「迷宮にいるうちに記憶が消えていったんだね。
でも大丈夫。苦痛や悲しみも、そのうち全部忘れるからね」
今日紹介するゲームは、癒やしと毒が入り交じる世界観を特徴とする開発者、キノコ野郎・タケハタさんの『魔界迷宮ポケットRPG』だ。
本作は魔界のダンジョンに挑むパズルRPGだが……遊んでみると、どうも雲行きが怪しい。
奥に進むほど人間の記憶を奪うという魔界の特性により、あなたは自分のやるべきことを忘れてしまっているのだ。
魔界の住人は、あなたが結婚指輪を作るため、ダンジョン最奥の宝石を求めてやってきたと言う。真偽はわからないが、あなたはそれを信じてダンジョンに挑むしかない。
「君のことは何でも知っているよ。
プロポーズしたい相手がいるんだよね。
指輪を作るのに、宝石が必要になった。」
本作は、荷物を押して特定の場所に移動させる『倉庫番』のようなパズルを解いてダンジョンを進み、ときに魔界の住人と戦うパズルRPGだ。
ダンジョン内での操作は十字キーと、階段使用ボタン（Aボタン）、そしてフロアのリセットボタン（Bボタン）の2ボタン。
登場人物との会話、ブロックを押す操作は十字キーで体当たりするだけとなっている。
ダンジョン内には、魂型のオブジェがあり、これにぶつかるとバトルが始まる。
バトルはコマンドバトルで、あなたが1回攻撃を行うと、攻撃した相手だけが反撃を行う仕組みとなっている。
敵を倒すと”マナ”が手に入り、HPがなくなってしまうと地上からやり直し（ただし、能力や進行状況は残る）。
手に入れたマナは地上にいるハートの精に渡してキャラクターを強化したり、魔法を覚えることができる。
これがゲームシステムのほぼすべてで、パズルを解いて進み、戦って強くなり、またパズルを解く……というのが『魔界迷宮ポケットRPG』の概要である。
難易度はとても簡単で、パズルはダンジョンを進むだけならほぼ解かなくて良い。
複雑なパズルはダンジョン内に配置されている宝、♥（最大HPを上げる）や★（攻撃力を上げる）を守るために設置されており、これを取得したければパズルを解く必要はあるが、宝はとらなくてもゲームは攻略可能。
▲♥を取りたければパズルを解くしかないが、無視して階段に直行しても良い
ダンジョン奥の敵はどんどん強くなるが、マナもガンガン手に入るのですぐ強くなる。もしバトルで負けても、2分もレベル上げ作業をすれば倒せない敵はいない。
パズルは解く必要がない、バトルは簡単。ところが、そんなゲームが楽しいのかと聴かれれば「楽しい」というしかない。
なぜなら、本作の魅力は、キノコ野郎・タケハタさんが紡ぐ世界観にあるからだ。
ダンジョンやパズルは魔界の雰囲気を出すために欠かせないもので、簡単でも障害を排除して進み、その先にあるテキストを読むのが楽しい。
1プレイは作者の想定では15分（おそらく、パズルを飛ばしてプレイする前提）、私が実際に遊んでみて宝を全部っても45分程度。
自分の記憶も、魔界の住人の言うことも信じられない、不安な世界をもう少し感じていたかったが、ゲームはすぐに終わってしまった。
少し食い足りない気もするが、飽きる前に終わるという意味ではちょうど良いぐらいか。
この記事を見て、テキストが気になったら、おそらく『魔界迷宮ポケットRPG』は楽しめると思うので、ぜひ遊んで欲しい。
「ボクにも好きなコがいたんだ。でも人間に食べられた。どんな味だったの？」
プレイ動画：
概要：
独特のテキストが光るパズルRPG。難易度は簡単
評価：7（要チェック）
おすすめポイント
簡単でもテンポ良く、作業が楽しい 意味深なテキスト気になるポイント
特になしアプリリンク：
魔界迷宮ポケットRPG (GooglePlay 無料 / PC 無料)
開発：キノコ野郎・タケハタ（日本）
HP：https://mobile.twitter.com/takevabu
レビュー時バージョン:1.0
課金:なし
ライター：寺島壽久（ゲームキャスト トシ）
ゲーム紹介サイト、ゲームキャスト管理人でゲームライター。
アクション、新しさのあるゲーム、旅を感じるゲームが好き。
Twitterでも情報発信中。
