
『Almightree: The Last Dreamer』は、崩壊してゆく天空の島を救うアクションパズル。
ゲーム部分だけを言うならば、家庭用ゲームの『キャサリン』を簡易化したパズルだが、そこにかぶせられた世界観が秀逸だ。
このゲームの舞台は、浮力を失って地上に落下しつつある天空の島。
天空の島の美しさと、生き物の気配のない孤独感の対比は「プレイヤーが島を救おうとしても、世界は終わりきっていて無駄なのではないか?」と思えるほどの終末感を醸し出している。
雰囲気系パズルが好きな方におすすめの1作だ。
ステージが始まると同時に、プレイヤーの背後からブロックが崩落していく。
この「崩壊」が天空の島の終末感をきっちり演出していて、ゲーム開始と同時にプレイヤーは Almightree の世界に一気に引き込まれる。

▲緊張感と悲しさが同居したBGMも必聴。
プレイヤーの目的は、ステージのゴール地点で世界のバランスを保つ木「Almightree」を育てること。
そのために、ブロックを移動させる能力で道を作り、道なき道をひたすら駆ける。
フィールドの移動は十字キーで行い、1ブロック分の段差であれば移動と同時に上ることもできる。
島は崩壊中で道が途切れているが、プレイヤーはブロックを入れ替える能力を持っており、この能力で道を作ってゴールを目指す。
ブロックを入れ替えるときは、まず【ブロックボタン】を押す。すると、主人公の目の前に木のブロックが出現する。

次にマップに配置されているブロックの前で、もう一度ブロックボタンを押す。
すると、目の前のブロックが木のブロックの場所にワープする。これでブロックの移動は完了だ。

▲「キュポッ」というブロックを生成する効果音が意外と気持ち良い。
このブロック入れ替え能力を駆使して、パズルのようにブロックを入れ替えて道を作るのがゲームの基本となる。
操作自体は簡単だが、終盤はある程度考えてブロックを移動しなければ、通れないようになっている。
また、ゲームが進むとブロックを盾にして弾を避けたり、特別なトラップブロックを移動させたりと単に足場を作るだけのゲームではなくなっていく。

ただし、「タッチパネルだと対処しづらいだろう」と思える仕掛けを排除されており、全体的に難易度も低め。
なので、簡単だけど飽きないように仕掛けが異なる仕掛けが準備されている、と考えると良いだろう。
崩壊する島の雰囲気を、簡単なパズルとともに楽しむ雰囲気ゲーだ。

ボリュームは全20ステージと少なめだが、200円という価格を考えれば十分。
プレイ時間に直すとクリアするだけで2時間、各ステージに設定されたチャレンジ目標に挑戦すればもっと遊べる。
また、ゲームを進めていくと数ステージごとにストーリーカットが入る。
主人公の生い立ちや心情がイラストだけで断片的に描写され、想像力を刺激する演出が秀逸だ。
ゲーム中の寂しげな天空の島の様子のおかげで、かなりぐっとくる演出になっている。

簡単で楽しめるパズル+気になる世界観と、小さくうまくまとまったゲームという印象だ。
ただし、気になる点もある。
1つは移動操作が少しやりづらく、慣れても正確に移動できないことがあること。
少し移動をミスしてもゲームはクリアできるが、操作に完璧を求める方にはストレスかもしれない。

もう1つはエンディングがあっさりしていること。
海外ゲームの特徴とも言えるが、世界観と途中のストーリーが良いだけに少し残念だった。

それでも、全体として見ればこの2つの欠点には目をつぶれる。
音楽、ステージの寂寥感、そしてイラストで語られる背景。
これだけでもかなり「買って良かった感」がある。
パズルと秀逸な世界観を同時に楽しめるので、雰囲気系のゲームが好きな方にとくにおすすめだ。
評価:3.0(面白い)
課金について
なし
おすすめポイント


気になるポイント

(GCドラゴン Ver1.1)
アプリリンク:
Almightree: The Last Dreamer (itunes 200円 iPhone/iPad対応)
動画: