猫衣装、メイド服、バニーガール……オタク系衣装の中でも上位に位置する衣装を、配信からたった1ヶ月でばらまいてしまったゲームがあります。
そう、タイトルにもある『ときめきアイドル』(以下、ときドル)です。
私が大好きなものは、なぜ世間に理解されないんだ……と、言うつもりはありません。
しかし、好きなものを紹介することはできるわけで、在りし日の『ときメモ』布教の気持ちを思いだして紹介したいと思います。
『ときドル』は、学園のアイドル科に所属するプロデューサーとして、生徒とコミュニケーションをとりつつ指導し、アイドルとしてプロデュースしていく学園アイドルものリズムゲームです。
その出来を一言で言うと優等生的に良くできている、の一言。
キャラクターの可愛さ、3Dモデルも動きも十分。曲も良いし、音ゲー部分も普通に楽しめる。
コナミ往年の人気曲も収録され、2018年になって“メタルユーキ”や“究極戦隊ダダンダーン”という文字が拝めるのもまた魅力です。
ただ、“良くできている”は2018年のスマホゲームに対して褒めるだけの言葉とは言えません。
すでに良くできているゲームがたくさんあるので、「すごい」まで行かないと人は寄りつかない。
実際、このゲームのMVは十分な出来ですが、『デレステ』や『ミリシタ』には勝てていない。音ゲーとしても普通で、中途半端に良くできているのが『ときドル』という言い方もできます。
▲唯一すごく良いとはっきり言えるのは、ライブの周回を自動化できるところ。しかも、プレイヤーの腕に応じたスコアが出るので上手いほど周回効率が良くなる。
しかも、“学園”と“アイドル”の“リズムゲーム”はもう『ラブライブ!』と『バンドリ』でお腹いっぱい。
出るのが2年ぐらい早ければ流行った可能性はかなりあると思いますが……。
と言いつつ、私は『ときドル』を続けているし、記事を書き始めた時点でランキングイベント74位なのでやる気満々な方です。
▲初日ダッシュする方なのでこの後で1000位ぐらいに落ち着く予定。
その『ときドル』を続けている理由は何か……と言われると、ズバリ“見る”楽しさなんですね。
このゲームで一番良くできている部分は、私に言わせればメニュー画面であるロビー部分。これを見るのです。
え、音ゲーでメニューを見るのが楽しいのかって?
楽しいんだな、これが。
ロビーはお気に入りの3Dキャラクターが登場してガイドをしてくれる……まあ、3D系のギャルゲーによくあるアレですけど、とにかくこのロビーの作り込みが良い。
まず、3D系のゲームでグラフィックがきれいだとロードが遅いですが、『ときドル』はロードが早くてストレスなし。
次に、ロビーを見ていると仲の良いキャラクター同士でキャッキャウフフしていて関係性が想像できたり、誰かが読書していたりと、そのキャラクター性が伝わるわけです。
でもって、それらの様子を主観視点で眺めることも可能。
VR機器があればライブもロビーもVRで立体的に見ることもできる。これが意外に破壊力高い。
なぜ良いかって、3Dキャラクターも全体的に“フェチ”な作りってところでしょうか。
友人は「脇の作り込みが良い」と絶賛していましたし、私に言わせればスカート1つとっても布の動きが柔らかいし、コルセットが入った部分は硬い動きをするしで、動きもどこかマニア向けに作ってあって、見て楽しいわけです。
▲ソフマップのポーズ!とか騒いでいたら、脇の3Dの処理の良さについて15分も説教された思い出。
ここまでならまだ紹介する決め手にならなかったのですが、このゲームは開始から1ヶ月の間で驚くべき接待を私に繰り出したのです。
ゲーム開始とほぼ被せて猫耳、猫尻尾が手に入るイベントから始まり、お次はメイド服がほぼ全員プレゼント状態のイベント。
▲メイド服のスカートが柔らかく動く様子は、ファンに衝撃を与えた。
もうすでに学園ロビーの中はメイド服だらけ。何を考えたか、猫耳や尻尾との併用も可能。
自分の呼び名を「ご主人様」に変えて、学園を完全にメイド喫茶化も可能。
そうか、コスチュームをいろいろ買えて、いろんな場所(※レベルアップでロビーの背景が変わる)でロビーを楽しめばいいのか!
陸奥圓明流の伝承者じゃないですが、このときに私の中の獣が目覚めましたね。
▲なお、ガチャ爆死ショックで一時やめたためメイド服が足りず、スクショはときドルル仲間から提供いただきました。
気づいてしまったわけです。
衣装を変えて、呼び名を変更しながらロビーを見るだけでも楽しいって事に。
そして、現在はバニー服。
主観視点モードで見たら、何かマズい場所にいるような気分になってきますわ。
グラディウスの続編をコナミに作らせたいアイドルがいることで話題になったり、SSR衣装が『月風魔伝』や『悪魔城ドラキュラ』などのゲームをモチーフにして話題になったりしましたが、実際の魅力は『ときメモ』世代のオタクをターゲットにしたおもてなしです。
▲この売上げでは……無理だ……!
ほんと、スタッフに旧世代オタクがいて、趣味で作っているんじゃない勝手ぐらい細かい部分まで気が利いています。
しかし、楽しくプレイしている私にも不安がありまして……。
実はこのゲームは3月中旬にリリースされて、現在は4月中旬なんですが、配信からたった1ヶ月で猫グッズ、メイド服、バニー服をばらまいて、まったく話題になってません。
ここまで生き急いでいると「こいつ、死ぬのでは……?」と不安になってくるわけです。
レビューも「華はなくても付き合えば魅力にハマる音ゲー」と紹介しましたが、ほんと、フェチなところも動きの丁寧さも、キャラの作り込みもある程度以上やらないと分からないし。
じっくりプレイしないと魅力が分からないゲームって今のスマホで致命的と言えますが、そこは『ときメモ』世代。
「PCエンジン版の『ときメモ』はファミ通で低評価だが、電撃で高評価だからやる価値ある!」と、いきり立って布教するところだと思ったわけです。
私としてはもっといろいろな「あざといほど狙ったコスチューム」が欲しいし、対戦パズル玉が実装されるぐらいまでは続いて欲しいので、「俺こそときメモ世代」とか「キャラクターの様子を見るのが楽しい」という方は是非遊んでみて欲しいわけです。
▲クイズもあるよ!
グラフィックの割に動作が軽くて技術力にも驚きますし、そのあざとさや、往年のコナミリスペクトの丁寧さも含めてオールドオタクの居場所として悪くないですよ。
往年の「俺たちの知ってる」コナミのような細かい作り込みが光るゲーム
アプリリンク:
ときめきアイドル (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)