『プロジェクト東京ドールズ』レビュー - 最高の魅力が奥に隠れた美少女ゲーム。もっと良さを活かしてくれ!(魂の叫び)
今をときめく人気アイドルグループDOLLS……それは仮の姿。彼女たちは記憶と感情を喰らう異形“ピグマリオン”と戦う戦闘員だったのだ!
『プロジェクト東京ドールズ』は、命と記憶と感情を捨てて“ドール”となった少女たちの活躍を描くスクエニのRPGである。
『スクールガールストライカーズ』っぽい設定で3Dキャラを強化して、『ラブライブ!』的なアイドル系の流れを取り入れて、絵柄もちょっとそっち系に寄せて……安直に要素を詰め込すぎなんだよ、スクエニ!
……そう思っていた時代が、私にもありました。
事前発表やゲーム序盤の展開を見ればそう思うのも仕方なかったと、振り返って弁明しておきたい。
実際にはアイドルのふりしたバトルゲーであった。
『プロジェクト東京ドールズ』は、9人のドールから3人を選び、チームをくんで敵と戦うステージクリア型のバトルゲームだ。チームのうち2名はメインで戦うこととなり、1名はスキルで2人をサポートする係となる。
キャラクター能力とスキルはガチャで手に入れる衣装と、シナリオ進行で手に入れる武器によって決まる。衣装レアリティはかなり能力に影響するが、誰もがもらえる武器も強力なので、最高レアのURがなくとも現在のストーリーパートラストまでは遊べた。
▲ワンポイント攻略というか、詰まったらシナリオを進めると武器がもらえて急に強くなれる。
バトルはターン制になっており、プレイヤーと敵が交互に攻撃を行う仕組みとなっている。
攻撃はミニゲームとなっており、プレイヤーが攻撃を始めると画面にマーカーとターゲットが出現する。その表示に合わせてタイミング良く画面をタッチすると、GOOD・GREAT・BESTの3段階で結果が評価される。
これがなかなか難しいのだが、その分ご褒美もある。
BESTタイミングで攻撃するとスキル使用に使う“SP”が多く貯まっていくし、GREAT評価以上で連続攻撃をたたみ込むとターンの締めに“エクストラアタック”が発生してダメージ増大&爽快な演出がはいる。
連続で攻撃に成功すると“コンボ”が増え、敵に与えるダメージも増えていく。
コンボはステージを通じて継続し、攻撃失敗か防御失敗まで加算され続ける。このため、プレイヤーの腕が良ければ通常の1.5倍以上のダメージを常にたたき出せる。
▲敵の攻撃も画面をタッチしてガードする。ガードできないとダメージが増えるだけでなく、コンボが途切れる。完全にタイミングアクションである。
また、各キャラクターの装備する衣装には属性が存在し、敵との属性相性によってダメージが変化する。
単に相性の良いキャラクターで攻撃するだけでなく、攻撃順番やスキル使用順番を調節してダメージを受けるキャラクターを調整する計算も求められ、この手のゲームの中ではかなり戦術性が高い。
そして、バトルが終わると“フィール”と呼ばれるポイントや強化アイテムが手に入り、一定数貯まればお気に入りのキャラクターの感情を呼び覚まし、記憶を取り戻すこともできる。
▲フィール注入がちょっとエロい。
もちろん、DOLLに触って反応を見たり、プレゼントしたり、着せ替えたりすることもできる。
このあたりは完全に『スクールガールストライカーズ』を踏襲しているから、きっと誕生日イベントもあるだろう。
そして、パワーアップしたらまたバトルしてストーリーを進めたり、強化素材を貯める繰り返しのRPGである。
で、そんな『プロジェクト東京ドールズ』を最初にプレイしたとき、「なんて魅力を感じないゲームなのか」と感じた。
確かに全体的に気合いを感じるのだが、色々な人気作の要素をごった煮で集めた借り物っぽい雰囲気があるし、ロードの多いし、バトルは気合いを入れないと勝てない(頑張るとオート比300%以上の力が出るから)し……。
すごいのにゲームを続けるほどの魅力を感じなかったのだ。
だが、ガチャでSSR衣装を連続で出したとき、偶然にも本作の魅力に気づけてしまった(正直、それが幸運なのかどうか、わからない)。
本作の最大の魅力は素晴らしいクオリティの3Dキャラクターとその動きだったのだ。それを通じてキャラクターの魅力を感じる。これだ!
なんせ、3Dで描かれるキャラクターはアップにしてもまったく違和感がなく、あらゆる角度で決まって見える。
とくに素晴らしいのは超必殺技“エモーショナルバースト”の一連の流れである。
ドールたちが鍵を持ち……。
お互いの胸に突き刺して封印(?)を解く!
そこからの連打。
そして、フィニッシュ。
若干ウケを狙いすぎたわざとらしさはあるが、動き、表情、セリフまで全てが魅力的。
こう言った動きを様々なキャラクターで、何度も見ることによって愛着が湧いてくる。
すると、コミュニケーション部分なども幾分楽しくなってきた。これだ、動きの魅力がこのゲームの魅力なのだ!
しかし、多くのプレイヤーは序盤でこの魅力に気づきづらい。
SSR衣装をたくさん手に入れてこの魅力に気づいたのは、バトル中イイ動きをするのはSSR以上の衣装だけだからだ。つまり、運良く複数種類のSSR以上を手に入れられなければその魅力も味わいづらい。
先ほど紹介した“エモーショナルバースト”はチュートリアル以降のバトルが短すぎて出すことがないし、バトルは難しいから(特にガンは)動きを見ていられない。
ストーリーが1章中盤から面白くなる(でも、1章後半引き延ばしすぎて面倒)こともあり、序盤の魅力が非常に薄い。
せめて、ストーリーパートのライブや印象的なシーンを3Dで動かしてくれれば……と思うが、大事なカットは2Dだったりする。
『プロジェクト東京ドールズ』が他のゲームと異なる最大の独特の3Dキャラクターだろう。
こんな魅力的な3Dキャラクターを持っていて、アイドル活動以外もできる設定で、なぜそれを活かさないのか!
ストーリーやライブの全てでなくてもいい。一部だけでも3D演劇にして後からも再生できたら、きっと着せ替えまくって何度も見る。
イベントのご褒美がそんなカットシーンなら、最後までイベント走る。コスト度外視で言っているけど、これだよ、これ!
……なんて今でこそ熱弁できるが、序盤だけでは先ほど書いたように「なんだか気合い入っているんだけどロードが多くて、テンポが悪くて、ガチャが渋いゲーム」で終わってしまう。
やり込んだり、課金しまくれば(渋いので推奨はしない)すれば魅力は分かるのだが……なんとも惜しい。
とは言え、3Dの美少女キャラクターが動くことを魅力と感じる方なら上記の内容を押さえた上でやや長めに遊んでみることをお勧めする。
メモリア(課金通貨)はプレイを通じてかなり手に入るので、運が良ければイイ感じに続けられるだろう。
評価:6(面白い)
おすすめポイント
魅力的な3Dキャラクターとフルボイス
戦術性が高いバトル
気になるポイント
SSR以上がそこそこ当たらないと動きの魅力が足りない
オートバトルが弱すぎて雑魚とも気合い入れて戦う必要がある
シナリオの良いところをバトル(3ステージ以上)で切らないでいただきたい
なんで、イベントが3Dじゃないんだッ!
課金
メモリア(主にガチャに使用、あった方が楽しめそうだが覚悟が必要)
(バージョン1.0.2、ゲームキャストトシ)
アプリリンク:
プロジェクト東京ドールズ (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
動画: