8月23日、Epic Games が Apple を訴えた訴訟のなかで新たな裁判文書を提出され、Apple の措置によって Unreal Engine の開発が阻害されることへ、マイクロソフトが懸念を示す文書が示された。
この訴訟は、『フォートナイト』が Apple の規約に違反したことでストアから削除され、その後に Epic Games が規約自体が独占禁止法違反であるとして Apple を相手取って訴訟を起こしたもの。
Apple
は現在、Epic Games に対して規約を遵守しないかぎり8月28日までに開発者アカウントを停止すると警告している。
これが実行されればゲーム開発で大きな地位を占めるツール
Unreal Engine を iOS / MacOS 向けに開発する際に必要なツール群へのアクセスが遮断され、Unreal Engine の両
OS でのサポートが難しくなるため、Epic Games は開発者アカウント停止措置の差し止めを裁判所に求めていた。
マイクロソフトの文書は、この差し止めについて支持するものとなる。支持書のなかで、Unreal Engine はマイクロソフトを含む多くのゲーム制作者にとって広範な技術をカバーする重要なものであり、iOS を含むマルチプラットフォームエンジンとして代替となる存在がほとんどないと指摘。
ゲーム開発においては特徴を考慮して使用するエンジンを選択しており、Unreal Engine が使用できなくなると iOS / macOS を捨てるか、Unreal Engine 以外を選択するか選ぶ必要が出てくる(※)。
※Unreal Engineの機能が必要なら iOS / macOS を捨て、代替がコストに見合えば他のエンジンを選ぶ、というニュアンスだと思う。
とくに開発中のプロジェクト・開発済のプロジェクトを他のエンジンで開発する必要性がうまれ、法外なコストがかかってしまい、問題があるという。
また、Unreal
Engine を使用したゲームもバグ修正が行われなくなり、Unreal Engine を利用したゲームが iOS と macOS
ではリリースされなくなってゲーマーコミュニティが分断されてプレイヤーも被害を受けるとしている。
本件は8月24日(現地時間)に初公判が行われる。
Apple は、先だって提出した裁判文書の中で「Epic Games は、アカウントが停止される可能性があることを承知していた」としているが、果たしてどう反応するだろうか。
関連リンク:
statement_support_microsoft.pdf