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ドラクエだから遊ぶんじゃない、『ドラゴンクエストライバルズ』が面白いから遊ぶんだ。DQRレビュー

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スマホのCCG(コレクタブルカードゲーム)は、『マジック』に始まったトレーディングカードゲームの歴史をなぞりつつある。
『マジック』の流行後、後続作品はゲームを軽量化したり、隊列の要素を前に押し出してみたり、地形要素を入れたりと差別化を図った。
そして、スマホゲームでは『ハースストーン(Hearthstone)』後に日本を席巻した『シャドウバース』、地形要素のある『Duel Ex Machina』などがこれにあたる。
そして、今回新たに登場したのは隊列を前に押し出した『ドラゴンクエストライバルズ』である。

『ドラゴンクエストライバルズ』は、デッキを組んで2人のプレイヤーが場に交互にカードを出し、その効果で相手のライフを0以下にした側が勝利となる対戦カードゲームだ。
プレイヤーは、7人の「リーダー」から1人を選択する。各リーダーには専用カードと“テンションスキル”と呼ばれる特別な能力が備わっており、選んだリーダーによってバトルスタイルが決まる仕組みとなっている。
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リーダーを選んだら合計30枚のカードでデッキをつくる作業が待っている。
同じカードは2枚まで、レジェンドレアと呼ばれる最高レアは1枚までしかデッキに入れられない『ハースストーン』方式となっている。
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ユニットカードは場に出して戦わせるカードで、ユニットはHPと攻撃力の2つの数字を持ち、1ターンに1度、リーダーか敵ユニットに攻撃力と同数のダメージを与えられる。
ユニットは出した次のターンからの行動するので即効性は薄いが、HP0になるまでずっと使い続けられる。
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なお、DQRの場には前列と後列の概念があり、ただユニットを出すだけではなく出す位置も勝敗に大きく影響する。
後列にユニットを配置した場合は前面に他のユニットがいると攻撃されなくなるし、縦列を塞ぐように3体のユニットが並ぶと“ウォール”状態となってユニットがリーダーを攻撃できなくなる。
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▲右側のアリーナの前には縦に3枚のカードが並んでいるのでウォールが成立していて、直接にリーダーを攻撃できない。

“とくぎ”は主に使い捨てのカードで、ダメージを直接与えたり、回復したり、ユニットを強化したりとコスト相応の効果を持つ。こちらは即効性があるのが特徴となる。
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“武器”はリーダーが装備するアイテムで、リーダー自身にユニットのように攻撃する能力を与える。
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これに加えてリーダーには専用の“テンションスキル”が用意されている。
各リーダーには“テンションゲージ”というゲージがあり、1MP消費して1ターンに1ゲージ溜めていける。
これを3まで溜めるとテンションスキルが1回使える。
テンションスキルは強力な効果を持つだけでなく、ゲージを溜めてしまえばいつでも使えるためMPを使い切った上でダメ押しに使ったり、いざというときの保険として使ったりもできる。
『ハースストーン』のヒーローパワーとも異なる戦術を求められるため使い方がとても面白い。
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で、このシステム上で一通りプレイした感想としては、「かなり面白いし、好み」というのが感想だ。
他のカードゲームでは敵の攻撃を一手に引き受ける“挑発”や“守護”(DQRでは“におうだち”)の特殊能力が大きな力を持つが、本作ではそういった能力なしに隊列を組むことで敵の攻撃を防ぐことができる。
“ブロック”によってユニットが倒れる順番をコントロールすることも可能で、思った以上にプレイングに深みを与えている。
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また、「カードを出してから死ね」という設計思想が見えているのも良い。
テンションスキルはカードにMPを割り振るか、ゲージにMPを割り振るか悩むほど強力で、手札が事故を起こしたときの保険以上の機能を有している。
30枚というデッキ制限のわりに気軽に使える手札補充カードも多く、完全に何もできない展開は少ない。
まだ基本パックのためか奇抜な戦術はあまり見かけないが、将来的に拡張パックで色を付けていけばかなり楽しめるゲームになりそうと感じている。

気になるのは『ドラゴンクエストライバルズ』は後攻にかなりのアドバンテージを持たせていることか。
先攻はカード3枚+テンションゲージ0から始まり、後攻はカード4枚+テンションゲージ2から始まる。つまり、後攻は1手目からテンションスキルを利用できる。そのため、先手後手の有利不利がリーダーによってだいぶ変わってくると思うが……その点の良し悪しはかなり時間がたってから結論が出てくることだろう。
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▲スタート時の手札交換は1回のみ。ここでも4枚から交換する札を選べる後攻の優位が光る。

課金要素となるカードは、『ハースストーン』と同じくカード。いらないカードを分解して他のカードを作るシステムも備えているが、やや割高な印象を受ける。
パックが高めなことに加えて天井システム(レジェンドが当たらない時に、30パック開けたとき必ずレジェンドが出る)も『ハースストーン』では当たらないたびにレジェンド排出率が上がるのに対して、『ドラゴンクエストライバルズ』では最後まで1%。
そこは気になるが、まあシャドウバースもハースストーンも似たようなもの(ハースはややレジェンドの力比率が低い気がするが)なので、50歩100歩と言ったところか。

現在のところ、カードを広げると残りMPやHPが確認できなくなるUIの問題、敵の手番で画面をいじっているとテンションスキルが使えなくなることがある問題など、細かい問題はいくつか抱えているものの、面白さのポテンシャルは十分。
カード登場時の演出や攻撃時の演出が寂しい気もするが、ゲームシステム面では面白いし、好みの作りになっている。とりあえず、スタート地点としてはこれで十分と言えるだろう。
このまま上手く拡張を続けて、もっと楽しいゲームに進化して欲しいと思う。

これから対戦カードゲームを遊ぶなら『ドラゴンクエストライバルズ』はおすすめである。単にドラクエというだけでなく、ゲーム自体が十分が面白いからだ。

評価:8(かなり面白い)

おすすめポイント
隊列を駆使したプレイ
テンションスキルの使い方が悩ましい
ドラゴンクエストでカードゲーム

気になるポイント
カードを揃えるのに金か長い時間がかかる
致命的ではないがUIやバグの問題を抱える
少しテンポアップして欲しい

課金
カードパック(6枚で240円〜)、闘技場(1回300円程度)

アプリリンク:
ドラゴンクエストライバルズ (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

(バージョン1.0.1、ゲームキャストトシ)

動画: