Avicii | Gravity (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応)
楽曲をイメージした3Dの通路を進み、曲との一体感を楽しむ新しいラン系ゲームが登場した。
音楽ゲームには、『グルーヴコースターゼロ』のように音楽に合わせてリズムを刻むものが多い。
しかし、本日紹介する『Avicii | Gravity』は、楽曲をイメージした通路を進んで音楽を完成させ、楽曲が完成していく変化を楽しませる珍しいゲームになっている。
ミュージシャン Avicii のプロモーション用のゲームだが、宣伝ゲームにありがちな安っぽさもなく、体験してみて損のない作品だ。
このゲームは、シップに乗って三角形の通路を進み続けるラン系ゲームだ。
通路は薄暗い光で照らされており、BGMは楽器が「何か」のフレーズを刻んでいるだけで、とても寂しく、現実感のない不思議な空間になっている。
プレイヤーがやることは、左右フリックで通路が回転させ、画面右に表示されている順番で同じ色の【ピック】を取得するだけ。
ピックをとる音も寂しげで、BGMに合わせてリズムを刻んでいるわけでもない。
なので、通路を見て「世界観がいい」とは思っても、「面白い」とは思えないゲームだ。
しかも、あまり面白くない割りに結構難しく、壁にぶつかったり、取得順番と異なる色のピックをとるとダメージを受け、2回ダメージを受けるとゲームオーバーになる。
慣れるまではすぐにゲームが終わってしまうだろう。
▲たまに出現する壁は上下のフリックで体当たりして破壊する。
しかし、それでもプレイヤーはこのゲームを続けてしまう。
その秘密はBGMにある。
最初に書いた通り、スタート時のBGMは「何か」が鳴っている程度である。
しかし、ピックをとり続けると、新しいフレーズが加わり、ギターなど別の楽器の音が足され、ぼやけた音がはっきりして曲の輪郭が見えてくる。
この音の足し方が絶妙で、「ああ、早く完成させたい!」と思わされてしまうのだ。
曲が完成するまでは「のどの奥に魚の小骨が刺さっている」ような、引っかかる感が抜けない。
じらされながら、ひたすらじピックをとり続けていくと、いつの間にか寂しげだった通路に色と光が加わり…
最後にボーカルが加わり、音楽が完成される。
そして、「ついにここまでたどり着いた!」というカタルシスがプレイヤーを包む。
テンションを増した音楽をバックに通路を進む興奮感は、ライブ会場にいるときのものに近い。
完璧な音楽を聴くのではなく、不完全な状態から、プレイヤーが曲をつかみ取るような感覚はこのゲーム独特のものだ。
ゲームとしての奥は浅く、曲が完成したときを最後に興奮感はだんだんと薄れてしまう。
しかし、長く続けるゲームでもないのでこれでいいのだろう。
プロモーションゲームとしての役割は十分果たしている…というか、自分は完全にやられてしまった。
このゲームは無料で楽しめる曲とステージが3つ収録されており、その他に好きな曲を選んで遊べる特殊ステージが1つ用意されている。
ただし、特殊ステージでは最初に選べる曲は1曲だけで、残りの曲はアルバム True を購入し、iPhoneに曲を入れないと選べない。
「気に入ったら買ってね」という形式になっている。
で、自分はプレイして Avicii の曲と世界観が気に入ってしまい、無料ゲームをやっていたのに1600円のアルバムを購入することになった(日本のitunesから購入したアルバムは、曲情報のアーティスト名をAviciiに直さないとゲームでは使えないので注意)。
特殊ステージでは曲が最初からフルコーラスで鳴るので、曲を組み立てて行く感じはないのが残念だったが、新しい音楽プロモーションとしてもアリだな、と思わされた。
評価:3.0(面白い)
課金について
ゲーム内通貨(ゲーム中にあまり手に入らないが、あまり必要もないのでいらない)
シップ購入(得点が増える)
おすすめポイント
アーティスティックなヴィジュアル
次第に曲の輪郭が見えてくる演出
気になるポイント
リズムとピックをとる作業が同期していない
(バージョン1.1、GCドラゴン)
アプリリンク:
Avicii | Gravity (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応)
関連リンク:
True - アヴィーチー(音楽アルバム) (itunes1600円)