映像の力で曲の世界観を広げる音ゲー。『Musync』レビュー
これほど曲の世界観を重視した音ゲーは珍しい。
知る人ぞ知るPS Vitaの良作音ゲー、『Musync』がパワーアップしてiOSにやってきた。
世界観重視の音ゲーと言うと『Deemo』を思い出す方も多いかもしれない。
だが、『Deemo』がゲームの世界観を重視しているのに対して、『Musync』は曲の世界観を重視した音ゲーになっている。
このゲームは、音楽に合わせて画面を押すリズムゲームだ。
画面奥から落ちてくるノートを、画面手前のラインでタップすると(長押しのときもある)音が鳴り、タイミングに合わせてEXACTからMISSまで5段階で評価される。
そして、曲終了時に画面を押したタイミングとコンボ数から評価が定まる。
▲Exactには2段階あり、最高タイミングのExactを決め続けると評価は100%以上になる。
システムだけを聞くと普通なのだが、実際にプレイすると楽曲と画面の世界観が調和していて驚く。
最初に驚くのは、曲のイメージイラストとゲーム画面のシンクロ度だろう。
例えば、美しい空のイラストから曲を選択してみる。
▲同じ曲でも難易度によってイラストが変化するのもすごい。
美しい空と、その上を走るハイウェイが映し出される。
このハイウェイを走っているかのようにノートが迫り、ゲームが進行するのだ。
楽曲の転換ポイントでは夕焼けになる演出も。
そして、最後には青空になって……。
だんだん画面がフェードアウトしてイメージイラストに切り替わる。
自然な映像の演出で楽曲の世界にスッと入って、きれいに終わる。
この一体感が素晴らしい。
画面演出は現在4パターンで、楽曲に合わせてことなる世界観を演出している。
ほのぼのメルヘンなパターンあり。
硬質でサイバーな世界感あり。
ただ画面の見た目が変わるだけではない。操作に合わせて画面が上下し、サイバー空間を走っているように錯覚する演出もある。
墨絵のような中華パターンも。
このパターンではタイミング評価も「神妙」などと中国語に。世界観の表現が徹底されている。
楽曲数は現在12曲。アプリの定価が240円なので、1曲20円計算。
音ゲーとして楽しめるのはもちろん、映像面でも楽しめてこの価格は安い。
追加楽曲パックは3曲360円、5パックセット(将来配信予定の物も含む)で1,080円。
「永遠の友達」という3,400円のパックなら、すべての曲が無料となり、将来配信予定の曲を先行プレイすることもできる。ゲームにハマりすぎたらこれを買うといいだろう。
唯一気になる点は、難易度についてだろうか。
EASYとHARDの2段階の難易度があるが、HARDモードでも音ゲー好きには簡単すぎて物足りないかもしれない。
さらに、ノーツ判定がとても甘いので適当にプレイしていてもそこそこ成績が出てしまう。
が、このゲームの本質は画面と曲の世界観が一体化して迫る良さにある。
この感動はゲームが簡単だからと言って色あせない。
むしろ、簡単なことで映像を見る余裕が生まれて、より楽しめる面もある。
音ゲー好きでなくとも気軽に遊べるので、ぜひ多くの方に遊んでもらいたい1作だ。
評価:7(要チェック)
課金について
3曲360円、1,080円で楽曲セット5パック(将来追加分も含む)、3,400円で未配信曲先行プレイ+将来配信の曲もすべて無料
おすすめポイント
イラスト、曲、映像演出の一体感
難易度でイラストが変わる
ノートをタップすると音が出る
気になるポイント
音ゲーのなかでは簡単過ぎるので、音ゲー好きには物足りない
(バージョン1.0.0、ゲームキャストトシ)
アプリリンク:
MUSYNC (itunes 240円 iPhone/iPad対応)
動画: