じっくり考えるパズルとトゥームレイダーの冒険感を両立。『Lara Croft GO』レビュー
じっくり考えて誰でも遊べるパズルなのに、遺跡を冒険するスリルも味わえる。
『Hitman GO』の Square Enix Montrealが、また素晴らしいゲームをリリースした。
その名は『Lara Croft GO』。
遺跡の冒険するアクション『トゥームレイダー』のスピンオフで、ターン制のパズルゲームだ。
ゲームを始めて驚くのは、冒険を彩るステージの空気感だ。
美しいビジュアルはもちろん、ジャングルに分け入っていく足音、生き物の鳴き声まで良くできており、一気にゲーム世界に引き込まれる。
『Hitman Go』のジオラマグラフィックも良かったが、『Lara Croft Go』も映像と音声両方で冒険感をしっかり作り出していて、別軸でまた良い。
また、『トゥームレイダー』らしさにも気を配られているので、シリーズファンの方も安心していい。
メニューの様子、ララの動き、ゲームの雰囲気も『トゥームレイダー』のお約束を守っており、「パズルなのに確かにトゥームレイダーだ」と納得できる。
▲やっぱりこのメニュー!
さて、今回のパズルも『Hitman Go』とほぼ同じターン制のボードゲームだ。
ボードで指をスワイプすると、ララがその方向に一歩動く。
そして、盤面でも同じように時間が経過し、盤上のモンスターや仕掛けが1ターンぶん動く。
『Hitman Go』は現代的な建物の中で警備員の動きを予測する「敵の動きを予測する」パズルだった。
が、『Lara Croft GO』の舞台は遺跡。
「崩落する床」、「スイッチ」、「危険な野生動物」などのトラップがところ狭しと配置されており、「仕掛けを動かす順番を考える」パズルになっている。
特筆すべきは、その難易度。
簡単すぎず、それでいてゲームをやめたくなるほど難しすぎず、少し考えれば必ず正解が見える。
ちょうど良い難易度なのだ。『Hitman GO』が難しかったという方でも、今回は楽しめるだろう。
分かりやすさにも気が配られており、緑のスイッチで動く場所は緑の床、赤いスイッチで動く場所は赤い床、と一目でわかるように示されている。
パズルと関係ないところで悩むことはまずないだろう。
パズル好きの方は、序盤が簡単すぎると感じるかもしれない。
が、ララのアクションや遺跡のビジュアルが作り込まれているので、遺跡観光気分で退屈にはならない。
遺跡観光に飽きてきた頃にはトラップが増え、十分楽しめる複雑さになっているはずだ。
▲直線上の敵を倒せる槍や、敵をひるませる松明など、トラップだけでなくお助けアイテムも。
課金要素は、全ステージのヒント(600円)と追加コスチューム(240円)だが、全く課金圧力はない。
パズルはほどほどの難しさなのでヒントはなくてもクリアできる。
コスチュームには姿を変える以上の能力はないので、あくまでファンが購入すれば良いだけ。
また、マップ上に隠されているお宝を集めれば、無課金で集まるコスチュームもある。
その数は有料コスチュームよりも多く、課金しなくても十分着せ替えを楽しめる。
▲マップの光っている場所をタップするとお宝が。
難易度はほどよく、パズルを解いているだけで冒険気分を味わえる。
『Hitman GO』に劣らぬとても丁寧な仕事。
前作よりも間口が広いので、前作ファンならずとも広くオススメしたい1作だ。
質の良いパズルゲームがやりたいなら、これだ。
評価:3.5(かなり面白い)
おすすめポイント
適度な難易度のパズル
パズルを解いているだけで冒険を楽しめる
気になるポイント
宝の説明がない
課金
コスチュームとヒント。なくてもクリア可能
(バージョン1.0、ゲームキャストトシ)
アプリリンク:
Lara Croft GO (itunes 600円 iPhone/iPad対応)
動画: