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RAGE第1回、『Vainglory』決勝記者会見レポート。見えてきたRAGEの仕組み。

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1月10日本日、賞金総額200万円のe-Sports大会「RAGE」の決勝大会に進むメンバーが決定し、記者会見が開かれた。
RAGEとは、年間を通じて、格闘ゲームの大会、MOBA、あるいはカジュアルなパズルゲームや、カードゲームとか、対戦型のe-Sprotsになりえるゲームは積極的に取り上げて、盛り上げていく次世代型の大会だという。
一体、これまでの大会とは何が違うのだろうか。
今回のRAGEは、スマホのMOBA『Vainglory』を種目にしており、優勝チームは賞金100万に加え、国際大会VIPL出場権、アメリカのサンマテオにあるSEMC本社へのツアーがプレゼントされる。
2位は50万と特注フィギュア、3位と4位は25万円。さらに、決勝進出チームには毎月のオフ会支援が行われる。
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では、早速決勝で戦う4チームを紹介しよう。

チーム「ILLMATIC」
「見ている皆さんが、思わず声を出したくなるようなプレイをしたいと思います。」
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▲左からtake_it_easy5 / senpan / Ayasakiさん

チーム「PotentiaL」
「(対戦相手の)3チームとも強いんですけど、下克上を果たしたいと思います。」
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▲xtanxさん、masakinさん(ソフマップポーズ)、UCivilhijiriさん

チーム「Divine Brothers」
「このチームで優勝します。」
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▲JPN_SLASHmooNさん、Johndoeさん、JPN_Dejiwoさん

チーム「Team GL
「今まで(senpanさんのいるチームに大会で)負けていましたが、この大会では絶対の結果を残したいと思います。」
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▲STR1125さん、tatuki217さん、silver77さ

すでに国際大会に出場経験のある強豪(日本は、Vaingloryの国際大会で2位になった実績がある)、ソフマップのポーズで余裕を見せるチームなどさまざまなだ。
その中で、今回、縁あってゲームキャストではチームILLMATICのtake_it_easy5さんに単独でお話を聞くことができた。

ゲームキャストでは昔、スマホMOBAの先駆けである『Heroes of Order and Chaos(以下、HoC)』にドハマリして、ガイド記事を書いていた時期がある。
当時のHoCで世界一のプレイヤーだったtake_it_easy5さんは、ゲームキャストを見ていたという。

今回、決勝参加チームにゲーキャス見てMOBAしていた読者がいた。なんという偶然!
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「take_it_easy5です。
ゲームキャストさんとは、HoCで一緒にやっていた仲間でして、ブログもよく見ていました。
今回、新しいアプリに移動して、またゲームキャストさんとつながりができて、嬉しく思っています。
一番の強敵は初戦に当たるGLだと思っていて、辛い戦いになるかもしれませんが、全力でやって勝っていきます。
応援よろしくお願いします!」

昔にゲームを紹介して、それを見てゲームをしたプレイヤーが遊び続けて、世界一になる。
これは紹介者冥利につきる。
もし、読者の皆さんが『Vainglory』をプレイしていたら、RAGEの決勝ではtake_it_easy5さんと、「ILLMATIC」を応援してあげて欲しい。
ゲームキャストは、個人的に「ILLMATIC」を応援します(宣言)

と、紹介を終えたところでRAGEの話をしたい。
e-Sportsのイベントは、毎年立ち上がっては消えていく。RAGEが今目立っているが、賞金付きの大会は日本で初めてのことではない。
では、RAGEはどのような大会を目指しているのだろうか。
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発表会で最初に語られたのは、K1が単なるマニアの格闘ゲーム大会から大きくなったように、e-Sportsの一大イベントを目指すというビジョン。
RAGEは、チャレンジングな演出や仕掛けを用意し、エンターテインメントショーとして見られるようにするという。
大会でも、ゲームを知らないプレイヤーが楽しめるような要素を重視していくとのことだ。

実際、今回の記者会見でも4チームに異なるカラーの衣装が用意されており、ヘアアーティストによるメイクアップが施されているようにも見えた。
少なくとも、単に「TGSで大会を行います」というよりも、手がかかっている。
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▲ヘアセットまでバッチリ

また、スタープレイヤーの育成に力を入れ、「東西戦」や「因縁の戦い」のようなショーとして、見ていて楽しい大会を目指しているとのこと。
そのため、参加選手は主催のCyberZが持つOPENREC.tvという動画メディアと、専用のスタジオを利用したサポートが受けられる。
定期的にチームメンバーを集めて遊べるオフ会を行ったり、OPENREC.tvで選手をPRする番組を作るなど、プレイ面、PR的な視点でも選手をバックアップしていくという。

最後にCyberZ取締役社長の大友さんに、個別質問ができたので、2つほど質問してみた。
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Q.ゲームのプレイヤーとして見ると、「e-Sprotsがカネになる」と言われて数年、「e-Sports」を名乗って大会というものは出てきてはすぐに消え、プレイヤーが置き去りのまま、ゲームタイトルが使い捨てられてきた印象があります。
RAGEは、それらの大会と何が違うのでしょうか。

A.正直、半年後、1年後の大会は決まっていないです。
仰るとおり、数年前からe-Sports取り組まれているゲームメーカーさんはたくさんいらっしゃると思うのですけど、理想論をここで語ることはできても、それを実際にやるのはとても厳しいので。
モバイルのタイトルは基地局の強化で、対戦ゲームが出てきて、それを見る文化が成り立ってくるのかな、と。
それによってe-Sportsが成り立ってくるのかな、と。それによって、僕らは盛り上がっていく仕掛けを
2回めのタイトルは、第1回RAGEの終了時に発表予定。
タイトルに関しては、年間を通したスケジュールはまだなく、3ヶ月先を見て進めているのでなんとも言えない。

Q.『モンスターストライク』の大会が開かれたとき、決勝チームの編成が全く同じで、優勝者が勝因を「ガチャと努力」と言うなど、いわゆるスポーツ的なタイトルとは思えない。
しかし、プレイヤーがたくさんいて、観戦して盛り上がるという意味ではRAGEの条件を満たしているとも言える。一方で、観客はいないが見ていて面白いゲームが海外にはある。
今後はどのようなタイトルを持ってくるのか。

A.正直、タイトルを絞っているわけではないので、ひょっとしたらカジュアルゲームもあり得ます。
一概にどのタイトルとはいえない。1つは、スタープレイヤーが生まれてくるのが重要と思っているので、スタープレイヤーが生まれやすいゲームを持ってきたい。
そして、OPENREC.tvでフューチャーした方を番組で取り上げて、ドキュメンタリーを作ったりして、そういうふうにどんどんやっていく。

意地悪な質問を投げてはいるが、スタープレイヤーを生むタイトルを選び、プレイヤーを育成する戦略は会社のやっている事業との一貫性があり、かつ、他の会社にない強みを活かしている。
何も知らなくても楽しめる大会を志す点、演出の良さなど、ゲーキャス的にはかなり好印象だった。

細かい受け答えを見る限り、一般に向けたショーとしての視点は強く、開催側に個別のゲームの知識が足りていない印象も受けたが……そこだけが今のところ不安な点か。

これは、単に今後出てくるであろうサイバーエージェントグループのe-Sports系ゲームに人を集めるための興行で終わるかもしれない。
しかし、「GO ONE」のように、近年に行われたe-Sports大会と比べると規模、準備、目指すものもしっかりしており、注目すべき大会になりそうだ。

アプリリンク:
Vainglory (itunes 基本無料  / GooglePlay)