ガラス玉を転がして3Dステージを進むアクションゲームの古典『マーブルマッドネス』をリスペクトし、ボールを転がす操作をフリックに置き換えて作られたカジュアルアクションが『Flicky Marble』だ。
見た目は渋いが、古典をリスペクトして作り上げたゲームの面白さは折り紙付き。そして、ステージ作りには『Suzy Cube』の丁寧なステージ作りを評価された個人開発スタジオ NorthernBytes Software の腕前が今回も生きており、現代においても通用する内容に仕上がっている。
『Flicky Marble』は、フリック操作で画面を撫でるように触ってガラス玉(Marble)を転がし、ステージのゴールを目指すアクションゲームだ。
こういったゲーム画面を見るとスマホの初期に流行った「傾きセンサーを使って玉転がしゲーム」の微妙な操作感を思い出すが、本作の操作感は指に吸い付くようで、思ったように転がして止まれる(止まる時は進んでいる方向と逆にフリックだ)。
ビー玉の音のおもちゃ感もあって、操作の気持ちよさはこの手のゲームでもピカイチ。
ゲーム面を見てみると、物理法則シミュレートされた3Dステージを踏破する懐かしの3Dアクションになっている。
ステージは地続きになっていないこともあり、物理法則を頼りにジャンプ台から勢いよく飛び出したり、重みで動く床をずらしたりする動きも必要になる。
立体的なステージあり、半円のコースを高速で走り抜けるステージありで、『Suzy Cube』でも感じたバリエーションあふれるステージの作りこみは『Flicky Marble』でも活かされている。
慎重な操作を要求されるステージはあるが、フリックで精密な操作ができるし、制限時間もない(クリアタイムは記録される)のでゲームの敷居自体は低い。
大胆な高速操作を要求されるステージもあるが、コースから落ちたり敵にぶつかったりしてミスしても直前の場所からやり直せるのでストレスも低め。
ボリュームとしてはやや少なめで、6ワールド、合計50ステージ+クリア後のボスラッシュモードと、およそ2時間~3時間程度で遊べる分量。
しかし、クリア後には超高速でステージを駆け抜けるタイムアタックのチャレンジが待っており、ストイックなやりこみを始めると長く遊べる。実際、駆け抜けるようにプレイしてのクリアは、慎重にプレイする最初のプレイと別の楽しさがある。
各ステージに散らばっているコインを集めると最速クリア動画を見ることもできて、手本もある。
これだけ遊べるのにアプリは無料で遊べて、そのままクリアも可能。
課金要素は“無限ライフ”で、通常は3回ミスするとワールドの最初に戻されるが、240円を課金すると「無限ライフ」で遊べる。個人的には無限ライフだと簡単すぎるので、何かしら別の要素も欲しかったというのはある。
しかし、シンプルながら、古典3Dアクション『Marble Madness』の面白さが見事に表現されており、細かいこと抜きにしてビー玉を転がすのが楽しいアクションなので、レトロゲーム世代にはぜひ遊んで欲しい1作だ。特にiPadで遊ぶと「おもちゃ感」がとても高くなり、より面白くなるので試してみて欲しい。
評価:7(要チェック)
ゲーム概要
ビー玉を転がして3Dステージのゴールに向かうアクション
おすすめポイント
『Marble Madness』リスペクトな世界観
指に吸い付くような操作感
縦横どちらでも遊べる
注意点
課金しないと終盤は結構な歯ごたえ
アプリリンク:
Flicky Marble (itunes 無料 iPhone/iPad対応)
開発:NorthernBytes Software(カナダ)
レビュー時バージョン:1.1
課金:無限ライフ(240円)
公式ページ:http://www.northernbytes.ca/flickymarble/
ライター:ゲームキャスト トシ
動画: