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『青ガル』はいわゆる学園アイドル系のゲームなのだが、他のゲームと被らないテイストのアイドルイラストもかわいいし、3Dモデルもそこそこイケている。
VR機能で(2Dでも見られる)立体的に立ち位置を変えて見回したり、衣装を細かく変えたりもできて、大人気と言わずとも期待度は結構あった。
青ガルのダンスシーンは本当に良いんですよ。定番だけど、この恋のカトレア通りのステップと躍動感。今ならオートでレベル上げとけばフリーライブで見放題。
— ゲームキャスト@メギドは応援したい (@gamecast_blog) 2018年8月31日
この映像力を無駄にした無念さ。まだ間に合うのでフルで見て pic.twitter.com/EXhL72cZCM
ここでは学園内でアイドルグループとして活動する“学園アイドル”活動を通じたアイドル育成を行っており、学園内の観客動員やライブ評価を競うことが一般化している。
学園アイドルグループにはプロデューサーと呼ばれる顧問がついており、プレイヤーもまたその1人として活動する。まあ、顧問の先生的な立ち位置と思えばいい。
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▲個人的に一押しは忍者アイドル。ガルフォード以来、金髪外国人忍者枠に弱い筆者。
この舞台設定が秀逸で、アイドルグループを作りたい学生プロデューサー(プロデューサー志望の学生が大人の補助について学ぶこともある)による他のグループへの引き抜き、潰しあいなどの強烈なイベントを描きつつも、あくまで学生活動だから暗くなりすぎない。
学園アイドルグループ間で激しく競争が行われるスポ根ドラマが成立していたのだ。
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例えば、社会人アイドルとして活動するとあまりにご都合主義な「アイドル辞める」「やっぱり戻ってきて許される」展開だって学生の部活動なら不自然ではない。中高生の多感な年代なら、そんなことは何度でもある。
憧れのアイドルだって同じ学校の学生だし、何度でも衝突して、自然に仲直りできる。
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こういった「アイドルが大勢」作品では登場人物が多すぎて物語が散漫になりがちだが、『青ガル』では必要に応じて少しずつアイドルが登場するので一貫した読み物として楽しめたのも良かった。
あまりにゲーム部分が微妙でゲームからリタイアしてしまったが、「いつか物語を全部まとめて読みたい」と思っていた。
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▲レッスン要素は必要だったのか不明だったけど
『アイカツ!』のハ・ン・ド製作とあれば一定の期待度があるし、リリース直前には男性声優の中田譲治さんがアイドル役の声を担当することがネットで大いに話題になり、注目度もかなり高かった。
男性声優の演じる女性アイドルとは……!?
▲デレステより早く出た『アイドルクロニクル』。技術的欠陥がなければ……いや、全体的に厳しかったか。
と、まずまずの話題性な『青ガル』であったが、驚くほど人気がでなかった。色々要因は考えられるが、まずは環境の困難があったと思う。
アイドルものゲームに飽和感があるなか、同じスクエニがアイドルものゲーム『プロジェクト東京ドールズ』(しかも結構面白い)を『青ガル』の少し前にも出していた。
もはやスクエニファンであってもアイドルゲームはお腹いっぱいという状態。
▲自社ゲームすら倒すスクエニドミナント戦略恐るべし。
また、中田譲治さんが演じるアイドル“火神栞歩”が初期はプロデュースできず、話題を聞いて押し寄せたファンががっかりする反応もあった。
良い演技をしていたし、ネタとしても面白かったのに……!
そういえば、青空アンダーガールズで中田譲治さんが女子アイドル役をやってるんですけど、その時のお仕事がこれになります。
— ゲームキャスト@メギドは応援したい (@gamecast_blog) 2018年8月31日
この頃は中田さんが調停者(プロデューサー)になると思わなかった pic.twitter.com/5DAkRgoJ8P
そして何よりもメインとなるライブバトルの大欠陥。
本作のメインゲームは学園アイドルのパフォーマンスを競う対戦ゲームで、3Dのライブに合わせて多少の戦術を考えてスキルカードを使用するゲームになっていた。
ライブバトルが始まると、背後で3Dのアイドルたちが踊り始める。だその姿に欺されてはいけない。彼女たちは踊っているように見えて、カードのパラメーターで殴り合いをしているのだ。
ライブ中は時間と共にコストがチャージされ、コストを消費して右下のカードを選択するとアイドル達のパフォーマンスが炸裂する!
このとき、対戦相手とプレイヤーが使用したスキル属性の相性によってスコアが変化して蓄積される。
ただ強いカードで編成するだけでなく、相性の読み切ってスキルカードを出す順番を考えるゲームになっていた。
▲右下の数字付きカードを出しまくるのだ!
スキル演出は3D映像で表現され、ライブ中にプレイヤーと対戦相手が交互にPRして競っている画は、パフォーマンスを競うライブを想起させる作り(やや褒めすぎな表現だが)。
ところが、文字で書くと分かりやすい「相性の読み合ってスキルカードを出す順番を考えるゲーム」は、遊んでみると致命的に分かりづらかった。
相手が使うスキル属性を読んでカードを出すゲームなのに、相手の所持するスキルを読むのは困難。
ダメージ計算も分かりづらく、上手にプレイしたから勝てたのか、カード能力で勝ったのかも推し量れない。「なんとなく遊んで、なんとなく勝ったり負けたりする」理解不能で気持ち悪いゲームだったのだ。
ネットを検索しても「青空アンダーガールズのシステムが分からない」という記事ばかりだし、企業攻略サイトが説明を避けるほど理解不能。スマホゲーム歴9年程度しかない私でも、なんとなく理解するのに10日かかった。
好みはあれど楽曲、イラスト、3Dキャラは全部そこそこ以上。ダンスは素晴らしいし、物語は最高に好みだったからだ。
そして、そんな私に朗報がやってきた。
『青空アンダーガールズ』初代が実質終了し、ゲーム部分に大幅なてこ入れが入った『青空アンダーガールズ! Re:vengerS(リベンジャーズ)』として2018年8月29日に再始動するという。
このゲームは可能性の獣。メインシステムが変われば希望がある。
喜び勇んで復活し、あの学園世界はどうなっているのかな……あ!?
誰……キミ。
続いて明かされるプレイヤーの姿。俺、こんな姿だったのか……?
▲一応、アンダーの世界では姿が変わるので現実世界では異なる姿。
そう、新しい物語の舞台は、意識化の負の感情が具現化し、“瘴念(ノイジー)”として徘徊を始める世界“想世(アンダー)”。青空アンダーガールズの“アンダー”にこんな意味があったなんて(善意に解釈)!
そして、それらを物理的に倒すのが我々、調停者(プロデューサー)の役割。
どうやら私は他のアイドルゲームに洗脳されて、メンタルをケアしたり、仕事を取ってくるのがプロデューサーだと思い込んでいたようだ。
瘴念を倒さないと現実の心に悪影響を与えるらしいので、一応メンタルをケアしているんだけど。
旧版の物語は残っていて、「旧版でキャラが素直に青春しているのは、実は調停者(プロデューサー)が瘴念を退治しているから」という形で物語に整合性をとり、新しく追加された物語では表世界で発言していなかった負の感情やら、つらい過去を思う存分吐き出している。
さらに、難解すぎたゲームパートは、右から迫る瘴念を赤と青の攻撃ボタンで倒すタイミングアクションに変わっていた。
アイドルが背後で踊っている中で、まったく関係ないゲームをプレイしているシュールさがヤバい。
確かにこのゲームシステムは分かりやすいけど。何事にも程度があるというか。
ここまで全力で道を踏み外さなくても……。
リニューアルしたばかりのゲームに言う言葉ではないかもしれない。
ただ、物語やキャラが好きだっただけに「悲しい」と感じてしまうのも事実。もともと伸びしろがあったものを改造して、良い部分を潰したように見えてしまう。
こんな状況だが、この記事ではあえて言おう。今こそ『青空アンダーガールズ』を遊ぶべきときであると。
理由は2つある。
1つは、中田譲治さんのアイドルの歌が実装され、男らしく(いいのか?)歌い始めたこと。曲も良いし、ネタとして楽しめる。
▲ソロパートがあるぞ!
もう1つは、このゲームの長所である物語と映像が昔よりはるかに簡単に見られること。
簡単に良いカードが手に入るから誰でもオートでクエストを進めて、スポ根物語を見ていける。
クエストクリアでライブのフリー閲覧に楽曲&ダンスが次々追加されていくし、新機能の10人ライブ、総員(21人)ライブも楽しめる。
このゲームの良いところを一気に楽しめるのだ。再度書くが、このゲームの物語とダンスは本当に良い。
そう考えると、『青空アンダーガールズ』も、よほどの隠し球がない限りが終わってしまうことは間違いないと思う。ならば、物語も映像も今しか楽しめないかもしれない。
今から『青空アンダーガールズ』の良さと、楽しいところだけ遊ぶ方法を解説する。ドブに捨てる1時間があれば『青ガル』にぶち込んでくれ!
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