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インプレッション:『Real Racing 3』(後半)基本無料で変わる世界

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課金システム編に入る前に、前半の記事よく分からないと書いたTSM(Time Shifted Multiplayer)について判明したので先に書いておきたい。
自分はTSMをのデータを送受信してなんらかのレースが開かれると思っていたが、1人用のレースにフレンドのTSMデータが反映される仕組みになっているようだ。
つまり、完全な1人用が存在せず、完全なオンラインプレイも存在しない。
AIは荒い運転に弱い傾向がある(きれいなラインを保とうとする)ので、人間風のCPUとひたすらレースする、というのが今回の『Real Racing 3』のゲーム内容と言えそうだ。 rr3_ (8)
といった所で、課金について説明しよう。

ゲーム内では通常通貨“R$”と課金通貨“ゴールド”の2つがある。
R$は「満足する量には少し足りないけどなんとかなるかな?」程度に手に入り、前作と近い感じで車を購入したりパワーアップしていけた。
なので、R$の入手バランスについては気にすることもないだろう。

ゴールドは希少で、レベルアップや特定のツアーを全てクリアしたときなど特別な時に少し手に入る。
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▲レベルアップで3枚。

ゴールドの使い道は3通りある。
1つはまだ参加できないイベントのアンロックをすること…だが、アンロックしても実力が伴わないと意味が無いので、あまりやるメリットはない。
続いて2つ目はプレミアムなゴールド専用車を購入すること。
ゴールド専用車は1台1700円〜8500円。
同じクラスのレースに出場できるなかで最も性能が良いチートカー的存在。
ただし、プレミアムカーが存在しないレースも多いし、なくてもレース自体はクリアできるようになっているようには感じた。
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▲1台150ゴールド=1700円。

メインとなるのが3つ目の用途、待ち時間の短縮。
このゲームではさまざまな場面で待ち時間が発生し、現実時間が経過するまで待たなければならない。

例えば、レース中に接触や無茶な運転をすると車がダメージを受け、レース終了後に修理しなければ性能低下のペナルティを受ける。
で、修理すると完了まで現実時間で待たなければならず、待たずに連続でレースするためにはゴールドで修理時間を短縮する必要があるわけだ。
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▲修理1箇所につき1〜5分程度かかる

安全運転でもエンジンなどは摩耗していくため、数レースに1度点検の必要がある。
3〜4レース程度(長いレースでは1〜2回で!)頻繁に変える必要のあるオイルなら15分、一番時間のかかるエンジンなら3時間でそれらが複合すると平気で5時間待ちも。
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R$を貯めてようやく新しいクルマを買ったかと思うと、納車に待ち時間。
車をアップグレードすると改造のために待ち時間といった具合だ。
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▲高級車ほど待ち時間は長い。

感情的にいってしまうと、なにをするにも「金!金!金!」と言われているようでうんざり。
普通ならレースのために1分以上ロードが入るようなゲームはクソゲーだ。
が、感情を押しのけて冷静に分析すると単純に「クソ」とは言えなくなる。

時間短縮に必要なゴールドは2分で1ゴールド、12分で4ゴールド、2時間半で7ゴールド。5時間で11ゴールド。
ゴールドの価格は170円で10ゴールド(単価17円)〜8500円で1000ゴールド(単価8.5円)だ。

コアのゲーム部分はGluなどと違って課金必須とはなっていないから楽しめ、複数の車を所持すると修理時間が別個に計算されるため、3台目の車を所有したあたりからローテーションでレースすれば修理の待ち時間はあまり気にしなくてもよくなる。

そこまで行けば、何かの合間にプレイするスタイルのプレイヤーならば、とりあえず連続してプレイは可能となる。
最初だけ課金して車を買ってしまうのも手だ。
そういったプレイヤーのためにスターターパックが170円で用意されている。
たまに長時間やるときだけレベルアップで貯まるゴールドを使ってしまえば良い。

安全運転志向で熟練のプレイヤーなら修理の手間は抑えられ、車をローテーションしつつレベルアップで手に入るゴールドを使用していれば、1000円程度の出費でかなり長く遊べそうに感じた。

逆に、自分のように“車体をぶつけてコーナリング”などのプレイスタイルだと、平気で4〜5箇所の修理を要し、1レースごとに5分以上は待つことになる。
自分は粗い運転をするので1レースで14箇所20分などのペナルティを食らうこともあった。
こうなるとゴールドがいくらあっても足りない。
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▲自分のプレイスタイルではこのゲームは辛い…。

今まで長時間連続で遊び、最もプレイしていたやり込み層に対してはクソ課金システム。
空き時間に片手間で遊ぶプレイヤーにとってはちょうどいい、というぐらいだろうか。
常にゴールドをマネジメントするのがストレスになるかどうかが楽しめるかどうかのポイントとなる。

で、グラフィック・システム・課金面、それらを総合してみたこのゲームの評価として言うなら、『Real Racing 2』の延長線上でみた場合、『Real Racing 3』は前作より面白くない。

レースゲームはトライアンドエラーで腕を磨いていくアクションだが、車をローテーションして遊ぶとレース内容がすっかり違うものになってしまうので連続してプレイして上達する遊び方にも向かない。

以前は1ゲームプレイ中になにをしても良かったが、プレイの内容で同じレースでもお金がかかってしまうので“ぶつけ放題プレイ”を思う存分楽しむことはできない。
もちろん、お金を払えばいいけども、ゴールドマネジメントの圧力が常にあるのがまたストレスだ。

「1人で黙々と遊ぶ」「プレイを磨いてガチで遊ぶ」「リプレイを見て楽しむ」というスタイルはというスタイルなら『Real Racing 2』でいい。

『Real Racing 3』は、Real Racingシリーズ外伝なライトに遊びを推奨するゲーム。
TSMで「おーい、俺はお前のタイムを抜いたぞ!」などと軽く遊ぶ(日本でいうカードゲーム的ではない)ソーシャル的なゲームなのだ。

そういうライトな遊び方をしていたプレイヤーこそ『Real Racing 3』のターゲットだ。
グラフィックも強化され、レースの種類も多くなって、リアルの知人と気軽に対戦した気分になれる。
出来のよい、ライトな遊び方を推奨するライトな人向けのレースゲーム。
それが『Real Racing 3』。

今から、前作以上に多くのプレイヤーが「こんなに出来ていて無料なんてすごいです★5」とレビューを書くのが目に浮かぶ。

だが、体当たりプレイも、一定の難易度のCPU相手に対して戦うこともできない、リプレイで悦に浸ることもできない。
好きだった遊びはまったくやりづらくなった今作。
自分にとっては確かにすごいが、凄さを素直に楽しめない残念なゲームだ。