『The House of Da Vinci』レビュー - ルネサンス期の館を美しく表現。レオナルド・ダ・ビンチの謎を解く脱出ゲーム
脱出ゲームはスマホの大人気ジャンルだが、その中でも別格のゲームがある。美しいグラフィックと世界観で世界的にヒットした『The Room』シリーズだ。
あの美しさは、他のメーカーには出せない……そう思っていたが、ついに本家リリースから5年たって挑戦者になれるほど美しい脱出ゲームが登場した。
巨匠レオナルド・ダ・ビンチの屋敷の謎を解く脱出ゲーム、『The House of Da Vinci』である。
本作のシステムは、ごくごく普通の脱出ゲームだ。
異なるのはグラフィックが特別美しいことだけなのだが、それだけで全然面白さが違う。
▲テーブルの上にあるのは、レオナルド・ダ・ビンチが図面を引いたというカタパルト模型。随所にレオナルド・ダ・ビンチ由来の物がある。
気になる場所をタッチして拡大するたび、美しいオブジェクトが目の前にでてきて見惚れる。
▲カタパルトの上のミニチュアですらこんなに作り込まれている。
謎を解くたびに新しい物が出てきたり、物体が動いたり。いちいちそれを見ては驚く。それが楽しいのだ。
さらに、それらのオブジェクトを直接触ることもできて臨場感が高いのもポイントだ。
鍵を入れたら回す作業があるし、スイッチを押せば押し込まれる。プレイヤーが色々と触ることが重視されているのは本作の特徴だろう。
さらに、このゲームが多分に影響を受けたと思われる『The Room』と同じく、特別なレンズを使って世界を覗くことで、通常は見えないものを見ることもできる。
例えば、一見何もないこの場所で画面右のレンズを上フリックすると……。
この通り。謎の答えが示されたり、特別な機構が見えたりする。
正直、ここは真似しすぎとは思ったのだが……1つ面白いオリジナル要素もここに加わっている。
レンズを下フリックすると、その場所で起きた過去の出来事が見られるのだ。
例えば壁に阻まれて先に進めないときに過去を見ると、老人の人影が浮き上がってくる。
ここで画面下のつまみを右に動かすと時間が進み、老人が壁に手を当てて先に進む様子が見える。つまり、そこに隠しスイッチがある。
『The Room』を真似しすぎとは言え、もともと脱出ゲーム自体がマンネリ化しつつあるジャンルでもあり、レンズで過去を見られる仕組みと、触って動かす仕掛けを多めに用意したことは差別化しているとは言えるだろう。
謎の難易度は低めで、ヒント機能もあるので(ヒントを読める程度の英語力があれば)ゲームはクリアできる。ときどき英文が出てくるが、これが読めなくても謎解きには支障がない。
▲あと、英文が筆記体で読みづらい
欲を言えば過去の見られる能力をもう少し活かしたり、レオナルド・ダ・ビンチの要素をもっと活かして『The Room』と差別化を図って欲しかったが、クオリティの高いアドベンチャーや脱出ゲームを探しているなら『The House of Da Vinci』は選択肢に入る作品である。
正直、脱出ゲームとしては完成されていてほぼ欠点はないので、脱出ゲーム好きならきっと楽しめる。
そして、もしこのゲームが楽しめたら……ぜひ、脱出ゲーム『The Room』シリーズも遊んで欲しい。
評価:7(要チェック)
おすすめポイント
美しいグラフィック
レオナルド・ダ・ビンチ由来のオブジェたち
気になるポイント
The Roomに似すぎ
ストーリーが英語(しかも筆記体で読みづらい)
アプリDL:The House of da Vinci (itunes 600円 iPhone/iPad対応)
開発:Blue Brain Games
レビュー時バージョン:1.0
課金:なし
動画:
ライター:ゲームキャスト トシ