超水道さんは「iPhoneのノベルアプリを1週間で作る!」ことに挑戦し、ゲームキャストが出来るまでの様子をレポート。
前回の企画会議から引き続き、2日目はついに企画書が完成。
超水道流のシナリオ制作術に迫る!
本当は企画書ができるはずだった1日目。
結局企画書は完成せず、初日から遅れてしまった。
そして、2日目の朝。
- 原案ができました!
果たして野菜星人はどのように取り込まれているのか。
期待しながら見た原案は、昨夜の原型を全くとどめていなかった。
タイトル:'99
佐々木ケイが得意なダークとミタヒツヒトが森川空などで培ったジュブナイル(十代向け)要素を融合!
今までの超水道にない新しい路線「ダーク・ジュブナイル」、そして超水道の集大成的な作品を目指す!
バトルにはしたくありません。
宇宙人も、バトルもない。
朝になったら全てできている。
これは…ポップアップだ(※参考サイト)!
あのバーチャファイターの鈴木裕氏は夜中のうちに自動で問題を解決する能力を持っていたという。
間違い無くそれだ。
- 昨日の夜電話で話して決めました。
- どうせやるなら、児童文学に挑戦したい。
- それなら児童文学の流れをくんだ、ダークなジュブナイルをやろうと。
HIROSHIはブレイドとバック・トゥ・ザ・フューチャーのノリを参考にして、結局バック・トゥ・ザ・フューチャー的になりました。
今回はブレード+邦画な感じでダークにして、超水道がやり残したことをやってしまいます。
…ポップアップではなかったが、あの後さらに電話で長く会議を行っていたらしい。
これはファミレスではつくらなかった4つ目のストーリーか。
一旦決定すると、2人で次々と話に肉付けを行っていく。
- Bよりも先にAがあった方が印象に残るかも。
- Aの場所は学校ってのは安易じゃない?
このような形でひたすらにアイデアを出してはぶつけ合い、夕方には大体の展開が出来上がる。
すると、全体をシーンごとに分解していく作業に入った。
例えば、下記のような形(※例は今回の話とは全く関係なし)。
A.ヒロインと出会う
B.主人公が目的をもつシーン
C.主人公とヒロインが仲良くなるシーン
D.すっごい敵が出てくるシーン
E.敵を倒すシーン
- Bのシーンを考えると、ヒロインはこの作業をしていたほうがいいんじゃない?
- いや、Eのシーンでこうするからこの描写を入れておこう。
などと、シーンの詳細を考えつつ話を場面場面のストーリーを細かく決めていく。
全体の展開を決め、細切れにして徐々に精度を高めていく手法だ。
夕方に2人で決めた大枠のストーリーは約5000文字。
それを詳細に書いた、本番のストーリーの元になるプロットが約20000字。
さらにそこから実際に読者が目にするストーリーを書き下ろす。
同じストーリーを3回書くことで矛盾が洗い出され、必要なものが膨らまされて洗練されていく仕組みだ。
また、全体の流れを確定させてしまうことで目玉になるシーンを先に決定し、イラスト担当の山本すずめさんがイラストを描きはじめることもできる。
この時点でキャラクターのラフやイラストも出来つつあるのだが、イラストについては明日の記事で細かく解説する。
夜には企画書が完成。
音楽の方針も決まり、早速発注がされた。
なお、'99(仮)企画書はこちらからダウンロード可能なので、是非見て欲しい。
音楽に関しても、大枠が決まった時点で発注された。
今回は『ヴァンパイアハンターHIROSHI』でも音楽を担当したinaryさん。
ニコニコ動画では「はやくP(インスト曲へのリンク)」という名前で活躍している。
お願いした理由は何と言っても作品の世界観にマッチした作風と短いフレーズで曲を作る腕前。
様々な作業が並行して進んでいるので、次回は超水道のキャラクターデザインとイラスト制作に焦点を当ててお届けする。
関連サイト:
inaryさんブログ「はやく寝なさい」
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