記述が一切削除された。
こちらはリリース時の iPad で閲覧した利用規約。
画像を拡大すると「2021年06月09日全面改定」とある。
そして、こちらが2021年6月10日16時時点のもの(画像はAndroidのため、サイズが上と異なる)。
2021年6月10日全面改定とされている。
そして、スクロールしていくとマイナンバーや銀行口座の記載はなくなっている。
「ゲームを遊ぶと、良くない情報が抜き取られるのでは?」と思わせる文言だったので一般向けには良くない文章だっただけに、改訂して正解と言えるだろう。
さて、もう1つここで書いておかなければならないことがある。
私自身、最初は「これの文言はおかしいのでは?」と叫んでいたが、実際はそうではなかったということだ。
旧規約を抜粋していくと、下記のように書かれている。
● お客様からご提供いただく個人情報
当社は、サービスの提供のためにお客様の個人情報を収集します。
● 収集する情報:氏名、住所、メールアドレス、電話番号、銀行口座番号(通帳の写し)、TIN(マイナンバー) など
● 収集期間・方法:ゲーム及びウェブサイトの利用、商品の購入(決済)、イベントもしくはプロモーションへの参 加などのサービス利用時にお客様が入力
(中略)
「BTS Universe Story クリエイターサービス」をご利用の場合、当社はお客様の氏名、TIN(マイナンバー)、メールアド レス、アカウント情報などを収集します。これらの個人情報は「クリエイターへの収益の支給」のために収集され、個人 情報の収集に対する同意を得た上で行われます。個人情報の収集はお客様が自ら個人情報を登録し、収集に同 意した場合に行われます。お客様は個人情報の収集を拒否するか同意を撤回することができますが、それによりサー ビスの利用に支障が生じることがあります。
重要なのは「イベントもしくはプロモーションへの参加などのサービス利用時にお客様が入力」とされていることで、マイナンバーなどは高額金銭授受を伴うプロモーションのときは必要になり得る。
スマートフォンからマイナンバーなどの情報を自動で引き抜くことはありえないので、そういったものを想定していたと考えれば納得いく。
また、Netmarble は『BTS Universe Story』でプレイヤーがストーリーを創作して配布し、その人気次第で収益として還元される仕組みを作っており、これも当然金銭が支払われるので銀行口座やマイナンバーが必要になる。
つまり、誤解を招きやすい書き方だが、Netmarble 全ゲームに関わる共通プライバシーポリシーとしては、改訂前から問題がないものであった。
しかし、『ニノ国』に関係ない文言も混じり、個人情報の利用ケースをわかりやすく、細かくことを怠った誤解を招きやすい文章で、一般の方が誤解しても責められない文章でもあった。
そこで、問題となり、今回 Netmarble が規約改定に動くことになったのだと思われる。
私自身は業界の端くれにいる身でありながら誤解し、ツイートしてしまったことについて今回は Netmarble に申し訳ないことをしてしまったと思っている
Netmarble さん、申し訳ございませんでした。
ツイートと記事で合わせて訂正し、お詫びいたします。
追記:
いくつか質問が来た項目について、回答しておきます。
・規約に大韓民国法準拠とあるが問題ないのか?
海外のゲームの規約を見れば、大抵運営元の国が基準となっています。
Supercellはフィンランド法だし、Apex は EA の存在する連邦法を適用するとあります。つまり、韓国のゲームが韓国法に準拠すると書くのは一般的なことです。
ただし、今の書き方は威圧的でよくないな、とは思います。
・アカウントを削除しても個人情報を保持するとあるが、問題ないのか?
なりすまし削除から復活、そのほかの手続きに関わるトラブルを解決するため、ほとんどの会社は情報を保持します。
サイゲームスなども含む日本の多くのソーシャルゲームの規約でも、個人情報については削除しないか、削除時期を明示していないはずです。
アプリリンク:
二ノ国:Cross Worlds (App Store 無料 / GooglePlay 無料)