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インプレッション:『Real Racing 3』(前半)グラフィックはちょっと進化、ゲームの完成度は退歩。

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2月28日、『Real Racing 3』発売!
と報じられたが、なんとニュージーランドでは一足早くリリース。
ゲームキャストでも早速『Real Racing 3』を手に入れて遊んでみたので、やりこみ前のインプレッションをグラフィック&ゲームシステム・課金システムと分けて前後編でお伝えしたい。
まず前編の概要から言ってしまおう。

1・グラフィックは前作からちょっと強化
2・レースの種類が多くなって楽しい
3・TSMでいつでも他人のAIと擬似対戦可能。
4・1人用の難易度がランダムに変動するので目標が持ちづらい。
5・リアルタイムオンライン対戦は削除
6・リプレイ機能がない

といったところ。

グラフィックについて、背景は『Real Racing 2』より良くなっている。
建物の壁面に光が反射するようになっていたり、樹木の作りこみに差がある。
違いがわかるほど細かく見る機会などほぼ無いが、プレイしているとやはり「なんとなくコースが良い感じ」という気分にはなる。
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▲なんとなく良い感じ。

その上で今回は実在のサーキットを再現しており、鈴鹿サーキットなどは日本のファンにとって本当に嬉しいのではないだろうか。
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車も前作よりパワーアップしており、特に良くわかるのはコックピット視点。
わずかにディティールがよくなったほか、バックミラーが機能するようになっている。
本物の車さながらにミラーを確認しながら動くことが可能になるわけだ。
下の画像で比べてみて欲しい。
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▲Real Racing 2のコックピット

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▲Real Racing 3のコックピット

演出などもところどころ強化されており、特にクラッシュ時に壊れる部位が細かくなったり、レース中フロントガラスにヒビが入ることも。
タイヤの跡の演出など、細かいところでテコ入れされている印象。
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▲でもクラッシュ音はショボイ…。

で、グラフィックが強化されるときになるのは動作だが、iPhone5、iPod touch 5G(iPad miniやiPhone4Sとほぼ同等)ともに処理落ちは特に感じなかった。
ただし、グラフィックに関してはやはりiPhone5が上。
例えば、下は同じ場所だがiPhone5の方が樹木が多く、看板の文字が細かい。
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▲クリックで原寸へ。1MBあるので注意。

なお、車のグラフィックについては差異を感じなかった。
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▲同じくクリックで原寸へ。

大きな差とは言い難いが、iPhone5の方が高品質なグラフィックになっているといってよさそうだ。

続いて900以上と喧伝されていたイベント数。
プロアマワールドシリーズからグランドツアーなどさまざまなクラスにわかれて、メニューのスクロールが大変なほど。
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各シリーズには出場可能な車が定められており、特定の車を所有していないと出場することが出来ない。
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▲出場前に車を購入。

この部分は順調にパワーアップしており、レースの種類は前作よりかなり豊富になった。
コース内で出した最高時速を競う“スピードレコード”。
難易度の高いコースでタイムアタックする“オートクロス”。
直線でギアを切り替えるタイミングなどを競う“ドラッグレース”など、楽しみ方が異なるミッションがプレイヤーを待つ。
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▲ドラッグレースでは手動でギアチェンジ。

リアルタイムオンライン対戦がなくなり、全て“Time Shifted Multiplayer”(TSM)へ。
これはプレイヤーの走行記録を元にしたAIが作成され、データを転送することで「オンラインに人がいなくても常に人がいるかのように対戦できる」システム。
同時接続しなくても、「昨日、◯◯のコースでお前のAIと戦って勝ったよ」ということができるようになるわけだ。
ただ、これについては知人がまだプレイしていないので細かく試せなかった。

このTSM機能は1人用でも常に動作しており、イベントでの対戦相手は全て全国のプレイヤーの走行データを元にしたAI。
レースの度にデータがダウンロードされて相手が変わるため、難易度が変動する。

実際、あるレースに負けた後、練習して前回の1位のタイムを大幅に上回るペースで走れたにもかかわらず、たまたま強力なプレイヤーが相手だったため1位に届かないということもあった。
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毎回違う展開が楽しめるのは面白い要素ではあるが、それならばオンライン対戦で良いわけで、1人用でこれをされると、理不尽を感じてしまう。

「今回は弱いプレイヤーばかりで運良く勝てました」
というところを楽しむのではなく、

「毎回同じ障害があって、ついにあなたは修行でそれを乗り越えました!」
というゲームが1人用のレースゲームの楽しさではないだろうか。

そして、個人的に1番の難点はリプレイがないこと。
レースゲームはいい走りをした後のリプレイで悦に浸るのが楽しい瞬間なのに、それができないのがちょっとキツイ。

総じて見ると、グラフィックがよくなり、イベントの種類は豊富になったが、前作にあった様々な要素も削られている『Real Racing』で、まだまだ『Real Racing 2』の方が良い部分もある、と言った印象。
リリースした手でまだまだ荒削りなのか、ミニマップが背景と同化して見えないなど細かい気配りの不足も感じられた。
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▲ミニマップ(中央左)が砂地にまざると見えなくなることがある。

大々的に宣伝されているTSMやイベントの種類などはたしかにすごいのだが、現時点では『Real Racing 2』の方がはるかに完成されているように思えた。