Real Racing 3 (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
2013年の3月にリリースされた『Real Racing 3』が、1年以上の地道なアップデートで大幅にパワーアップしているのをご存じだろうか。
iPhone究極のリアル系レースゲームとしてリリースされた初期バージョンは、確かにグラフィックは美しかったが、さまざまな難点を抱えていた。
基本無料化したために生じた不便もそうだが、前作にあった「リアルタイムのオンライン対戦」や「リプレイ機能」がなくなったため、コアなファンからは不評が多かったのだ。
しかし、1年以上のサービスを通じてオンライン対戦もリプレイ機能も追加され、Real Racing 3は完全版となりつつある。
このゲームは、実在の車で実在のコースを走れるレースゲームだ。
2014年7月15日現在、トヨタ、フェラーリ、Fordなど24社から92車種の車が登場し、その外観の再現度は高い。
コースは鈴鹿サーキットから、ドバイ・オートドローム、カタロニアまで有名12コースを収録。
ただコースを再現しただけではなく、日中、夕方、夜間など、異なる時間帯のレースを楽しめる。
観客まで再現とは行かないが、車もコースもスマホ最高級のグラフィックで表現されている。
それでいて最大で22台が同時に出走できるのだから、スマホ最高のレースゲームと自称されても納得してしまう。
さらに、高性能機種ではグラフィックが強化され、旧機種でもスムーズに動くようになり、見た目の満足度も初期より上がっている。
基本無料ゲームなので車の修理やアップグレード、購入時に待たされる仕組みがあるが、それでも我慢してしまうぐらい別格のクオリティのゲームである。
が、最初に書いた通りに当初はいくつも不満点があった。
1つは前作の『Real Racing 2』にはあったオンライン対戦モードがなかったこと。
販売元のEAは Real Racing 3 のリリース前、TSM(タイムシフテッドマルチプレイヤー)システムを使うと他のプレイヤーの走りをトレースしたAIと対戦できるから問題ないと語っていた。
が、蓋を開けてみるとTSMで生成されるのはフレンドをコピーしたAIではなく、フレンドと同じタイムになるように走るAIだった。
当然、他のプレイヤーと対戦している感覚はまったくなく、不満が噴出した。
が、iOSのみGameCenterを介して最大4人同時プレイでオンライン対戦ができるようになり、この不満は解消されている。
オンラインのリーグ戦もあり、前作よりも対戦環境は充実していると言っていいだろう。
オンライン対戦は相手の回線状況に快適さが左右されるものの、回線状況が良ければ普通に遊べる。
▲ショートカット対策のペナルティとして、ショートカット使用者は最高速度が時速25km程度に抑えられる仕組みもある。
リプレイも追加され、各レース後に見られるようになった。
もちろん、視点は様々に変更できるし、早送りや巻き戻しも自由自在だ。
動画として保存はできないが、リプレイ中に写真を撮ることはできる。
写真を撮るときはフィルターをかけ、フィルム写真やミニチュア写真のような画を作ることも可能だ。
▲ちなみに、ガレージモード(車を見るだけのモード)でも写真は撮れる。
さらに自分が感心したのはイベントだ。
ル・マンや、特定の車種の追加に合わせて行われるイベントはテーマ性があり、長すぎてだるく感じるがレースのシチュエーションも凝っている。
普通のレースゲームは遊んだら終わりだが、現実のレースイベントに合わせて遊べるのはとても嬉しい。
イベントに必要な車が無料で提供されるのも良心的だ。
▲自分もある車のためにドバイを必死に走った。
その他にもログインボーナスが増えたり、課金通貨のゴールドをもらえる量が増えたりと、さまざまな点で遊び安くなっている。
レースを続けると車が壊れ、修理のために時間がかかることは変わらないが、「エンジン」、「バンパー」など様々な部位を直す必要はなくなり、ワンボタンで車全体を直せるようにもなっている。
▲車を使い続けると壊れるので修理しなければならない。
また、エンジニアやマネージャーなどのクルーを雇い、1レースで手に入る名声(レベルが上がるとより良い車を買える)や報酬を増やすこともできるようになった。
これは課金要素ではあるが、無課金でも少しだけ使えるので誰もが嬉しい要素と言えるだろう。
ほとんどの部分では快適になり、パワーアップしたと言える。
が、1つだけ大きな改悪点がある。
リリース時は好きな車をいつでも購入し、乗り回すことができた。
しかし、現在は順番にレースを消化して車を出現させなければ、新しい車は買えなくなってしまった。
基本無料ゲームなのでレースの数はとても多く、プレイしきれないほどある。
後半にならないと手に入らない、フェラーリなどが好きなプレイヤーにはつらい仕打ちだ。
以前から改良されていない点としては、先ほど書いたTSMがある。
TSMは、他のプレイヤーや友人と同じタイムのAIを走らせるシステムだ。
そのため、友人が高速で良いタイムでコースをクリアしているとCPU戦の難易度が跳ね上がる。
なので、イベント時などは「iPhoneを機内モードにし、サーバーとの通信を止めてTSMが停止させる」ことを利用して切り抜けるプレイヤーも多い。
プレイヤーの腕による部分も大きいが、このゲームは車をチューンナップしなければ好タイムは出ない。
「フレンドが強い→勝つためには課金か、長くプレイして稼ぐ」ということになり、基本無料ゲームのいやらしさがゲームの面白さを阻害している。
で、1カ所の改悪と依然として残るTSMシステムと、良くなった箇所を総合すると…プレイスタイルにもよるが、以前よりパワーアップして面白くなっていると感じる。
基本無料だけども完全に進めなくなることはないし、イベントにチャレンジしているときはお祭り感もあるので多くの人が楽しめるだろう。
進化し続ける Real Racing 3 は、スマホのリアル系レースゲームとしてこれからも頂点を走り続けるだろう。
これで好きな車をいつでも買えるようになれば、ほぼ完璧なのだが…。
評価:3.5(かなり面白い)
おすすめポイント
実在のコースと実在の車が美しく再現されている
オンライン対戦が楽しめる
プレイヤーの腕によってアシスト機能を選び、誰でもレースが楽しめる
気になるポイント
好きな車に乗るまでが長い
TSMを切るのが面倒
(バージョン2.4.0、GCドラゴン)
アプリリンク:
Real Racing 3 (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
関連リンク:
レビュー:Real Racing 3 グラフィックは向上、面白さは低下。
動画: