ゲームをオンラインで実行し、プレイヤーは高速ネット回線を通じてその映像を受け取るだけ。
端末性能に依存せずにリッチなゲームを遊べるゲームプラットフォームとして期待が寄せられるクラウドゲーム。
これは5Gの高速通信が普及したあとに有力なゲームプラットフォームとなることが期待されており、GoogleのStadia、マイクロソフトのxCloud、ソニーのPlayStation Nowなど、多くのプラットフォーマーがサービスを展開し、スマホでも遊べることを歌っているが……iOSではそれが当分、楽しめないかもしれない。
Appleの規約により、xCloudなどのサービス提供が難しいことがわかってきたのだ。
マイクロソフトは8月、9月1日まで予定していたxCloudのiOS版のテストを打ち切った。
iOS版のxCloudの準備がスムーズでないことは、誰に目にも明らかだった。
xCloudはマイクロソフトが提供する多数のゲームが遊び放題になるサービスだが、Androidのテスト版が多数のゲームを遊べるのに対して、iOS版は『Halo: The Master Chief Collection』のみが提供される機能制限バージョンとなっていた。
これに対して、AppleはBusiness Insiderの記事にてコメントを出している。
短くまとめると「アプリについては、顧客保護と平等な競争をもたらすためのガイドラインが定められており、これに基づいて平等に審査され、ガイドラインを満たす限り必ず公開される」という意味になる。
App Storeに提供されるアプリは、すべてAppleの審査を受けなければならない。
しかし、クラウドプラットフォームで随時ゲームが追加されていくと、Appleはゲーム内容を審査できない。
だから、クラウドゲームアプリは単一のゲームを扱うようになる。
たとえば、過去にもiOS向けクラウドゲームサービスは『Final Fantasy XIII』のように単一ゲームを配信するものとなっている。
つまり、xCloudやStadiaのようなサービスは「単一のゲームごとにアプリをわけて配信するなら審査できるのでOK」というのがAppleのスタンスと考えられる。
▲厳密に言うと、スクウェアエニックスのDive-inは複数のゲームを提供していたが、決済システムの改修が上手くいかない(Appleの規約に沿えないことを表現していると予想される)ために終了し、その後は単一ゲームを提供するクラウドサービスに移行している)
なるほど、すべてが平等か……とも思えるが、実際は違う。
HuluやNetflixのような映像配信アプリはAppleの審査なしに番組を放映できるし、Youtubeもまたそうだ。ゲームがその例外から外れるのは不公平とも考えられるだろう。
未来を見据えると、世間的にクラウドゲームが普及してAppleが折れたり、リモートデスクトップアプリのように例外規定を設けて部分的に認めるなどの変化は期待できる(iOSにおいては、Steamアプリはリモートデスクトップアプリの一種として配信されている)。
だが、いずれにせよiOSユーザーは当面、クラウドゲームの恩恵にはあずかることができなさそうだ。
アプリリンク:
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