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ダンジョンキーパー レビュー - 原作とは別ゲーだが、ゲームは面白い…課金がキツいけど

ダンジョンキーパー (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay 基本無料)
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先日インプレッション記事を書いたが、あれからしばらくプレイを続け「ダンジョンキーパーはレビューするだけの内容があるゲームだ」という結論に落ち着いたので、あらためてレビューを書きたい。

原作とは別のジャンルになってしまい、熱烈なダンジョンキーパーファンから非難を受けるのはわかる。
だが、クラッシュオブザクランズ(以下、クラクラ)をダンジョンキーパー風に消化し、別の面白さを作り上げたオリジナルのゲームとしては面白い。

海外で大炎上し、物議を醸し出しているが、今回は原作や周囲の状況を考えず、独立した1本のゲームアプリとして紹介したい。

このゲームはダンジョンを作ってモンスターを召喚し、他の魔術師のダンジョンを襲って資財を蓄え、偉大な悪の魔術師『ダンジョンキーパー』を目指すゲームだ。
敵の襲撃に耐える極悪なダンジョンを作り上げるダンジョン経営ゲームと、モンスターを指揮していやらしく戦う戦術シミュレーションの両方を一度に楽しめる。
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▲凶悪な罠がたくさんあるぞ!

ダンジョン経営では、インプを使役して穴を掘り、建物や凶悪な罠を設置していく。
建物や罠を建築するには壁を掘り、スペースを確保する必要がある。
壁をタップするとインプが動き出し、壁を掘り崩してくれる。
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建物は大まかに分けて資源系と防衛系の2つに分けられる。
資源系は【宝物庫】【倉庫】のような資材を貯め込む部屋と、【金鉱】のような時間の経過で資源を生産する建物。
こちらは全く防衛能力がない。
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▲金貨いっぱいの宝物庫。横に防衛用の建物を置いて守っている。

防衛系の建物は防衛に使えるだけでなく、新たなモンスターを雇ったり、プレイヤーの能力を強化してくれるものが多い。
例えば【暗黒図書館】は近づく敵を雷で攻撃するだけでなく、ダンジョン攻略に役立つ魔法を研究し、さらにはここで魔法使いを雇う事もできる。
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トラップは侵入者を撃退するためだけの設備だ。
足止めをする【扉】や、4方に弾を撃つ【大砲】などさまざまなものがあり、組み合わせ次第で3倍も4倍も効果的を発揮する。
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クラクラとの一番の違いは壁がないことだ。
掘られていない場所を敵が通ることができないため、敵は基本的に一本道を進むしかない。
つまり、敵の進撃経路が予想できるので、トラップや建物の配置をそれにあわせてやると絶大な効果を発揮するのだ。
逆に適当に配置すると見るも無惨な結果になる。
やや複雑だが、敵を迎撃する要塞作りの楽しさはクラクラより上だと思う。

他のプレイヤーのダンジョンから資源を奪う戦術ゲームパートもクラクラとやはり違う。
モンスターを選択し、タッチして出撃させるのはクラクラと同じだが、出撃させられる場所は旗の立っている場所だけ。
つまり、進入経路はかなり限られる。
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▲一番最初はダンジョンの外側の部屋だけに旗がある。

クラクラは一気に出撃して戦う集団戦の楽しさがあるが、こちらはちまちまと敵の穴をついて攻めるネチネチ系のゲームだ。
一気にモンスターを出撃させると、外郭部分のトラップに引っかかりかなり消耗してしまう。
そこで、射程距離やモンスターの特性を考え、順番に出撃させて1つ1つ建物を壊していく戦術が重要になる。
占領した建物には旗がたち、そこから直接モンスターを出撃させられる。

たとえば先ほどトラップの場所で紹介した、「扉+炎の柱+大砲」で防衛力が高い部屋だが…。
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魔術師を使って遠距離攻撃でトラップを踏まずに部屋を壊し、その部屋から直接モンスターを送り込むと完全に無力化できる。
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また、魔法(画面右のアイコン)を使用してダンジョンを攻略することもできる。
たとえば、一見入り口が見えないこんな場所も…。
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▲魔法はクラクラとは違い、時間で回復するMPを消費する。気楽に使い放題。

魔法で壁に穴を開ければラクラク進入できる。
ダンジョンがマス目で区切られているので攻める方としても「こいつの射程が2だから…」とか、「魔法でここだけ穴を開ければ攻略できるかな」などと、詰め将棋のように計算して攻められる。
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▲魔法は万能ではない。ほとんどの場合、ダンジョンの弱点は壁が分厚かったり、掘られない壁にされている。

ダンジョン作りはクラクラよりも建物などの配置による相乗効果が起こりやすく、攻めては詰め将棋的な戦術が要求される。
基本となるシステムはクラクラに似ているものの、大味さがだいぶ薄れてよりゲーマー向けに進化していると言えるだろう。

これだけならかなり高い評価で収まるのだが…気になるのは課金の厳しさ。
建物を建てるインプは初期に2体しかおらず、建物・トラップ・穴掘りを指示してから終わるまでには時間がかかるが、無課金では全然足りない。
インプをはたくとしばらくの間2倍の速度で働くが、それでも足りない。
快適に遊びたい場合、最初から2000円程度払ってインプを2体は雇った方がいい。
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▲インプを多く雇うと、2倍速度で働く時間も長くなる。

クラクラ系が好きで、違ったものがプレイしたいならば、それでも十分面白いと思えると思う。
ただ、時間短縮なども考えると課金ははるかにキツいので、いいところで折り合わないと無限に課金するハメになるので注意。
自分は初期にお金を払い、そのまま「時間がかかりすぎるな」と思いつつも楽しく遊んでいる。

懸念点は運営だ。
いくつかの建物の建設時間や価格が告知なく変更されており、運営にはやや不審を覚える。
ゲームシステムは面白いので、3.0以上の評価が妥当だと思っている。
が、今回はサービス初期で数値などが安定しないことや運営の姿勢も考え、2.5としておこう。

最終評価:2.5(価格通りに楽しめる)

おすすめポイント
クラクラ系だが、違う面白さがある
悪の魔術師っぽい気分を楽しめる

気になるポイント
課金がキツい
面白さがわかるまでやや時間がかかる。
原作の雰囲気はあるが、まったくの別ゲー。

課金
課金通貨ジェムの購入。ジェムは下記の用途で使え、ゲーム中そこそこ入手できるが快適にプレイするには足りない。ブースト系はなくても勝てるし、問題なく遊べる。

・インプ購入(同時に建てられる建物が増える)
・建設時間短縮
・ブースト(バトルや時間とともに貯まる資源が増える、時限式)
・攻撃・防御強化(モンスターやトラップが10%強くなる、時限式)

(GCドラゴン Ver1.0.53)

アプリリンク:
ダンジョンキーパー (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay 基本無料)

関連リンク:
スマホ版ダンジョンキーパー、「課金ゲーすぎ」の批判に斜め上の対応をして海外で炎上。

動画: